第4回 ほめる子育てだって、よくないときも

子どもの能力を引き出す、やる気にさせる上手なほめ方・叱り方

第4回 やる気を引き出す「子どものほめ方・叱り方」(2013年4月26日)

ほめる子育てだって、よくないときも

“ほめる子育てがよい”と言われるようになって、どのお母さんも心の中では“子どもをほめなければ”と思っているけれど、実際にはあまりほめることができなくて…、ちょっと悩んでおられるのではないでしょうか?

「私は、絶対に叱らない」というお母さんがいました。でもそのお母さんの子は、学校ではわがまま放題で有名な子ども。しかも成績の悪い子を見下しているということで、子どもたちからも嫌われていました。それで私は、“ほめる子育ても、あまりいいものではないな”と思ったものです。ほめ方にも、いいほめ方と悪いほめ方があるのでしょうね。

で、気づいたのですが、ほめ方って叱り方以上に子どもの性格にあわせて考える必要があるのではないでしょうか?
たとえば、自信があって一番になりたがる子とおとなしくて自信がなさそうな子では、親のほめ方も違って当然。自信なさげな子にはどんどんほめてあげるのもいいけれど、自信のある子は増長して人を見下さないように気をつける必要があるのでは?

とくに気をつけたいのは「○○ちゃんより点数がいい。やっぱりあなたは頭がいい」みたいに、人と比べるほめ方。自信のある子には絶対にしてはいけないと思うのです。
それに、あるお父さんはこんなことを言っていました。「ほめるのは難しい。成績がよくなったときにほめたら、悪くなったときはほめられないじゃないですか」。そこでこのお父さん、「ほめ方、叱り方が難しいので、成績が上がっても”そうか”、成績が下がっても”そうか”としか言わないようにした」とのこと。父親のやせ我慢でしょうが、こういう考え方もあるのかと感動してしまいました。

さてみなさんだったらどうしますか? どんな方法でもいいと思うのですが、私はやっぱり、いいことをしたらほめ、悪いことをしたら叱るというのが、子どもと接する時間の多いお母さんにはいちばん合っていると思うのです。

そして、うちはあんまりほめていないなあというお母さんたちは、勉強・成績以外のことにも目を向けてほしいと思います。ほめるところがない子どもなんて絶対にいません。子どもが何かいいことをしたら、「よくやったね」と言ってあげればいいのです。親のその一言が子どもをやる気にさせ、それが成績にもつながるのです。そのためにも、親として子どもへの関心が成績ばかりに向かっていないかはチェックしておきたいものですね。

<<プロフィール>>高木 潤子(たかぎ じゅんこ)
若いころから週刊誌・女性誌で、子育て・インテリア・料理など幅広い分野の記事を取材執筆。仕事量を減らして二児を育て、インターエデュはお受験ママとして活用。現在も取材・編集・執筆と幅広く活躍中。

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