第91回　中学受験で希望するなら共学？ 男女別学？

中学受験を予定している方に、「男女共学、それとも男女別学、どちらを希望していますか？」と、シンプルに尋ねてみました。その結果が左のグラフ。

男子校、女子校を望むと回答した人は、ほぼ半数。それに対して男女共学を希望する人は3分の1です。公立の中学校は男女共学が当たり前で、私立でも共学校が増加傾向にあるので、男女共学を希望している人のほうが若干多いのではないかと想像していたのですが、結果はまったく逆でした。

なぜ、多くの人が男女別学を希望しているのでしょうか？　その理由も書いていただいたので、いくつか紹介しましょう。

◆伸びたい方向に素直に伸びていける。人の目を気にしたり、意見を無理に合わせたり、自分を押さえることなく伸び伸び過ごせる。逆に思われがちだが、女子校の女子のほうが1人で判断して1人で行動できる子が多いため、たくましくなる。
◆異性の目を気にすることなく、ありのままの自分でのびのびとした学校生活を送ってほしい。
◆大学受験時に色恋は邪魔ですから。

心の成長期に”異性の目”を気にせず、のびのびと過ごすことのメリットは、ご存じ中学受験状況に詳しい教育ジャーナリストのおおたとしまささんも指摘していますが、同様のご意見のエデュママが多数見受けられました。また、共学でも別学でもどちらでもいいという人でも、下記の回答に代表されるように、男子校、女子校の良さを十分に認識して、わが子に合った学校を探そうとしているようです。

◆本人は共学を希望していますが、女子校出身の母親は別学の良さも認識しています。現在、第一志望としている学校は共学校ですが、男子校にも(主に親が気に入っている)素晴らしい学校が何校かあります。共学・別学問わず幅広い選択肢の中から本人に最も合った学校にぜひお世話になりたいと思っています。

明治から大正にかけて創立された伝統校の多くは、公立・私立にかかわらず、男子校・女子校としてスタートし、今の中高一貫教育の原点のような中等教育を行っていました。現在でも、難関大学への合格実績の高い私学の多くは男子校、女子校という現実があります。わが子の中学受験を考えている親御さんの多くが「男女別学」を考えるのは、ある意味、当然と言えるのかもしれませんね。