大手模試受験者数による2019年中学入試動向の検証

inter-edu’s eye
前回、森上教育研究所でお届けした「2019年入試、中学受験比率はどうなる?」では、小6人口の増減から、受験者数前年対比108.5%と大幅な増加の予想をしました。今回はその予想を検証するため、4月に行われた四模試(日能研、首都圏模試、四谷大塚、SAPIX)の受験者数前年比から、入試動向分析を行っていただきました。

2019年中学入試受験者数の予想

【表1】

小6人口前年対比 中学受験率前年対比 受験者数前年対比
2018年 予想 97.2% 103.0% 100.1%
2019年 標準予想 103.5% 104.8% 108.5%
2019年 低め予想 103.5% 102.4% 106.0%

【表1】の「2018年 予想」は、2017年3月時点での2018年中学入試受験者数を予想したものです。小6人口だけで考えれば前年対比97.2%でしたが、小6人口と中学受験比率の予想から100.1%と予想しました。しかし、実際には小6人口は予想通りでしたが、中学受験比率は予想よりも高くなった(下記【グラフ1】参照)ため、101.2%となりました。

昨年と同様のやり方で、2019年中学入試受験者数を予想しました。小6人口は、昨年の小5人口からの予想で、ほとんど誤差はないため103.5%としましたが、中学受験比率の予想は【グラフ1】の推移で計算すると前年対比108.5%と大幅な増加の予想になりました。グラフが予想した通りに推移するか、確信は持てなかったため【グラフ1】の推移で計算した予想を「2019年 標準予想」104.8%とし、昨年と同じ中学受験比率となる場合と「2019年 標準予想」の平均を「2019年 低め予想」102.4%としました。中学受験比率の予想が不明確であることから、2019年中学入試受験者数予想は、2018年4月に行われる大手模試の受験者数で検証したいと考えました。

【グラフ1】2月1日私立受験者数の推移と受験比率

4月の四模試受験者数による検証

【表2】

2018年4月受験者数 2017年4月受験者数 受験者数前年対比
日能研 11,074 10,478 105.7%
首都圏模試 9,819 9,523 103.1%
四谷大塚 12,983 12,245 106.0%
三模試計 33,846 32,246 105.1%
SAPIX 6,237 5,885 106.0%
四模試合計 40,113 38,131 105.2%

【表2】2018年4月に実施された四模試(日能研、首都圏模試、四谷大塚、SAPIX)の首都圏受験者数を集計したものです。首都圏では四模試を受験する受験生がほとんどで、上記「2019年中学入試受験者数予想」を検証できると思います。

例年、四模試の受験者数をもとに、翌年の中学入試動向を分析しています。4月の時点では四模試の精度が低いので動向を予想する精度も低くなりますが、大幅な誤差は生じません。四模試の2018年4月首都圏受験者数前年対比を見ると、105.2%で、大幅な増加と言えます。【表1】を見ると「2019年 低め予想」106.0%とほぼ同じ受験者数前年対比であることが分かります。小6人口は大幅な増減がないと思われるので、中学受験比率が低めであったことになります。

「2019年 低め予想」の受験者数前年対比を設定したのは、急激に小6人口が増えた時は、中学受験比率が低くなる可能性があると考えたからです。低くなる理由は、中学受験をあまり行わない地域からの流入による小6人口の増加が考えられます。結果的には2019年の中学受験比率は標準的な予想よりも低めになりそうです。それでも2018年よりも2ポイント以上高く、中学受験人気はさらに高くなりそうです。

2018年4月の四模試受験者数と2019年中学入試受験者数予想を比較した結果、四模試受験者数は105.2%と入試受験者数予想範囲よりも少し下の数値となりますが、ほぼ「2019年 低め予想」106.0%と同じ結果と言えます。

著者:森上教育研究所アソシエイト 小泉壮一郎

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