2019年中学受験、さらに入試形態が多様化!

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首都圏の中学入試は、国語・算数・理科・社会の4教科での受験が一般的です。しかし近年、大学入試改革の影響もあり、「英語入試」や「思考力入試」を実施する学校も増えています。さらに、子どもの得意なことを評価する「算数1科型入試」や「自己PR入試」なども注目を集めています。そこで、2019年の入試にはどんな特徴や入試形態の変化が見られたのか、森上教育研究所アソシエイト高橋真実氏の調査をもとにまとめました。

中学受験でますます増える「英語入試」

以前から帰国生向けの入試では英語での選考が行われてきました。しかし、今や一般入試でも英語を課す中学が増えてきています。背景には、各校でグローバル教育への取り組みが進んできたこと、高大接続改革によって、大学入試で英語の4技能を問うことが表明されたことなどが挙げられます。英語入試の導入当初は、「国語、算数+社会か英語のいずれか」といったような選択型のものがほとんどでしたが、昨今は「英語必須」の入試を行う学校が増えてきています。

英語必須の入試実施状況

英語必須の入試実施状況 実施校数
英語必須の入試実施状況 受験者数

では、2019年に行われた英語必須の入試について見てみましょう。1都3県における実施校数と受験者数を2018年と2019年とで比較しました。実施校数は2018年の32校に対し2019年は1.4倍に増えて45校となりました。受験者数は2018年の353人に対し2019年は660人と、前年比187%の大幅な増加となりました。そして、一口に英語必須の入試と言っても、その形態はさまざまです。

ペーパーテストを行うところもあれば、インタビュー形式で行われるところもあります。共立女子中学校では、ゲームなどの英語によるアクティビティを課す入試を行っています。2020年から、小学校でも英語が正式に教科となります。これを受けて、英語必須入試は今後さらに増えていくことが予想されます。

思考力入試のバリエーションが豊かに

高大接続改革では、育成すべき学力の三要素として「①知識・技能の確実な習得、②(①を基にした)思考力・判断力・表現力、③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を掲げています。大学入試もこの学力の三要素を問うものであることが求められ、2020年度から始まる大学入試共通テストもまた、こうした方向性を具体化したものとなります。こうした動きにいち早く対応してきたのが私立中学入試であり、その顕著な例が「思考力入試」と言われるものです。従来公立中高一貫校で行われている「適性検査型入試」も思考力入試の一種であり、私立中学でもこの適性検査型の入試が数多く行われてきました。

高大接続改革以降は、こうした教科横断型記述式の入試に加え、レゴブロックで作品を作って自分の考えを表現したり、与えられた課題について作文を書いたり、プレゼンテーションをしたりといったような具合に、多様な試験形態が登場しています。

2019年、相模女子大学中学部では「プログラミング入試」を実施しました。これはプログラミングの授業を受けたのち、実際に機器を使って実行し、その結果を発表、ディスカッションするという内容です。また、共立女子第二中学校では「サイエンス入試」として、理科の実験を行い、結果をまとめ、考察を加えて発表をするという新たな入試をスタートさせました。

思考力入試実施状況

思考力入試実施状況 実施校数
思考力入試実施状況 受験者数

このように、思考力入試は、机に向かって解答用紙に答えを書くという従来の試験スタイルを離れ、多様な入試へと広がりつつあります。

そんな変化を遂げる思考力入試、2019年はどのような実施状況だったのでしょうか。英語入試と同じように比較をしてみました。実施校数は2018年が1都3県で65校だったのに対し2019年は92校となりました。受験者数は2018年が3,345人だったのに対し2019年は5,116人と、前年比153%の増加となりました。

2月1日午後のチャレンジ「算数1科入試」。その結果は?

2019年は、算数1科入試も増えました。特に、2月1日午後に「算数1科入試」を新設した巣鴨中学校(以下、巣鴨)と世田谷学園中学校(以下、世田谷)は男子の進学校ということもあり、注目が集まりました。

学校 入試 志願者(人) 実倍率 実倍率
栄東(共学) 東大Ⅱ算数1教科型 231 185 2.8
巣鴨(男子) 2月1日午後算数 508 476 2.8
世田谷学園(男子) 2月1日午後算数 425 395 2.4
普連土学園(女子) 2月1日午後算数 299 274 1.9

巣鴨が受験者数476人で実倍率2.8倍、世田谷学園が受験者数395人で実倍率2.4倍と、いずれも高倍率となりました。これまでにも算数1科入試は品川女子学院中学校、大妻中野中学校で行われていましたが、今年さらに実施校が増えたことで、入試のカテゴリーの1つとして定着したと言えるでしょう。

2019年、首都圏では受験率がさらに上昇しました。昨年同様、大学付属校・半付属校の人気も高まりました。こうした背景には、教育改革、大学入試改革、定員の厳格化を含めた大学改革に対する受験生や保護者の不安があると見られています。2020年度からはいよいよ大学入学者共通テストが始まりますので、こうした影響がさらに広がることが予想されます。 すでに次年度に向けた入試改革を宣言している中学もあり、中学受験はまだまだ変化の途上にあると言えるでしょう。 

森上教育研究所 information

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