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人類ならびに国家に貢献しうる“世界的日本人”の育成を目指す茗溪学園中学校高等学校(以下、茗溪学園)には、多くの留学生や帰国生が在籍し、一般の在校生も積極的に留学制度を活用して海外へ渡っています。そんな茗溪学園の特徴の1つに、帰国生や国内各地から集まった生徒が暮らす寮の存在があります。そこで今回は、中学と高校に通う2人の寮生と、寮生の健康管理を担当するニクライ・ゲルゲイ先生にインタビュー。寮生活はもちろん、通学生・寮生・帰国生・留学生と、さまざまな生徒が集まる茗溪学園の魅力についても語っていただきました。

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寮生活の意外なメリットが明らかに!?

親元を離れ、これまでとは異なる環境に身を置く寮生たち。相部屋になるのは他学年の生徒で、さらに寮には団体生活を送るうえで必要な規則があります。中学1年次から入寮した早川さんと戸部くんに、寮生活でよかったことや戸惑ったことなどについて聞いてみました。

高3の早川さん
高3の早川さんは、高1でチリ留学を経験。約1年にわたってホームステイをしながら、地元の高校に通いました。

早川さん:中学1年生は、まず寮の規則を覚えなければいけないし、担当する仕事がたくさんあるので最初は大変でした。でも、同学年の子と「一緒に頑張ろうね」と励まし合って仕事をすることで、距離が縮まり、仲良くなれました。

戸部くん:僕は最初、上下関係に慣れなくて苦労しました。入寮後の1か月間は、高校2年の先輩がアドバイザーとして寮の規則を教えてくれるので、その中で敬語の使い方など、先輩との付き合い方を学んでいきましたね。

中3の戸部くん
中3の戸部くんは、小学生時代の約半分をイギリスで過ごした帰国生。

早川さん:規則の1つとして門限があるので、夜は通学生のように校外で友だちと会うことはできません。でもその分、寮では勉強時間が確保されており、私はそのおかげで筑波大学の人間学群障害科学類に合格することができました。

戸部くん:同学年の仲間とは、入学前に行われた体験入寮で仲良くなれました。茗溪学園では、全員が入寮体験をするんですよ!

茗溪学園の寮は国際交流の場

帰国生が多く、バックグラウンドの異なる生徒が集まる寮は、小さな国際交流の場とも言えます。そうした環境で、寮生は何を感じ、学んでいくのでしょう。

学習習慣
定められた時間にしっかりと勉強する習慣が付いた生徒たちの集中する様子は、まるで学習塾の自習室を見ているかのよう。

早川さん:違う国や地域から集まった人と暮らすことで、自分にとっての“普通”が、他人にはそうではないことを知ります。それでも一緒に生活していくためには、考え方の違いを理解し、互いに歩み寄り、折り合い地点を見つけてうまくやっていく必要があることを学びました。

戸部くん:帰国生には個性が強い人やそうでない人、とにかくいろんな人がいて、話をすると「そんな考え方をするのか」と驚かされることが多く、一緒にいて面白いです。たとえ価値観が違う相手でも、寮で長い時間を共に過ごす中で、仲良くなれることが分かりました。

寮生による寮生のための運営

寮には、「寮委員会」「行事委員会」など4つの委員会があり、全寮生がいずれかの担当になります。各フロア長をメンバーとする「寮委員会」では、寮生の要望について話し合い、必要に応じて学校に要望書を提出するなど、寮の運営を担います。こうして、茗溪学園によるサポートの下で、寮の自治が行われているのです。

寮の行事
寮祭では屋外バーベキュー、クリスマス会は卒寮する先輩とのキャンドルサービスなど、思い出深いイベントが盛りだくさん。

早川さん:私は高校3年でフロア長を経験しました。そして、寮委員会で電子レンジの購入を決めたり、学年混合で行うスポーツ大会を企画しました。

戸部くん:僕は行事委員として、寮祭やクリスマス会の企画・進行をしました。いつかフロア長になり、寮の運営に深く関わってみたいです。

早川さん:私が茗溪学園を選んだ理由は、イベントが多く、楽しそうだと思ったからです。入学してみたら、寮でも学校に負けないくらい多くのイベントがあったので、6年間、学校と寮で学生生活を満喫できました。

戸部くん:茗溪学園のいいところは、留学制度が豊富で、国際バカロレア資格を取得するためのIBDPコースへ進む選択肢まであるところです。まさに今、このコースへ進もうか悩んでいて、実際に受講している寮の先輩の話を参考にしながら、じっくりと進路を考えています。

“ハウスマスター”ニクライ先生インタビュー

寮生の健康管理と生活指導をするのが、“ハウスマスター”と呼ばれる教職員です。英語教師であり、ラグビー部の顧問も務めるハウスマスターのニクライ・ゲルゲイ先生が、寮生活のメリットについて語ってくださいました。

ニクライ先生
高校女子寮のハウスマスターを務めるニクライ先生。IB-CASとAP(※)のコーディネーターも兼任。
※アドバンスト・プレイスメント

勉強面における寮の強みは、受験勉強をする先輩の姿を後輩が間近で見られることです。これにより後輩は、どのくらい勉強すればどの大学へ合格できるのかを知ることができます。さらに、12月に退寮する高校3年生は、卒業前に再び寮を訪れ、受験勉強や進路についての貴重なアドバイスを後輩にたくさん残していってくれます。これらの情報は、寮なくして得ることはできないでしょう。
また、卒業後、何十年経っても交流の絶えない仲間に出会えることも、寮の良いところですね。

また、茗溪学園の魅力は、行事が多く、部活動が盛んで、海外との接点が豊富なこと。どんな生徒でも、6年間のうちに熱中できることを見つけられる学校だと思います。

編集者から見たポイント

筑波大学や多くの研究所があり、国際性の豊かな地・つくば市にある茗溪学園は、SSH指定校/IBDP認定校です。インタビューを受けてくれた戸部くんが国際バカロレア資格に強い関心を持っているように、帰国生や留学経験のある寮生など、国際感覚を磨いてきた生徒の存在が、独自のグローバルな学風を助長していると感じました。茗溪学園での寮生活は、自立心や学習習慣が身につくだけでなく、帰国生や他学年生との交流により“人間関係を築く力”を磨ける場になっています。そういった文化のようなものが、通学生を含めた学園全体に良い影響を及ぼしているように思えます。