inter-edu’s eye
北千住駅から徒歩5分の場所にある潤徳女子高等学校(以下、潤徳女子)には、進学・特進・美術の3つのコースがあります。美術コースでは、2021年度大学入試で美大最難関の東京藝術大学(以下、藝大)に2名の合格者を輩出しました。授業見学とインタビューを通して、本格的に美術を学べる環境や美大進学のサポート体制、作品制作に情熱を注ぐ在校生の姿をお届けします。
授業見学をしたのは、3年の「専攻美術」。3年生は12月の卒業制作展に向けて、技術と経験を集大成した作品制作に挑んでいます。地下1階は美術室や作品の倉庫、焼き窯などがあり、ほぼ美術コース専用のフロアに。近年の美術コースの生徒数増加に伴い、1階にも美術室が作られ、より恵まれた環境になっています。
地下1階 美術室1
地下1階 美術室2
1階 美術室3
美術コースの学びについて在校生にうかがいます。
日本画専攻。美術部所属
日本画専攻。2021年9月から生徒会長を務める
美術コースの魅力
入学のきっかけを教えてください。
下地さん
美術系の高校を探して潤徳女子の体験入学に参加したとき、先生が熱心にデッサンを教えてくれたので、入学を決めました。
葛西さん
潤徳女子には特進と進学コースもあるので、美術関係の仲間だけでなく、いろいろな友達ができると思ったからです。
入学して、美術コースのどのようなところに魅力を感じていますか。
葛西さん
美術室が3つあり、制作に集中できるところです。また、先生がとても熱心です。美術コースの生徒は朝と放課後に自主的に制作活動をしているのですが、先生も朝7時半には登校して、作品の講評をしてくれたり、生徒の隣で自分の作品を制作したりします。
下地さん
朝の活動は朝練と呼ばれていて、私は毎朝参加していますよ。朝練では美大受験の対策として、石膏デッサンや静物着彩に取り組んでいます。
講評では何を話すのですか。
下地さん
先生が生徒の作品を見て、技術的に足りないものや、補うために何をすればいいかを教えてくれます。
葛西さん
あと、「葛西さんは●●だね」と、先生が作品を通して生徒の個性や内面を見てくれます。私はそれがすごくうれしいです。
基礎を学び、専門分野へ
3年間の学びについて教えてください。
葛西さん
1年次は「美術1」で石膏デッサンを、また、「専攻美術」で2年次に専攻する4つの学びに少しずつ触れていきます。
そして2年次から油画・彫刻・日本画・グラフィックデザインに分かれて専攻分野の学びを深めます。
下地さん
私と葛西さんは日本画専攻です。3年次は「美術特講」でデッサンなど基礎力を固め、「受験美術」で受験に必要な授業を選び、「専攻美術」で卒業制作に励みます。
お二人は、どうして日本画を専攻したのでしょう。
葛西さん
日本画を担当する杉山愉岳先生の影響です。朝練で先生からデッサンを学んだり、先生の作品を見たりしているうちに、杉山先生の下で学びたいと思うようになりました。
下地さん
最初は油画が好きだったのですが、外部の講習会に積極的に参加していたら、自分がやりたいことは本当に油画なのだろうかと迷いが生じてしまって。悶々としていた2年生の春、杉山先生の作品を見て日本画に抱いていたイメージが打ち砕かれました。自分で調べ始めたところ、日本画の素晴らしさに引き込まれて、専攻を決めました。
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業
東京藝術大学大学院美術研究科日本画専攻修了
日本画の専攻美術の授業では、どのようなことをしていますか。
葛西さん
裏打ち(作品を描く紙の強度を増す方法)など、普通は美大で学ぶような専門的なことを、高2の授業で1から教わっています。
下地さん
私は卒業制作で屏風を作っています。3部作で、11月までに扇面と掛け軸も完成させます。
藝大受験に向けて
美大受験を考えていますか。
下地さん
藝大を受験します。横山大観や東山魁夷といった著名な日本画家を輩出し、日本画の文化を築く礎になった大学なので、憧れています。美大は藝大しか考えていません。
葛西さん
日本画を学ぶなら藝大と東北芸術工科大学を受験するつもりです。ただ、6月に行われた「卒業生との懇親会」で、藝大の先端芸術表現科に進学した先輩の話を聞いてすごく興味を持ったので、迷っているところです。
迷いはあるものの、志望校がはっきりしていますね。藝大受験に向けてどのような対策をしていますか。
下地さん
実技試験は1次が石膏デッサンで2次が静物着彩なので、学校の朝練や、美術系予備校に通って対策をしています。学科試験は英国社で受験するので、英語に力を入れて高2のとき英検準2級に合格しました。
葛西さん
私は英国数で受験します。予備校と、美術系予備校にそれぞれ通っています。
将来の夢を教えてください。
下地さん
日本画家になることです。夢は藝大合格ではなく日本画家になることなので、受験のための絵を描くのではなく、日々のあらゆることに関心を持って作品と向き合っていきたいです。
葛西さん
昔から子どもが好きなので、まずは教員免許を取得して、いつか美術と子どもに関わる仕事に就きたいです。
美術系の高校選びをしている受験生に向けてメッセージをお願いします。
下地さん
潤徳女子には美術以外のコースもあるため、専門分野はもちろん、他教科もしっかり勉強できる環境がありますよ。
葛西さん
美大進学を考えている人も、そうでない人も、将来に向けてやりたいことを見つけられる学校です。ぜひ来てください。
美術コースの進学指導について、芸術科の山本彰先生にうかがいます。
美大受験において重要なことは何ですか。
山本先生
早い時期に志望校を決めることです。藝大など難関美大を目指すなら、高2の春から準備を始めなければいけません。そのために高1のうちから大学を調べ、オープンキャンパスに参加し、自分に合う大学を見つけることが大切です。
潤徳女子の美術コースでは、どのような進路指導をしていますか。
山本先生
1年次から学期ごとに進路希望調査をし、学科試験対策として英検準2級を取得するよう伝えています。総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜に関しては、必要なポートフォリオの準備や面接の対策を校内で行います。一般受験に関しては、美術系予備校と連携して対策に当たります。
東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
東京藝術大学大学院美術研究科版画専攻修了
連携とは、どのようなことでしょうか。
山本先生
現実的に、美大の一般受験での合格は美術系予備校なくして難しいものです。本校には放課後美大受験対策講座「ウル美」がありますが、生徒の受験先によっては外部の予備校に通うように声掛けをします。また、芸術科の教員の多くは美術系予備校の講師の経験があり、予備校とのパイプがあるので、そこから最新情報を得て進路指導に活用しています。
2021年度入試では藝大に2名合格しています。難関美大合格の実績を出した理由は何でしょうか。
山本先生
1年次から授業や課題に美大受験を意識した内容を取り込み、学年を超えて行うデッサンコンクールで生徒に競争意識を植え付け、藝大卒の教員が熱心に指導していることが実績に結びついているのかと思います。
美術系の高校選びをしている受験生に向けてメッセージをお願いします。
山本先生
美術にはいろいろなジャンルがありますが、美術コースはその基礎を学べる場所です。そして、美術を通じて社会との関わりを知り、人格形成をし、精神的に成長していけるコースです。まずは体験入学でお待ちしています。
編集者から見たポイント
現在、芸術科の先生6名全員が藝大出身という潤徳女子の美術コース。在校生は、高い技術を持つ先生や卒業生から大きな刺激と有益なアドバイスを受けていることが分かりました。
潤徳女子の体験入学では、山本先生ら芸術科の先生からデッサンの描き方を教わることができます。美術コースの入試にはデッサンの試験があり、中学時代にデッサンを学んでいなかった下地さんは、体験入学での経験が入試対策に非常に役立ったそう。真剣に美大を目指したい中学生におすすめのイベントです。
体験入学
- 2021年9月12日(日) 9:25~
- 2021年10月3日(日) 9:25~
- 2021年11月3日(水・祝) 9:25~
学校説明会&個別相談会
- 2021年8月21日(土) 9:30~、12:00~、14:30〜
- 2021年9月23日(木・祝) 9:30~、12:00~、14:30~
- 2021年10月17日(日) 10:00~
詳しくは説明会・イベント情報ページをご覧ください。
