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従来の国際教育が進化する進学校「淑徳」の3か月語学研修 従来の国際教育が進化する進学校「淑徳」の3か月語学研修

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東大3名・医学部医学科19名・早慶上理124名の大学合格実績を誇り、名実ともに進学校として知られる淑徳中学高等学校(以下、淑徳)。大学受験のみならず、卒業後も役立つ英語力の定着やあらゆる経験を通した人間的成長に重きを置いた教育現場の様子を、先生・生徒それぞれの視点からご紹介します。

チャレンジ精神が人生の糧となる中学3年次の海外生活

齋藤先生

淑徳ではすでに1年間の海外留学を必須とする「留学コース」が高校に導入されていますが、2019年度より中学3年次の「3か月語学研修」もスタートしています。この研修は国際教育の一環として海外生活を体験し、さらに語学力を伸ばすための新たなプログラムとなっています。その中心的役割を担う齋藤達欣先生からお話をうかがいました。

3か月語学研修の様子
3か月語学研修の様子

3か月語学研修が導入された背景をお聞かせください。

齋藤先生

4技能を基本とした語学力の向上に焦点を当て、研修先となるカナダ・アメリカなど国ごとに特色のある英語プログラムに取り組むと同時に、多様な文化背景を持って集まる世界中の留学生と一緒に学びながら人間的な成長を図ることが、3か月語学研修の主な目的です。日本から海外研修に参加する他校の生徒の多くは高校生ですが、本校は中3生の時点で参加することにメリットを感じています。なぜなら、早い段階で「学びの意味」を考えるきっかけとなり、その後の高校生活が大きく変わってくるからです。本校独自の高校「留学コース」で取り組む学びに加えて、中3生が海外生活を体験する貴重な機会を経ることで、その後の進路や人生に新たな選択肢が生まれることでしょう。

3か月語学研修の様子

齋藤先生

研修に送り出してくれた家族だけでなく、現地でお世話になるホストファミリーを敬い、感謝する気持ちを再認識することは、仏教にもとづいた情操教育を基盤とする本校が望むところとなっています。また、自立・自律を目指した生活をすることで、気持ちを伝える表現力や毎日の行動を顧みる判断力が身につくこともねらいの1つです。苦労した経験が学力以外の要素を伸ばし、グローバルな視野を持てるようになることでしょう。

中3生を送り出すには入念な準備が必要になりますね。

齋藤先生

事前学習として英単語をたくさん覚えつつ、研修先で安心・安全に過ごすために自分自身を守るための心構え・知識や現地の歴史・文化を学ぶことを課しています。安全な研修先を厳選していますが、現地ではすべてを人任せにすることはできないので、意思を伝えることの大切さを認識する必要性がありますし、海外であっても頼れる人を見つけられることも、また学びの一つと捉えています。

帰国後の実力を測るために英検受検を推奨しており、実際に海外での学習成果が見られるようになっています。本校全体では準2級取得率が9割以上、2級取得率に至っては4割以上となっていますが、3か月語学研修に参加した生徒は当然のように上位の級を取得することができています。これらの生徒は海外生活で自信をつけ、さまざまな物事に対する興味や学習意欲が高まった結果、高い目標設定を掲げるようになりました。

3か月語学研修の様子
3か月語学研修の様子

普段の英語授業はどのように進めていますか。

齋藤先生

コミュニケーションを通して英会話の楽しさを知る授業を取り入れています。かつては難易度が高めのテキストを使用していたことで、若干詰め込み型の授業になっていたという反省点がありましたが、教員間で話し合って検定教科書に戻しました。その代わりに、読み書きだけでなくアクティビティを多用して英語4技能を活用するなど、学び方に幅を持たせたことで、受験のために勉強するのではなく思いを伝えるコミュニケーションツールとして学ぶという原点に立ち返ることができました。

3か月語学研修の様子

今後の展望をお聞かせください。

齋藤先生

高校では1年間の留学が必須となる「留学コース」を選択することができますが、2021年度(現中1生)が中学3年次になれば、全員が1か月と3か月いずれかの語学研修に参加することになります。これはハードルが高いように思われるかもしれませんが、ネイティブ教員との授業やオンライン英会話などを通して、中学3年間をかけて学んできた英語教育の集大成です。英語科では単語・文法・オンライン英会話などで基礎知識を身につけさせ、生徒自身の言葉としてアウトプットできるレベルまで導きますので、英語に苦手意識があったり不安を感じている生徒にこそ、本校で可能性を伸ばせるチャンスだと捉えてほしいですね。

難関大への合格者が増加中!圧巻の合格実績

何年にもわたって東大への合格者を輩出している淑徳は、医学部医学科への合格にも定評がある進学校です。そこで気になる指導背景・方針についてもお話をうかがいました。

淑徳の特長として抜群の合格実績が挙げられます。
この背景について先生のご意見を教えてください。

齋藤先生

本校では中高6年間を通して自ら学習する姿勢を重視してきました。コロナ禍では休校期間もありましたが、それでも合格実績が下がるということはなかったんです。なぜなら、生徒自身が学習を継続する必要性を認識していたからに他ならないと考えています。
さらに、受験校のレベルを下げて手堅い合格をねらうといった安易な妥協はせず、教員が生徒一人ひとりの目標に対してしっかりと寄り添うことで、本人が望んだ将来を実現させる指導方針が合格実績にも表れています。

日々の学びから自らの適性を見出した生徒たち

中3生の生徒たち

淑徳での勉強や学校生活を通して成長を続ける中3生の皆さんからお話をうかがいました。

授業で印象に残っているエピソードや自分なりの勉強法を教えてください。

S.Uさん

S.Uさん

いろんな科目のなかでも古文が特に苦手だったのですが、先生が選んでくれた分かりやすいテキストを読んだり古文単語の小テストを繰り返したおかげで克服することができました。得意な英語の授業では、長文を読むだけでなくテーマに関する背景知識を学び、さらに深く読み解きながら文法も一緒に覚えられます。ときには英語で考えた問題をタブレットで共有して、みんなで答え合う授業もあって楽しいですよ。

Y.Nくん

Y.Nくん

社会の授業の中でも公民に興味があり、政治情勢を調べる宿題に夢中になりました。みんなで意見を出し合いながら考えたことで、自分なりの意見を論理的に伝えるための文章力が身についたと思います。日本語の文章力と同じように、将来必要になるスキルだと考えてオンライン英会話でスピーキングにも力を入れています。日本語との違いを意識できる良い機会になっています。

N.Aさん

N.Aさん

英単語から文章を作ることが苦手なので、毎日教科書を読んで予習をするようにしています。勉強を続けてきたおかげなのか、オンライン英会話では伝えたい内容が話せるようになってきました。家族からは英語で日常会話ができるようにとアドバイスを受けているので、3か月語学研修に参加することに決めました!

苦手意識を克服するためにN.Aさんは3か月語学研修に参加するのですね。

N.Aさん

はい、豊かな自然の中で過ごせるカナダを研修先に決めました。文化の違いやホームステイ先での過ごし方に不安はありますが、楽しみながら学んでこようと思います。家族や先生方から応援してもらっているので、この大きなチャレンジを成功させたいです。

語学研修の様子

受験生におすすめしたい淑徳の魅力を教えてください。

S.Uさん

ネイティブの先生方と英会話をする機会が多く、自分から話しかける積極性や語学力が身につけられる点が良いです。
私としては一番に、制服のデザインがかわいいことが嬉しいです。中学はセーラー服、高校になったらブレザータイプになり、スカートも選べてコーディネートできるんですよ!

Y.Nくん

ICT環境やプログラミング授業(※)など、最先端の学習内容を取り入れているところが魅力です。時代に合った実用的なスキルを覚えられるので、卒業後も勉強したことを活用できるはずです。夏休みのサマーキャンプ(※)や冬休みの志賀高原スキー教室(※)など、校外行事がたくさんあるので友だちづくりも心配いりません。
※いずれも参加希望制

授業の様子

N.Aさん

充実した施設・設備の中でも、作法を教えてもらえる茶道室の厳かな雰囲気がおすすめです。また、休み時間や放課後には職員室前での質問タイムで先生方がみんなから引っ張りだこになっています。中学からも選べるクラブ活動が多く、自分に合ったものが必ず見つかるはずです。入学後は楽しいことばかりが待っていますから、安心して入学してくださいね。

編集者から見たポイント

淑徳では、高校生になると1年間の希望制留学プログラムが用意されています。また、授業では世界的な視野で時事問題を考えるという内容があるそうです。生徒たちも認める充実した国際教育がこれからの合格実績にどのように反映されていくのか、大いに気になるところです。淑徳の今後にご注目ください!

イベント日程

中学校
オンライン入試説明会
2021年12月11日(土)10:00~
12月12日(日)22:00
高校
オンライン入試説明会
2021年12月4日(土)10:00~
12月5日(日)22:00
個別相談会
2021年12月5日(日)

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:淑徳中学高等学校