掲載日:

大妻中野から世界への扉が開かれる ユネスコスクールの活動で大きく成長した生徒たち

inter-edu's eye

JR中央・総武線、地下鉄東西線、西武新宿線の3路線が利用可能な中野駅徒歩圏内に位置し、首都圏各地から通う生徒たちで活気あふれる大妻中野中学校・高等学校(以下、大妻中野)。国際的に活躍できる人材を育成するSGH(スーパーグローバルハイスクール)ネットワーク校であり、世界中の学校と連携してSDGsに向けた取り組みを進めるユネスコスクールネットワークの一員でもある大妻中野は、学校の枠を超えたグローバル教育によって誰もが共生できる社会の実現に貢献しています。地球市民として具体的な行動を始めた生徒たちの活動を通して、学校独自の魅力をご紹介します。

大妻中野が推し進めるグローバル教育

大妻中野は全校生徒の10%以上が海外帰国生であり、さまざまな留学プログラムや世界中の教育機関と連携した本格的なグローバル教育を実践しています。その取り組みの一端であるユネスコスクールとは、どういったものなのでしょうか。

ユネスコスクールの活動目的

世界180か国以上の国・地域で11,000校以上の学校が、ユネスコスクールとして国際的な連携を取り、そのネットワークを活用しながら生徒間・教員間の情報や体験を分かち合っています。さらに、地球規模の諸問題に対処するための新たな教育内容や手腕の開発・発展を目指す活動を実践しています。

第2分科会 玉川大学+大塚中野中学校高等学校 テーマ 高大連携WS「SDGs/地球市民制育成に向けて」
ACCU画像

大妻中野オリジナルのグローバル教育

2~3週間の短期、学期(ターム)、1年間とそれぞれ選べる留学プログラムに参加し、そこで学んだ体験や語学などをその後の大学進学や将来のキャリアに役立てることができます。また、日本国際連合協会の後援により、中野ゼロホールを会場に、世界に向けたあらゆる取り組みの成果を発表するグローバル教育発表会を実施しています。さらに、2022年度で21年目を迎える帰国生教育では、多様な教育履歴や生活経験を持つ帰国生が海外で得た知識を、より一層将来に活かせるプログラムを導入してきました。

先生と生徒

フロンティア・プロジェクト・チーム

中2から高校まで学年を超えて生徒が自由的に課題設定、探究を行うプロジェクト型の取り組みです。大学、企業、海外の機関などと連携し、アドバイスを受けながら、SDGsに関する課題についてリサーチと課題解決の提案を行います。学年を超えた特別プログラムとして、広い視野と優れた語学力も身につけることができます。

授業の様子

学年の異なるメンバーで3つの課題チームによる挑戦

SDGsの達成や平和・人権について国際的な観点から議論し、地域ごとに異なる視点での活動やその広がりを考える場として設けられたユネスコスクール関東ブロック大会。玉川大学の学生と大妻中野の生徒たちが、地球市民としてジェンダー、国際紛争、環境問題の3つの課題に取り組むチームをつくり、その解決に向けてディスカッションが行われました。

TさんとWさん

ドイツ、ターム留学生であり国際紛争チームリーダーの
Tさん(高2)

GLC生(タイからの帰国生)として参加
Wさん(中3)

ユネスコスクール関東ブロック大会に参加しようと思ったきっかけを教えてください。

Tさん

Tさん

3か月のドイツ留学へ参加していた際、ちょうどロシア・ウクライナ紛争が始まり、留学先で毎日のように報道番組を目にしてきました。語学学校には世界中から生徒が集まるので、もちろんロシアやウクライナの生徒と話し合ったのですが、そこでの経験を活かして平和のために意見を発信できないかと考えていました。帰国後に、先生からユネスコグループのディスカッションに参加してみないかとお声をかけていただき、勇気を出してチャレンジすることを決めました。

ユネスコスクール関東ブロック大会の様子
Wさん

Wさん

大学生や校内の先輩方と一緒になって、難解な問題を議論するのはとても貴重な機会だと思って参加を決めました。以前からフロンティア・プロジェクト・チームで環境問題の解決案などを話し合ってきた経験があり、さらに知識や視野を深めていける期待を持って取り組んでいます。大会への参加をすすめていただいた先生からのアドバイスがあり、私自身でも納得できる形で意見を交換してきました。

ディスカッションの様子

メンバーの多様な意見をまとめるのは大変だったのではありませんか。

Tさん

Tさん

チームメンバーとなった玉川大学の3名と本校生の4名で、どのような国際問題を取り上げるのか議論を始めました。さまざまな意見がある中で、全員が強い関心を持っているロシア・ウクライナ紛争をテーマとすることが決まりました。
現在進行形で起きている事柄なので、みんなの意見に沿った解決策を考えることはとても難しかったのですが、学年や年齢が違うからという理由で遠慮せず、一つひとつの問題に対してしっかり意見を出せる環境づくりを意識しました。また、さまざまな立場から物事を見て、単なる理想論に終始しないように気をつけながら考えをまとめるようにしました。おかげで積極的にリーダーシップを取ることができるようになったと感じています。

Tさん
Wさん

Wさん

この課題に対して、経済や外交面で板挟みになっている国連では解決できないと考え、新しい国際機関を設立してはどうかという考えを持ち、それを皆さんから肉付けしてもらいました。概念的な考えだったものを受け入れてもらい、チームの一員として発信と改良を重ねることができた点が一番の勉強になりました。
海外生活をしていた時期は、国籍によって偏見を持ったり誤解をする人たちの姿を見てきましたが、私自身もその中の一人だったかもしれません。たくさんのコミュニケーションを通して、国籍や人種といった差別意識を持つことは間違いだと学んでいた客観性が、今回のディスカッションに活かされています。

Wさん

いつも受けている授業の成果が反映された要素はありますか。

Tさん

Tさん

国語の授業で卵を書くという内容があり、みんなが揃って鶏の卵を縦に書いたというエピソードがあります。こういった既成概念が偏見を招くということは、ドイツでもマイノリティをテーマにした授業で学びました。海外のように多様な目線から物事をじっくり考える授業を、普段の科目授業で受けられる点は大妻中野ならではの良さだと思います。ディベートや代表者としての発表も私に自信を持たせてくれました。

Wさん

Wさん

フロンティア・プロジェクト・チームで難民問題を扱った際は、難民支援協会の方々からお話を聞かせていただきました。日本のメディアが扱わない国際問題はたくさんあって、それらを知らないことで社会の分裂を招きかねないという危機感を持ったと同時に、メディアリテラシーを学ぶことの大切さも知ることができました。

SDGsの目標達成に向けて行動していることはありますか。

Tさん

Tさん

9月の秋桜祭(文化祭)では全学年がSDGsについてテーマを選び、来校していただいた受験生や保護者の皆さまに発表します。学びの成果を校外に発信しているみんなの姿を見ていると、とても誇らしい気持ちになるんですよ。

Wさん

Wさん

まずはSDGsとは何かを知ることが第一歩になりますが、解決策を試す中でいろいろな知識を吸収することができました。これまでの活動では、コロナウイルスの防護服を100着作ってエッセンシャルワーカーの皆さんに寄付したり、地域のごみ拾いボランティアで考えた環境問題への意見発表などを行ってきました。このようにみんなで力を合わせて行動するプロジェクトがあります。最前線に立って世の中を良くしていこうという生徒が大妻中野にはたくさんいます。

普段の学校生活はどのように過ごしていますか。

Tさん

Tさん

ソフトボール部に所属していることもあって、学年問わず生徒同士が仲良く過ごしています。先生との距離感がちょうど良く、進路相談の際には職員室で何回も長時間アドバイスをいただきました。生徒と先生の信頼関係が成り立っているおかげなのか、クラス内はいつも明るく元気な空気であふれています。校舎内からは富士山や東京タワーを見て気分転換をすることもできるんですよ。

Tさん
Wさん

Wさん

授業では毎日新しいことを学び、楽しい友だちもいるから学校が大好きです。清潔で落ち着ける校舎の中でも、教育メディアセンターでS-TEAM活動(プログラムや動画制作等を実施)に取り組んでいる時間がとても楽しいです。

Wさん

大妻中野らしさを感じられる点や、受験生に伝えたいことを聞かせてください。

Tさん

Tさん

女子校ならではのポイントとして、中学生の時点で礼法(茶道・華道)があるところです。意外に楽しくて、日本文化の良い点も改めて発見できました。学年を超えた交流の機会が多いので、進路などでも情報交換できたり悩みを一人で抱える必要がありません。友だちがいない状態で埼玉から通い始めた私も、今では生粋の妻中生(生徒たちの通称)になりました!

Wさん

Wさん

受験が終わるまでは不安でいっぱいでしたが、今まで体験したことのない新しい世界に飛び込むつもりで入学しました。すぐに友だちができただけでなく、先生方の温かいサポートを受けて安心することができました。きっと良い思い出をたくさん作ることのできる学校ですから、身構えずに入学して一緒に学びましょう。

編集後記

海外での実体験が学びに活きるプロジェクトの数々に参加する生徒の皆さんからは、行動力とともに勇気を感じ取ることができました。それも、帰国生が多く在校することで現在の国際情勢を肌身で感じられる学習環境があるからこそだと思います。皆さんも、多様性への理解を促す大妻中野のグローバル教育についてもっと深く知り、地球市民の一人として行動してみませんか。

イベント日程

学校説明会
第4回 2022年10月22日(土) 10:45~
入試問題説明会
第1回 2022年11月19日(土) 10:30~
第2回 2022年12月3日(土) Web開催
アフターアワーズ説明会
2022年10月14日(金) 19:00〜
2022年11月17日(木) 19:00~
Global Arts Festival~秋桜祭
文化の部(※要予約)
2022年9月24日(土) 13:00~15:30(入場は15:00まで)
2022年9月25日(日) 9:30~15:00(入場は14:30まで)

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:大妻中野中学校・高等学校