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放課後の教室でネイティブの先生と実験 本気で楽しめるSTEAM Lesson

inter-edu’s eye

体験から学ぶ教育に力を入れている実践女子学園中学校高等学校(以下、実践女子)は、ネイティブの先生方がリーダーとなって、教科の枠にとらわれない学びにチャレンジする放課後講座を開いています。その中心となる「STEAM講座」にお邪魔したところ、生徒たちはひたすら楽しみながら取り組んでいる様子。英語力とともにチャレンジ精神が大きく育っていることが分かりました!

飛び交う「割れた?割れてない?」答えが1つでない科学実験にドキドキ

実践女子は渋谷から徒歩10分。都会の喧騒を抜けて、ふと静けさが漂う文教地区に位置しています。「変わり続ける世界に流されない自分を見つけてほしい」そんな強い思いで教育を行っている学校です。

そんな実践女子のとある1日のことです。……高いところから何かを放り投げる中学生たちの姿がありました。落下したダンボールやストローでできた工作物を開いてみると、出てきたのは……卵?

実はこの活動は「Egg Drop」という海外の小・中学校ではポピュラーな科学実験。卵を守る工作物を自分で考えて制作し、実際に放り投げてみるという内容です。実験を成功させた生徒はガッツポーズ! 卵を割ってしまった生徒は再挑戦への気持ちを燃やします。

この活動は放課後に行われている「STEAM講座」の一環として行われたものでした。こちらの講座の目標は、体験を通して問題解決能力を磨くこと。また、海外の方と共有できる体験を積み重ねていくこともできるのです。

STEAMって何?

「STEAM」とはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の5分野をまとめた学習内容。子どもたちは各分野のワクにとらわれないことで、創造性を広げていくきっかけを得ることができます。「理科が好きな生徒を増やしたい」という思いも放課後講座「STEAM」開講を後押ししました。

教えすぎない!だから本気になる生徒たち

その翌週の放課後、「STEAM講座」には再挑戦に向けて生徒たちが集合。卵を割らないための仕掛けを練り直します。

STEAM講座の様子

先生は「Egg Drop」の映像を見せながら、air resistance(空気抵抗)、protection(保護)の2点をふまえて制作を進めるよう英語で呼びかけました。

こちらの講座では、あくまで先生はサポート役。その後は、生徒たちが自力でアイデアを広げていきます。こうした「教えすぎない指導」が、コミュニケーション能力や創造性などの汎用的スキルを伸ばします。

STEAM講座の様子

こちらの生徒ペアは前回の実験にパラシュート型の工作物で挑みましたが、今回は卵の保護に注力。衝撃に強いものにするにはどうしたら……考えをめぐらせながら、ダンボールの覆いを付け加えるなどしていました。

小学校ではできなかったチャレンジを放課後に

講座終了後、中学1年生のお二人に「STEAM講座」で学んだことをうかがいました。

西田さん
西田さん

「STEAM講座」の特徴的なところを教えてください。

小池さん

先生が教えるというのではなく、同じ立場でアドバイスをくれるところです。小学校とは全然違った新鮮な雰囲気を感じています。

西田さん

たくさんの先生が指導に入ってくださいます。多くて5~6人の先生が来て、たくさん英語で話すことができます。

小池さん
小池さん

受講していて印象に残った体験を教えてください。

小池さん

この講座は、生徒が自分自身で考えて実験を進めるので、一人ひとりが全然違う制作物を完成させていくんです。だから人の個性が見えてきて、刺激を受けることができます。

西田さん

張りつめた糸の上でピンポン玉を転がす実験をしたときや、英語の理解が追いつかないときに、先輩が助けてくれたことです。「STEAM講座」に参加して、もっと自分でアイデアを出せるようになりたい、もっと英語が話せるようになりたい、そういう気持ちが強くなってきました。

小池さん

小学校ではできなかったチャレンジができるのが実践女子の魅力だと思います!

「英語の聞き取りができるように」オール・イングリッシュの効果は

STEAM講座の様子

「STEAM講座」に参加した理由を教えてください。

西田さん

理系分野と工作が好きなので受講しました。英語の会話も練習できるし、上級生と一緒に活動できるところも楽しいです。

小池さん

小学校の頃、英語を話すのが苦手だったので、オール・イングリッシュの講座にチャレンジしたいと思ったからです。

STEAM講座の様子

ご自身の英語力に変化を感じますか。

小池さん

帰宅してから家族に「今日は英語でこんな表現ができるようになった」と話すようになりました。こういうことは今まではありませんでしたね。だんだんと英語を使う自信が身についてきたんだと思います。

西田さん

受講した最初の時期は、先生の言っていることが聞き取れなかったのですが、今はしっかり理解できるようになりました。自分から発信する場面でも、「ちゃんとしゃべれているな」という感覚があります。

ほかにはどんな放課後講座があるの? ほかにはどんな放課後講座があるの?

ネイティブの先生が指導する放課後講座はまだまだたくさん! 英検対策のための「Academic English」、海外旅行やホームステイの準備ができる「Survival English for Traveling/Homestays」などがあり、自分の目標に合わせた学習を深めることが可能です。

伸ばしたいスキル「4C」とは?ネイティブの先生の思い

中学1年生から放課後もアクティブに学ぶ実践女子の生徒。指導に当たる先生方はどのような思いで指導をしているのかうかがいました。

Griff Jones先生
Griff Jones先生
(Native English Program主任)
Whitney Bisacchi先生
Whitney Bisacchi先生
(Native English Program コーディネーター)

「STEAM講座」を行う目的を教えてください。

Jones先生

Critical thinking、Creativity、Collaboration、Communication(批判的思考、創造性、協働、コミュニケーション)の「4C」を育てていきたいと思っています。これは学んでいくにあたって必要なことであるし、生徒が進学、就職、または海外に出ることになったときにも必要なスキルだと思っています。

Bisacchi先生

こうしたスキルはあらゆる職業に活かせる重要なものです。伸ばすためには、失敗させることも含めてチャレンジが欠かせません。

Jones先生

海外と比較すると、日本では中高生の時期まで大人に大切に守られる一方で、卒業とともに一気に大人の世界に入っていくように感じています。グローバル基準を考えると、中学1年生の早いうちから自立心を養うことが求められます。自分の力で問題解決をする。怖がらずになじみのないことを体験できる。この講座を、そういった主体的な学習に取り組む場にしていただきたいです。

留学中の風景
留学中の風景

中学入学後は描いているよりも高い目標が見えてくる

授業の様子
生徒の英語力レベルに応じた少人数制授業

今後の目標を教えてください。

Jones先生

テクノロジーやエンジニアリングといった分野、具体的には動画制作などもオール・イングリッシュの環境で学ぶ機会を設けていきたいです。もっと幅広い学習コンテンツをつくっていきます!

Bisacchi先生

私が担当している講座「Academic English」は英検対策で実際の過去問を、本番と同じコンピューター形式で解く訓練ができます。英語学習のモチベーションを高めるきっかけになればうれしいです。日本国内の大学進学にも活かしてほしいです。

中学受験生にメッセージをお願いします。

Jones先生

実践女子なら放課後講座での実験など幅広い体験ができます。何かにチャレンジすれば、自信が生まれるでしょう。ぜひ参加をお待ちしています。

Bisacchi先生

実践女子は、どんな目標があっても、それに近づくことができる学校です。今、皆さんが考えているよりもさらに高いところを目指すこともできます。これからも私たちだからこそできる講座や授業を行っていきます!

編集後記

実践女子では、ネイティブの先生が「英語を教える」からさらに一歩踏み込んで、国際社会に通用する資質を育てる学習をデザインしています。その背景に、学校全体のグローバル教育にかける強い思い、そして新しい教育活動をクリエイトする柔軟な発想が見えました。

イベント日程

春の受験生イベント
3月開催予定

申込開始は開催1か月前より。詳しくは入試案内ページをご覧ください。

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:実践女子学園中学校高等学校