三輪田学園中学校・高等学校
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三輪田学園中学校・高等学校(以下、三輪田学園)では、6名の教育実習生を迎えました。そのうち5名は、学び舎を巣立った卒業生です。かつての恩師、小河原一誠先生が見守るなか、母校での実習で何を感じたのでしょうか。さらに法政大学との高大連携で受け入れた実習生も交え、生徒と教師の温かい関係性や、それぞれが見つけた教育のかたちに迫ります。
小河原一誠先生
数学科
H.N.さん
東京農工大学 農学部
教職科目:理科
在学中はバレーボールクラブに所属
M.S.さん
東洋大学 ライフデザイン学部
教職科目:保健体育
在学中はバスケットボールクラブに所属
母校で教育実習をしたかった理由を教えてください。
H.N.さん
国立大学は受験科目が多く、先生方には大変お世話になりました。面倒見が良く、何でも相談できる温かい先生方のもとで教師の仕事を知りたいと思い、母校を選びました。
小河原一誠先生
H.N.さんは勉強熱心で、理系の生徒を引っ張ってくれるような存在でした。生徒会の副会長を務め、学校全体にも貢献してくれた責任感ある生徒です。
M.S.さん
三輪田学園の先生は、学校生活を温かく見守って、バスケットボールクラブの試合も全力で応援してくれました。そのような先生方のもとで教育実習をしたいと思い、帰ってきました。
小河原一誠先生
M.S.さんは礼儀正しく、面倒見が良い生徒でした。球技大会の責任者を務めたり、クラス有志の準備を率先して行ってくれる、縁の下の力持ちのような存在でした。
OGのお二人と再会し、どのようなお気持ちですか。
小河原一誠先生
こうして元気に教育実習生として帰ってきてくれて、学生時代のことを懐かしく話せる機会にもなり、とても嬉しく思います。
教職を志したきっかけを教えてください。
H.N.さん
生物の授業がとても分かりやすく、生命の神秘を深く学びたいと思い農学部に進学しました。そのときの先生のように、授業で生徒の心を動かし、人生に良い影響を与えられる存在になりたいと思い教職を志しました。
M.S.さん
顧問の先生や体育科の先生が親身に接してくださり、授業がとても楽しかったことがきっかけです。バスケットボールクラブでマネージャーを務めた経験から、体育に苦手意識を持つ生徒にも楽しんでもらえる指導を目指したいと思うようになりました。
学生時代に印象に残っているエピソードはありますか。
H.N.さん
共通テストの理系科目が目標点に届かず、二次試験の1か月前に、志望校の合格可能性がE判定になりました。動揺し、志望校の変更も検討するなか、クラス担任の先生の「今まで積み上げてきたものを全て出し切ればいい」という言葉が、逆境に立ち向かう勇気を与えてくれました。その言葉を支えに最後まで集中した結果、無事に合格することができて、先生には心から感謝しています。
M.S.さん
中学3年生の夏に、バスケットボールクラブのプレイヤーからマネージャーに転向しました。当時、転向を反対していた顧問の先生から、高校3年生の最後の試合後に「良いマネージャーがいる代は強い」「出会えて良かった」という言葉をいただいたことが印象に残っています。技術面だけでなく、人としても成長させてくれた先生に認めていただけたと感じ、とても嬉しかったことを覚えています。
先生が普段の授業で大切にしていることは何ですか。
小河原一誠先生
生徒に「分かる授業」を届けることです。数学が苦手な生徒でも「やってみよう」と思えるように、言葉や図を変えながら伝わるまで工夫しています。理解してくれることが日々の励みです。
H.N.さん
アットホームな雰囲気が好きです。6年間を一緒に過ごす生徒同士の絆は固く、居心地の良い関係性を築けました。
M.S.さん
スポーツ大会などの行事に全力で取り組む姿勢や、話したことがない同級生がいないほどコミュニケーションが取りやすい環境は、三輪田学園の良いところだと思います。
A.F.さん
法政大学 社会学部
教職科目:情報
高校時代はバレーボールクラブに所属
三輪田学園の印象はいかがですか。
A.F.さん
生徒同士はもちろん、先生と生徒の仲の良さを感じます。学力を伸ばすためのフォローが多く、これからの時代に重要な情報の活用方法を学べる、先進的な学校という印象です。
情報科教員を志した理由を教えてください。
A.F.さん
小学生の頃から教師に憧れを抱いており、社会問題の解決にダイレクトにアプローチできる情報の技術活用を、生徒たちに教えたいという思いがありました。情報を正しく活用するためには、知識のアップデートが必要です。学生時代に情報を学ぶことで、新たな技術を積極的に取り入れ、柔軟に対応する力を育めると考えています。
法政大学との高大連携について教えてください。
小河原一誠先生
高大連携は、本校にも大学にもメリットがあります。三輪田学園に無い設備が使えたり、大学の講義が受けられるので、自分が選ぶべき学部のイメージが湧き、進学へのモチベーションにも繋がるでしょう。大学側も、教育実習生を通じて、中高一貫や女子校の現場を知る貴重な機会になります。現在、法政大学に加えて東京女子大学や津田塾大学とも高大連携を結び、学びの場はさらに広がっています。
三輪田学園の「今と昔の違い」は感じましたか。
H.N.さん
ICT教育の進化に驚きました。私たちの在学中もiPadは配布されていましたが、今はどの教科でも当たり前に活用され、授業がよりアクティブになっていると感じます。また、当時なかった「探究学習」が導入されているのも大きな変化です。
M.S.さん
私たちの知らないアプリを使い、新しい英語教育も始まっていて、今の生徒たちが羨ましくなりました。
変わらぬ母校の良さを感じつつ、進化し続ける姿を見ることができました。
教育実習で得た学びや気づきを教えてください。
H.N.さん
言葉の選び方や生徒の反応によって授業が大きく変わることを学び、教師という仕事の難しさと奥深さを実感しました。また、教師の人柄や接し方が生徒の学習意欲に直結することに気づきました。
「教師としてどうあるべきか」を常に意識する姿勢が大切だと感じています
M.S.さん
大学生の視点で考えた質問が高校生に伝わりづらい場面があり、コミュニケーションの難しさを感じました。クラスの雰囲気や体育への苦手意識も考慮し、全員が楽しく上達できる指導を模索していこうと思います。
教える立場になり、先生方の工夫や努力を知りました
A.F.さん
生徒の理解度や教室の雰囲気に合わせて、臨機応変に授業を進めることに、面白さや楽しさを感じました。教えることは奥深く、やりがいがあります。また、大人が思っているよりも生徒はまっすぐで、私の気持ちや発言を素直に受け取り、返してくれる生徒が多いことに気づきました。
実習終盤に「先生、もっといてよ」と生徒にかけられた言葉が励みになりました
将来なりたい教師像について、また教育実習生の皆さんに寄せる期待について教えてください。
H.N.さん
理科は苦手意識を持つ生徒が多い教科ですが、多様な場面で知識を活用できます。身近な現象や植物を例に挙げ、生徒の興味を引き出せるような授業ができる教師になりたいです。
M.S.さん
体育の得意・不得意に関わらず、生徒の成長が感じられる授業を展開する教師になりたいです。運動能力の向上に加え、仲間と協力する楽しさも得られるような指導を目指します。
A.F.さん
教師は勉強だけでなく、生徒の人としての成長も支える尊い職業だと思います。生徒一人ひとりの気持ちや成長を大切にできる、生徒ファーストの教師になりたいです。
小河原一誠先生
教師の言葉が、生徒の興味関心や考え方、進路をより良い方向に導ける。これを、心のどこかで覚えていてもらえればと思います。

