立教女学院中学校・高等学校

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1年間の思いを込めて…高校3年生全員で作り上げる体育祭学年ダンス

inter-edu’s eye

立教女学院中学校・高等学校(以下、立教女学院)では、毎年9月末の体育祭において高校3年生全員で創作ダンスを披露します。体育祭本番を前に、練習指導など中心となって活躍しているダンス委員3名と体育科・渡辺由美子先生の座談会を開催。作品に込めた想いやダンス委員の活動で得られたものなどについて語っていただきました。

高校3年生全員で踊る世界でたった一つの創作ダンス

高校3年生の学年創作ダンスとは

体育祭で創作ダンスを披露する学校は多くありますが、立教女学院には「生徒たちが1年間かけて、世界にたった一つしかないオリジナル作品を作りあげる」という特徴があります。その学年ならではの“伝えたい・表現したい”メッセージを表現することを目的に、1996年から体育祭で実施するようになり今年で30周年を迎えます。

準備は高校2年生の4月からスタート

創作ダンスは、各クラスが2チームに分かれ、1年間かけて体育の授業内で取り組みます。中間発表やクラス発表会を経て、3月の学年発表会にて全8作品の中から生徒による投票で、体育祭で踊る作品を決定。
本番に向けて、その作品を生徒に教えるのは38名のダンス委員です。クラスリーダー・副リーダー、衣装担当、音響担当、企画担当と役割を分担して協力しながら進めます。

高校3年生が2年次に1年かけて制作したダンスを学年全員で踊る。チーム単位から180人で踊る構成に変えるのもダンス委員の役割

2025年度作品『The Greatest Show』ができるまで

座談会参加者プロフィール

N.K.さん

N.K.さん

高校2年生の1年間で自分たちが作ってきた作品への想いや、「ダンスを楽しむ」ことをみんなに伝えたいと思いダンス委員を希望。

Y.K.さん

Y.K.さん

作品をつくる中で大変な部分もありながらクラスメイトと一緒に楽しく進めることができた想いを学年みんなに伝えたいと考えダンス委員を希望。

A.K.さん

A.K.さん

自分たちが1年間かけて作ってきたからこそ、学年全員の想いを一つにまとめる力になれたらと思いダンス委員を希望。

渡辺先生

渡辺先生

1996年に現在の形である学年創作ダンスを立ち上げる。ダンスの授業を通じて生徒たちをあたたかく見守りながら指導。

「楽しい」に100%振り切った作品に

今年の作品は、映画「グレイテスト・ショーマン」から構想を得て私たちは個性輝くエンターテイナーという思いを込めた『The Greatest Show』。集まって下さった3名は2年生のときにこの作品を作ったメンバーでもあります。当時を振り返り、テーマを決めた理由から語っていただきました。

N.K.さん

N.K.さん

私たちの学年は個性豊かで何事も楽しめる人が多い印象だったので、私たちに合うんじゃないかと思って提案しました。

Y.K.さん

Y.K.さん

いろいろな案の中で、一番私たちの色を活かせるのは何だろうと考えたときに、みんなの個性が輝けるパワフルな学年ということを表現しようという意見で一致したよね。

渡辺先生

渡辺先生

今までのダンスは何か決意して困難な状況を乗り越えるといったストーリーが多かったから、最初は躊躇していましたね。でも「とても良いからやってみたら?」と伝えたらみんな前向きになったのを覚えています。

A.K.さん

A.K.さん

最初はこれまでの先輩たちの作品とは雰囲気が違うので、あまりイメージが湧かなかったんです。でもいろいろな意見を聞くうちに、確かにこの作品の方が私たちの学年の雰囲気を一番よく伝えられるなと思いました。

N.K.さん

N.K.さん

展開をどうするかの話し合いはたくさんしました。映画と同じように困難を乗り越えた先にある明るさを表現するか、100%明るい作品にするか…。

A.K.さん

A.K.さん

結局100%明るい作品に決まりましたね。少しサーカスっぽい演出を入れ、個性あふれるパフォーマンスから、少しずつみんなが一体になってクライマックスを迎える。お互いの違いを尊重し合うという私たちにしかできない“ショー”になったと思います。

渡辺先生

渡辺先生

大切なことは、世界にたった一つのものを作りあげること。先輩たちの作品に倣いすぎずに全く別の作品になって、個性が輝いている良い作品になりましたね。

みんなの意見を取り入れながら作りあげた振り付け

渡辺先生

渡辺先生

みんなはほかの人の意見をちゃんと取り入れながら引っ張っていました。よく声をかけていたことが良かったのかな?

N.K.さん

N.K.さん

高2の4,5月はクラス替え直後というのもあって、みんな緊張してなかなかスムーズにいかなかったんです。

Y.K.さん

Y.K.さん

でも意見が出なくても直接1対1で聞いてみると良い意見をもらえたりしました。みんなでそれが「いいね!」となると、「私も意見を出していいんだ」と思ってくれるようになって、だんだん積極的な人が増えて、やりやすくなっていきました。

A.K.さん

A.K.さん

ダンスをやったことのない人も、動画などを見て「こういう振りだったらテーマに合いそうだけど使えるかな」と相談してくれるようになったりしましたね。

N.K.さん

N.K.さん

器楽部の人がドラムのような音を使いたいと言ってくれたり、バスケ部の人からは練習でする動作を振りに入れるアイデアが出たり、最終的にはちゃんとみんなで作った作品になったと思います。

課題を乗り越え、全員で想いを一つにして臨んだ学年発表会

本番に向けて学年全員で円陣を組んで気合い注入!
N.K.さん

N.K.さん

この作品は、みんなが自分の殻を破って個性を出して笑顔で楽しむ作品なので、みんなのモチベーションをどう上げるかというところに苦戦しました。1回目の作品見せのときに、渡辺先生からも「みんなの表情が硬いし殻を破れていない」と課題をいただきました。
発表前に「最高のSHOWを届けまSHOW!」を合言葉に、円陣を組んで気合い入れました。

渡辺先生

渡辺先生

そうでしたね!発表会もほかのクラスが一歩引いてしまうくらい盛り上がっていました(笑)。チームをまとめるのは大変だったと思うけれど最後はとても楽しんで踊っていましたね。

A.K.さん

A.K.さん

学年発表では1年間かけてきた想いを伝えることを目的にしていたので、学年のダンスに選ばれたいというよりはその想いを伝え切りたい、最後まで出し切りたいという気持ちの方が強かったです。

Y.K.さん

Y.K.さん

私は体育委員だから少しだけ先に結果を聞いていたんです。結果を知っていることを顔に出しちゃいけないと思っていましたが、内心はすごく嬉しかった!発表会の後に寄せ書きをもらって、みんなが感謝してくれたのも嬉しかったですね。

N.K.さん

N.K.さん

選ばれたときはみんなで泣いて喜びましたし、当日、発表前にみんなが「この作品を早く見せたい」と言ってくれたことが一番嬉しかったです。

A.K.さん

A.K.さん

直前まで教えてくれて嬉しかったとか、たくさん時間をかけてくれてありがとうと言ってもらえて。最後まで全員で一緒にやり切りたいという想いがちゃんとみんなに伝わっていたことがすごく嬉しかったです。

生徒の主体性を重んじる風土で、授業以外の学校生活も充実

衣装は、学年の”おそろTシャツ”がほしい!という声で決まり、デザインもダンス委員が考案

ダンス委員の活動で得たものとは…?

1年以上かけてダンスに取り組んだ3名。どんな変化があったのでしょうか。

N.K.さん

N.K.さん

私は自分から声かけができるようになって、自分の殻を破れました。また発表会で癖の強い髪形にしようと決めたら、みんなすごくユニークな髪形にしてくれたのも嬉しかったです。私も自分の新たな一面を見つけることができました。

渡辺先生

渡辺先生

確かにN.K.さんはこの作品で変わったと思う。リーダーとして自信を持って発言しているし、大きな存在になりました。

Y.K.さん

Y.K.さん

チームの仲がすごく深まったなと思います。あまり話すことがなかった人ともコミュニケーションが取れて、いろいろな人と関われたことが良かったです。

A.K.さん

A.K.さん

ダンスをやったことがないからこそ出せる意見を聞くことができて、「こういう意見もあるんだ」とみんなに気づかせてもらったことが私の中ではすごく大きかったです。

渡辺先生

渡辺先生

自分のチームが選ばれなかった人たちはもちろん悔しい気持ちもあったと思う。でも、選ばれた作品をリスペクトし「この作品を踊りたい」と言ってくれる。そんなところも立教女学院の良さだと思います。

体育祭本番への想い

N.K.さん

N.K.さん

愛を持って作品を作りあげてきたので、みんなも愛を持って踊り切れるようにしたいです!チームの仲が深まったように学年全体でも距離が縮まる機会になればいいなと思うし、私たちの想いが保護者の方や後輩たちにも伝わったら嬉しいです。

Y.K.さん

Y.K.さん

本番はもちろん、練習期間もみんなで楽しみたいです。学年全員が揃って1つのことを行うのはこれが最後になると思うので、みんなで全力を出し切れるように、私自身も全力で楽しんで踊りたいです!

A.K.さん

A.K.さん

これからみんな別々の進路を歩みます。進む道は変わるけれど、体育祭ではみんなで踊る瞬間を全力で楽しんで一つになること、そしてダンスを踊ることを楽しみたいと思っています!

体育祭本番を迎えた3名
渡辺先生

渡辺先生

ダンス委員はさまざまな気持ちをコントロールして、みんなを巻き込み進めていける頼もしいメンバーです。楽しいことが大好きで、楽しむことに価値を感じている学年なので、それを支えてくれたことを本当に感謝しています。みんなで本番を成功させましょう!

編集後記

9月29日体育祭本番、3名が全力で取り組んだダンスが披露されました。大役を終えたN.K.さん、Y.K.さん、A.K.さんは「とても緊張しましたが、始まってからはあっという間でした!大切な仲間とのつながりを感じながら踊った時間はかけがえのない思い出です。今まで支えてくださった渡辺先生や保護者の方々、そして一緒にパフォーマンスを作り上げてくれた高3のみんなには心から感謝しています。」と満足の様子。3年生たちはこのあとそれぞれの進路へと向かっていきます。高校3年間の集大成として、そして立教女学院で過ごした時間をすべて込めた体育祭。生徒たちの思い出だけでなく、大きな成長の機会になっていると感じた取材でした。