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日本大学豊山女子高等学校(以下、豊山女子)には、都内の女子校で唯一の理数科があるのをご存知でしょうか。現在注目を集めている「研究職で活躍する女性」を育てるだけでなく、医療系大学にも多数の進学実績を誇っています。今回は、高校から選択できる「理数Sクラス」での学びにフォーカスを当ててご紹介します。

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自分の興味を深めることができる「課題研究」

毎年、卒業生の半数が医療系分野への進学を果たしているという理系Sクラス。入学を決めたきっかけや学校の魅力について、2人の生徒にうかがいました。

理系Sクラスの2人

(左から順に)R.Hさん:高2生で理数Sクラスに在籍。両親や姉二人が医師で、本人も医学部を目指して頑張ります。
C.Tさん:中3生で高校へ進学したら理数Sクラスを志望。歯科医である兄の存在が、豊山女子への入学につながりました。

インターエデュ(以下、エデュ):入学を決めたきっかけについて教えてください。

R.Hさん:家族と同じように、日大医学部を目指しているので、理系の授業に強い理数Sクラスで勉強するために中学から入学しようと決めました。

C.Tさん:日大歯学部を卒業して、インプラントの専門医になるために勉強している兄の背中を見て、小学4年生の時には私も同じように日大歯学部に進学したいと心に決めました。歯学部には「豊山会」があって、頼りになる先輩方がたくさんいらっしゃると聞いてからは、学校説明会に毎年参加して、念願の豊山女子に入学しました! 今は理数Sクラスに入るために猛勉強中です。

エデュ:早い段階から理数Sクラスを目指していたのですね。実際にクラスに入っていかがですか。

R.Hさん:充実した毎日を送っています。クラスならではの課題研究や特別講座が魅力的ですし、周りの友だちも同じような志を持っているのでモチベーションも上がります。メンバーも担任も3年間変わらないので、団結力があると思います。

エデュ:その課題研究とはどのような授業内容なのですか。

R.Hさん:「生物」「化学」「物理」「数学」から1つ選んで研究する授業です。私は化学で金属樹について研究しています。周りには、割れないシャボン玉や物体の衝突、抗酸化作用について研究している人もいます。ちょうど、考察とレポート作成に取り組んでいる段階ですね。

理科実験室は4つも!

課題を見つけ、自ら解決する力を育むことを目的とした理数教育が行われる理数Sクラス。コスモス祭(文化祭)や修学旅行の際にも研究発表を実施します。

エデュ:理数Sクラスのどのようなところに魅力を感じていますか。

R.Hさん:同じ夢を持っている人がいて、不安を共有したり、一緒に頑張ったりしているところが好きです。学習面に関しては、文系クラスよりも一年早く化学を先取り学習できるので、より高いレベルを目指せるのが魅力です。

C.Tさん:4つある理科実験室を使って、いろんな実験をしてみたいと思っています。もちろん、語学や文系の勉強も頑張ります!

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研究職でリーダーシップをとれる人材を育成

理数Sクラスで独自に行っている教育や今後の展望について、「理数科教育検討推進委員会」のリーダーとして理数Sクラスの立ち上げに関わった松永貴裕先生に話をうかがいました。

理数Sクラスの立ち上げに関わった松永先生

松永先生は、物理の教論だけでなく、中学2年の学年主任とバドミントン部の顧問も兼任しています。

エデュ:以前の理数科と比べて、理数Sクラスへ変わった際に新しくなった要素はありますか。

松永貴裕先生(以下、松永先生):理数科のときは、医療系に進学することに重きを置いていたのですが、理数Sクラスでは、研究職を目指す人材を育てたいと、課題研究を取り入れました。研究職でリーダーシップを取れるような人材を育てていくことが大きな目標になっています。

エデュ:一番の特色ある教育内容はどういったものでしょうか。

松永先生:土曜日の授業ですね。1時間目は学術英語、2時間目は課題研究、3時間目は探究というように理数色の強い内容となっています。グループごとに大学の施設で研究させてもらうこともあります。
また、小学校の実験をサポートしたり他校での発表会に参加したりするなど、校外に向けた活動を始めつつあります。サポートや発表会を通して、生徒は伝えることの難しさや大切さを痛感しているようです。

土曜日の授業はいつもよりハイレベル!

高校1年から継続して研究を進める土曜日の授業が一番の特色となる理系Sクラスでは、生徒の関心に合わせたハイレベルな理系授業が展開されます。

エデュ:先ほども話題になった課題研究は、どういった流れで行うのでしょうか。

松永先生:大学教授の講演などからヒントを得ながら選んだ課題について、グループ単位で研究を深めていきます。卒業時には論文を英語で発表することが目標です。
ここで、同じく土曜日に学ぶ学術英語が役に立つわけです。理数分野では欧米の方が進んでいる点もあるので、留学できるレベルの英語力を身につけることも大切です。学術英語を学ぶことで、世界的な企業での活躍も十分に可能だと考えています。

エデュ:生徒に指導する際に心掛けていることはありますか。

松永先生:女性ならではの視点や感性を伸ばしながら、科学リテラシーを育成する必要性を感じています。こつこつ育てる感覚で3年間、生徒自らが進んで、理由や原因の分からない現象にチャレンジするように促しています。
もちろん、やるなら一番を目指して頑張ってほしいですね。理数Sクラスは、才能を伸ばしていくためのきっかけを与える場であると思います。社会に飛び立ってしっかりと活躍してほしいですね。

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編集者から見たポイント

将来の目標がまだまだ定まらない小学生が多い中、インタビューを受けていただいた生徒2名は、初めから理数Sクラスを目指して入学し、高い意識を持って頑張っていることに驚きました。先生からも、未来志向の教育で生徒の可能性を伸ばそうとする熱気が伝わってきました。生徒の高い意識と、先生による教育の相乗効果が、人気の医療系分野への高い合格実績に表れているのではないでしょうか。

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