算数1科入試を導入!理数教育に強い付属女子校の魅力

算数1科入試を導入!理数教育に強い付属女子校の魅力

inter-edu’s eye

私立女子校の中で唯一、理数科を設置している日本大学豊山女子中学校・高等学校(以下、豊山女子)では、アフターコロナの時代を見据えた教育改革が続けられています。その代表例となる新入試「算数1科入試」と理数探究に特化した「理数Sクラス」の特色について、学校長と中学教頭にインタビュー取材を実施。保護者であれば必ず知っておきたい最新状況をご紹介します。

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一人の親として生徒を見守る学校長の視点

学校長の柳澤一恵先生より、女子教育の発展にかける思いや、気になる学年行事の実施状況などについてお話しいただきました。

学校長の柳澤一恵先生
学校長の柳澤一恵先生

学校長就任7年目のふり返りと抱負をお聞かせください。

柳澤先生この2〜3年はコロナ禍を経たことで従来の生活が大きく変わり、今まで表に出てこなかった女性の問題がいろいろと出てまいりました。例えばひとり親問題や就職差別、女性の置かれている不公平感が、社会問題として浮彫りになってきたようにも思えます。そうした状況が、学習の進め方や指導に対する考え方にも変化を与え、本校の教育改革を後押ししています。他者の気持ちを汲み取って寄り添える女性ならではの感性を伸ばしつつ、これからはさらに、自分の力で変化の激しい社会を生き抜くための下地を育む「アントレプレナーシップ(起業家精神)」が、新時代の女性教育にとって必須要素になったと考えています。
近年の私たちはグローバル教育に注力してきましたが、それだけでなく様々な分野における取り組みの必要性を感じています。例えば、タブレットを使用したICTの早期導入によるオンライン授業体制が、コロナ禍においては当初の予想を超えた教育効果を発揮してきました。おかげで授業を止めることがなかった本校の学びについて、保護者の皆さまから高い評価を受けています。これからも新たな学習手法を取り入れながら、生徒自身が揺るぎない目的意識をもって人生を歩んでいける逞しさや、向学心を育んでいきます。

時代に合った最適な教育を追求し続ける柳澤先生
時代に合った最適な教育を追求し続ける柳澤先生

算数1科入試が導入されるそうですね。

柳澤先生多くの受験生がチャレンジする4科・2科入試、また2019年から導入した2科選択型入試は、基本的な学力が試される入試ですが、本校では多方面の力を見る入試を行なっています。英語インタビュー型入試では英検3級以上の英語を用いてコミュニケーション能力を発揮してもらい、プレゼン(課題解決)型入試では世界平和と幸福な生活に対する考えやユニークな解決法をプレゼンテーションしてもらいます。いずれの入試形態も、受験生が持つ強みや特性によって合格のチャンスを掴むことができる内容ですが、さらに今回本校独自の理数教育につながる算数1科入試を導入します。
このように多様な入試形態に共通しているのは、基礎学力だけでなく課題に対して意欲を持って取り組む姿勢を見てみたいという点です。受験勉強は小学生のお子さまにとっては大変負担がかかるものではありますが、疲弊した末に入学するのではなく、これから始まる新生活に希望を抱いてほしいという願いも込められています。

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未だに続くコロナ禍における学習支援や学年行事の実施状況について教えてください。

柳澤先生新入生が参加する林間学校の実施は、正直に申しますと直前まで悩んでいました。過去2年間は中止に追い込まれていましたが、生徒たちの期待を受けて実施を決断しました。実施前に4日間の待機期間を設けて何とか実現させることができました。同様に、生徒同士の大切な交流の場となるスポーツ大会や体育祭、芸術鑑賞や国立科学博物館などの校外学習も実施しました。このような活動を再開できたのは、ひとえにご家庭の理解と協力があったからこそと考えています。さらに、コロナで登校できない場合は毎朝のホームルームでタブレットを使用し、地道なコミュニケーションを積み重ねる工夫を進めてきました。

豊山女子の魅力について、どのようにお考えでしょうか。

柳澤先生総合大学である日本大学で唯一の付属女子校である点です。入学当初はあらゆる進路・職業の中から進む道を選ぶことは困難でしょう。しかし、6年間の学校生活を通して自分自身を知り、何を目指すべきかを見つけ、進路を決めるタイミングになれば日本大学16学部の選択肢はとても魅力的に映るはずです。
私の娘も本校を卒業し、芸術学部に進学しました。中学入学の時には本人自身が考えてもいなかっただろう進路を実現させたのですから、選択肢の多さが大きな魅力になったのは間違いありません。保護者の目線でさらに言えば、通塾させる必要がない学習フォロー体制は、金銭的なメリットだけでなく人間関係が途切れない点でも重要な意味があります。
本校に生徒を通わせているご家庭は、子育てや学習環境に関する意識が確立されています。9月以降も多くの学校説明会を実施しますが、中でも12月の入試体験会(プレテスト)では、お子さまが模擬入試を受けている最中に保護者の皆さまに向けた説明会を設けています。そこでは私も一人の親として保護者の皆様に参考になるような話をしますので、ぜひとも参加をご検討ください。

付属推薦制度の詳細 ≫

わが子の才能と可能性が評価される算数1科入試

中学教頭であり、数学科教諭である黛(まゆずみ)俊行先生より、算数1科入試の導入背景や、豊山女子が誇る理数Sクラスの特色などについてお話しいただきました。

中学教頭・数学科教諭の黛俊行先生
中学教頭・数学科教諭の黛俊行先生

算数1科入試の導入背景と先生方のご期待についてお聞かせください。

黛先生本校では1971年に理数科が設置されて以来、理数のスペシャリストを育成し続けてきた経緯があり、中学時点から理系教科の可能性に関心を持ってもらうことを目的の一つとして、新たに算数1科入試を導入しました。中学入試の算数問題は、特殊算を用いたテクニック要素に偏りがちだと思われていますが、この入試は問題をしっかりと読み込んで何が問われているのかを考えるプロセスを重要視しています。このプロセスは高校で学ぶ数学に直結するので、今から身につけておいても良いと思います。
問題自体は4科・2科、2科選択型の算数と同レベルの内容に、適性検査型の発展的な要素を加えたものとなっています。図形・図表やグラフに対して、条件に基づいた考えを整理して解答につなげる点がほかの入試とは異なります。もちろん、小学校の指導要領を超えない内容ですから、何回でも設問を読み込んで正解を導く姿勢があれば解答できるはずです。

理数Sクラスの課題研究発表会
理数Sクラスの課題研究発表会
発表テーマのバリエーションも多種多様です
発表テーマのバリエーションも多種多様です

算数1科入試の導入は、今までよりも受験生の合格のチャンスを広げるという意味合いも含まれていますので、チャレンジ精神で取り組んでいただければと思います。毎年4月から実施している土曜見学会や学校説明会ではさらに詳しく知ることができます。

中学校説明会・公開行事 ≫

理数Sクラスの強みや、学びの成果をご教示ください。

黛先生半世紀以上の歴史がある理数Sクラスでは探究学習の要素を先駆けて盛り込んだ「理数探究」の授業に取り組んできました。大学のゼミ形式にも似た少人数グループ制で、生徒自らが女性視点から決めたテーマをじっくりと深堀りし、年2回開催している課題研究発表会で成果をプレゼンテーションします。大学講師や社会人スペシャリストを前にした発表会であり、その経験を次の研究に活かすというサイクルが成り立っています。サイエンス分野に特化した英語授業もあり、最終的には英語のプレゼンテーションや論文を作成することになります。

発表会では大学教授からの講評を受けます
発表会では大学教授からの講評を受けます
生徒間でも活発な意見交換が行われます
生徒間でも活発な意見交換が行われます

毎週土曜日は研究活動に関する授業を設定しており、学術英語やグループ研究の時間、大学講師による講義、さらにはロングホームルームの時間を利用した各種研究機関の見学に出向く場合もあります。

理化学研究所の見学を堪能した理数Sクラスの生徒たち
理化学研究所の見学を堪能した理数Sクラスの生徒たち

進学先は理工系に限らず、文系学部に進学する生徒もいますので、進路面では幅広い視野を持って取り組むことが可能です。理数Sクラスを選択してから柔軟に進路を考えることができるのは強みだと言っても良いでしょう。誤解を恐れずに言えば、オタク女子も才能を発揮し、お互いに刺激を受けながら切磋琢磨できる環境ですよ。

中学生も見学できる探究学習ポスターセッション
中学生も見学できる探究学習ポスターセッション
好きなことを解説する表情は喜びにあふれています
好きなことを解説する表情は喜びにあふれています
才能が輝く理数Sクラスの特色 ≫

編集後記

8形態、全4日程の中学入試によって受験生のチャンスがさらに広がった豊山女子では、伝統である理数Sクラスの学びが発展し続けています。文・理を問わずわが子の可能性を広げる学習環境をもっと知っていただけたらと思います。

イベント日程

イベント名 日時
土曜見学会 2022年9月3日(土) 10:00~
土曜見学会 2022年9月10日(土) 10:00~
ナイト説明会 2022年9月16日(金) 18:00~
中学校説明会 2022年9月23日(金・祝) 10:00~
土曜見学会 2022年9月24日(土) 10:00~
秋桜祭(文化祭) 2022年10月29日(土)・30日(日) 9:00~15:00
授業見学会 2022年11月5日(土) 1限~3限
2022年度の中学校説明会・公開行事 ≫

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