4年目を迎える柳澤校長の学校改革

4年目を迎える柳澤校長の学校改革

inter-edu’s eye

日本大学の付属校で唯一の女子校である日本大学豊山女子中学校・高等学校(以下、豊山女子)。柳澤一恵校長が着任して4年目を迎え、国際交流教育の充実や中学選抜クラスの新設、高校では希望する進路に沿ったクラスの新設、さらにポロシャツやリュック型バッグの導入など、これまでさまざまな学校改革に取り組んできました。そこで今回は、改革後の成果や生徒たちの成長について柳澤校長に直接インタビュー。豊山女子が進化してきた道のりと現状に迫ります。

豊山女子の公式サイトはこちら ≫

国際交流教育を通して強化された英語学習の成果

国際交流教育についての考え方や強化の目的を教えてください。

柳澤校長:本校で学んだ卒業生たちが世界を舞台に活躍するための教育を施したいというのが最大の目的です。そのためには、コミュニケーションの原則である語学力を身につけることが重要だと考えています。英語を楽しいと感じ、もっと話したい、勉強したいという意欲を高められるようなプログラムを多数導入しました。

特に注力した取り組みはありますか。

柳澤校長:これまで高校から行ってきた海外英語研修を、中学にも春季短期留学として導入しました。中学1・2年生を対象にニュージーランドで17日間過ごすプログラムを行っています。また、国内研修施設「British Hills」での宿泊行事や高校A特進クラスのボストン修学旅行、英会話授業を充実させるためにJET(語学指導等を行う外国青年招致事業)を活用するなど、英語を学びたいという生徒の意欲をサポートできるような体制を整えています。

British Hillsで英国の生活を体験しているようす
中2の夏休みを利用して、British Hillsに宿泊しながら英国の生活を体験します。
ホストファミリーとの別れを惜しむ生徒たち
ニュージーランド春季短期留学でお世話になったホストファミリーとの別れを惜しむ生徒たち。

生徒にはどのような変化が見られましたか。

柳澤校長:英語を身近に感じる生徒が確実に増えました。実際に留学から帰ってきた後も、現地でお世話になったホストファミリーと英語でやり取りを続けており、英会話授業にはとても意欲的に取り組んでいますね。また、テストや模試の成績も上がってきており、英検を取得する生徒が着実に増えています

中学教育の柱となる国際交流教育 ≫

一般教科にも波及する学校改革の成果

国際交流教育のほかにも成果を実感している取り組みはありますか。

柳澤校長:ICTを導入したことは大きな成果につながっていると感じます。タブレットや電子黒板の活用によって生徒の発言の機会が増え、人前で発表することが当たり前の環境になってきています。また、発表するために自分の考えをまとめたり、クラスメイトの意見を共有する際にもICTが役立っています。知識のインプットとアウトプットがバランスよくできていると感じます。

タブレットを用いた授業
タブレットに配信された問題を個人で解き、次にグループを編成して意見交換やプレゼンテーションに進みます。
豊山女子で使用しているキャリア教育教材
テキストや映像を駆使しながら自分自身の可能性を認識するためのキャリア教育教材を使用します。

次世代のキャリア教育教材といわれる「ENAGEED」も導入しましたね。

柳澤校長:これもICTを活用できるプログラムの一つです。昨年の中1を対象にスタートしましたが、まだ始まったばかりですので、成果が目に見えるようになるにはまだ先かと思いますが、クラス単位や担任教員といった固定観念を取り払った学年全体での授業形式を取り入れるなどして、これから訪れる予測不能な社会に備えた、女性のためになるキャリア教育を進めていきます。

自分の体験に基づくキャリア教育 ≫

快適な学校生活と教養を身につける女子教育の両立

リュック型バッグの導入や自転車通学の解禁、高校ポロシャツ導入など生活面の改革について、生徒の皆さんの反応はいかがですか。

柳澤校長:リュックは8割の生徒が使っていますし、全校生徒の1割が自転車で通学するようになりました。ポロシャツ姿も多く見かけましたね。生徒たちの毎日を過ごしやすくする目的で取り入れたので、まるで以前からそうであったように、みんなが自然と受け入れていると思います。

ポロシャツとリュック型バッグ
導入以来、圧倒的な支持を受けているポロシャツとリュック型バッグ。
茶道の授業のようす
豊山女子の伝統である茶道・華道の授業から、将来に役立つ礼儀作法を学びます。

学校改革を進める中でも、豊山女子の伝統として大切に続けているプログラムはありますか。

柳澤校長:単位数は減りましたが、華道や茶道など日本の伝統を学ぶプログラムは続けています。正座やたたずまいのような礼儀作法は、相手への思いやりや大人の女性としての品格を身につけるだけでなく、日本の文化を学ぶことで海外に発信することのできる国際交流につながると考えています。

豊山女子が大切にする教育内容 ≫

受験生の可能性を見出す多彩な入試

豊山女子の中学入試にはどのような特徴があるのでしょうか。

柳澤校長:英語インタビュー入試を新しく導入いたします。英検3級程度の英語力を想定し、英会話のみでネイティブ教員とコミュニケーションを取ってもらうほか、自己紹介をしたり英文を読んでもらったりする予定です。また、国語・算数・社会・理科から2科目を自由に選択する2科選択型入試も行います。この入試は社会と理科を選択するという選択肢もありますので、得意な科目を突き詰めることのできる受験生には朗報でしょう。

このように多彩な入試を導入する理由を教えてください。

柳澤校長:意欲を持って勉強に取り組んでいる受験生たちの可能性を信じているからです。入試の方法はさまざまでも、入学すれば本校の生徒として成長していくことには変わりありません。さまざまな可能性や才能を持った生徒たちが集い、各々が交流して刺激を与え合いながら学び、未来に向けたチャンスを広げてほしいという思いがあります。

豊山女子の校舎と学祖 山田顕義先生の胸像
「中学受験は長い道のりですが、お子さまの力を信じてあげてください」と柳澤校長からお言葉を預かりました。合格に向けて精一杯の応援をしてあげてください。

最後に受験生の保護者にメッセージをお願いします。

柳澤校長:子どもたちは、周囲から才能や存在が認められていると実感できれば、何でも頑張ることができます。だからこそ、一辺倒の型に押し込めるのではなく、お子さまの力を信じて応援するお母さま、お父さまでいてください。本校の生徒でないと経験できない学びのプログラムを多数用意して、お子さまのご入学をお待ちしています。

2019年の中学入試概況 ≫

編集者から見たポイント

2016年から継続して20を超える多くの改革を実行してきた豊山女子。「積極的に学ぶ意欲を見せる生徒をサポートしたい」と柳澤校長がお話しする通り、今年度も3か月間のターム留学(中2~高3)を導入し、更なる改革を行っています。今後もたゆまぬ進化を見せる豊山女子に注目してください。

イベント日程

イベント名 日時
2科入試プレテスト 2019年12月7日(土)
14:00~
適性検査型・思考力(プレゼン)型入試プレテスト 2019年12月14日(土)
14:00~
学校説明会 2020年1月12日(日)
10:00~
土曜見学会 2020年1月18日(土)
10:00~
土曜見学会 2020年1月25日(土)
10:00~
土曜見学会 2020年2月15日(土)
10:00~
土曜見学会
(探究学習一般公開・個別相談あり)
2020年2月22日(土)
10:00~
土曜見学会 2020年3月7日(土)
10:00~
2019年度の中学校説明会・公開行事 ≫

その他の連載コンテンツ

第2回自立した女性を育むハーバード大学発の「LADYプログラム」

高校生がハーバード大学で英語のプレゼンテーションに挑戦!学力急上昇の一因となっている特別授業の取り組みをご紹介します。記事を読む≫

第1回英語を話せた! グローバル教育は女性自立の一歩

豊山女子が総力を挙げて取り組む国際交流教育。その英語教育はどのようなものかを、生徒・先生の声から具体的にご紹介します。記事を読む≫