「ドルトンプラン」で生徒のチャレンジ精神をかき立てる

「ドルトンプラン」で生徒のチャレンジ精神をかき立てる

inter-edu’s eye

2019年4月に誕生した新設校、ドルトン東京学園中等部・高等部(以下、ドルトン)。世界各国で注目される教育メソッド「ドルトンプラン」を実践する、日本唯一の中高一貫校です。今回は、社会科担当で入試・広報室長でもある高野淳一先生に、ドルトンが目指す教育内容についてお話をうかがいました。

注目校「ドルトン」の学校公式サイト ≫

今、ドルトンプランが求められる理由とは

インターエデュ(以下、エデュ):教育の中心となっている「ドルトンプラン」とはどのようなものですか。

高野先生:アメリカのニューヨークで100年の歴史を持ち、世界中で実践されている教育メソッドです。先生側からの一方的な指導ではなく、学びの主役はあくまで生徒自身として、生徒の知的な興味や探究心を引き出すことを重視した“学習者中心の教育”です。

エデュ:「ドルトンプラン」で身につく力とは、どんなものでしょうか。

高野先生:日本の学校教育では生徒が受け身になりがちな点が問題視されていますが、「ドルトンプラン」は生徒主体の学習が根本にあります。「これができるようになりたい、今日はここまでやろう」と自ら考えて決めることは、生徒の学習意欲を引き出し、学習効果を高めます。「ドルトンプラン」で養われる、自ら考えて行動する力は、どんな時代でも生徒が自分らしく生きるために必要な力になると考えています。

クラス毎の保護者会では、文字通りに膝を突き合わせながら生徒が実践する「ドルトンプラン」について理解を深めます。
クラス毎の保護者会では、文字通りに膝を突き合わせながら生徒が実践する「ドルトンプラン」について理解を深めます。
学習者中心の教育メソッド「ドルトンプラン」詳細はこちら ≫

新設校だからできる、1期生から作り上げる伝統

エデュ:新設校ならではのメリットは、どんなところですか。

高野先生:まずは、生徒たちが学ぶ場を一から設計できることです。校舎や教室内のレイアウトから備品の色に至るまで細かく気を配り、学ぶことが楽しいと感じてもらえる“ワクワク”するような空間づくりに注力しました。「歴史と伝統を自分たちが作ろう」という意欲に満ちた1期生を迎え、学園として第一歩を踏み出したところです。前例にとらわれず、従来「学校の常識」とされてきたことも積極的に見直していきます。学校の中心は常に生徒たち。その方針にのっとり、生徒たちの意思を尊重しながら進めています。

エデュ:具体的にはどんなことを生徒自身が考えるのでしょうか。

高野先生:標準服の着こなしから学校内外での過ごし方、学習計画など、生徒たちが自主的に考えて行動する機会をできる限り多く設けています。「決められた」のではなく「自分で決めた」ことですから、結果に対して責任を持ち、次へ活かすことができます。

エデュ:先生方は生徒と接するとき、どのようなことを心掛けていますか。

高野先生:知識を伝えるだけでなく、見守りながら支え、生徒と共に学んで成長するパートナーでありたいと考えています。

エデュ:「ドルトンプラン」を実践した先には、どんなゴールを想定していますか。

高野先生:目まぐるしく変化し続ける社会に出たとき、学校で得た知識やスキルは次々と更新しなければ対応できません。どのような状況に置かれても楽しみながら学んで成長し、周囲に貢献し続けることができれば、それは素晴らしいことです。そんなポジティブな力を持つ人を育てることが、この教育の目指すところだと考えています。

校舎内の廊下は広く、壁も全面ガラス張りで開放的な空間になっています。
校舎内の廊下は広く、壁も全面ガラス張りで開放的な空間になっています。
最新の設備を備えた校舎や施設の様子 ≫

基礎固めの中学教科教育と、その先の「グローバル市民」教育へ

エデュ:中等部の学習で工夫されていることは何ですか。

高野先生:ICTの活用です。すべての教科とさまざまな教育活動でeポートフォリオシステムを導入し、web上で課題のやり取りを行い、学習の達成度の見える化に努めています。生徒は自身の学びを俯瞰的に捉えることができ、教員は生徒一人ひとりに合わせたアドバイスを行えます。また、英語は「読む・聞く・書く・話す」の4技能をバランスよく伸ばせるよう、少人数、習熟度別のクラス展開で、きめ細かく指導します。さらに、英語ネイティブ教員の授業を多く取り入れ、正確な発音や自然な言い回しを覚えながら、文法や表現への理解も深めていきます。

エデュ:ドルトンが目指すグローバル市民とは、どのような人物像ですか。

高野先生:グローバル市民とは、高い語学力とコミュニケーション力、強みとなる専門性を身につけ、柔軟な姿勢で国を超えて協働できる力を持ち、他者や社会に貢献できる人です。周囲を支えながら、共に問題解決や目標達成に取り組むのが、今の時代に求められるリーダーの形です。6年間に全員が2度の海外研修を行うなど、異文化に触れ、視野を世界に広げる機会も設けています。

週6時間の英語授業のうち、4時間がネイティブ英語教員と日本人教員によるチーム授業を実施しています。
週6時間の英語授業のうち、4時間がネイティブ英語教員と日本人教員によるチーム授業を実施しています。
日本人に求められる真のグローバル市民教育とは ≫

クラスと学年を超えた生徒の交流

エデュ:学校行事である「フェス」には、どんな教育効果を期待していますか。

高野先生:ドルトンでは、Sports Fes(体育祭)、Art Fes(芸術祭)など、大きな学校行事をフェス(Festival)と呼びます。共通するのは、企画から運営まですべてを生徒主体で行うことです。1期生が教員とともに学校で初めて開催される行事を立ち上げ、ハウス(異学年の生徒コミュニティ)を通じて次の学年にその経験を伝え、2年目の行事を作り上げます。学年を超えて力を合わせる経験が、生徒たちの自主性と創造力を育むことを期待しています。

誰もが羨むピカピカの校舎と最新の設備の数々も自慢のひとつです。
誰もが羨むピカピカの校舎と最新の設備の数々も自慢のひとつです。
生徒自身が中心になって運営していく学校行事 ≫

編集者から見たポイント

「教える、教わる」といった一方的な関係性だけでなく、ドルトンでは生徒自身の思いが自発的な学びにつながるように先生がサポートすることで、関わるもの同士が互いに高め合うという“理想的な教育”の形が見えてきました。また、新設校だからこその魅力もたくさんあることがわかりました。スタートを切ったばかりのドルトンがどんな未来を創っていくのか、今後がとても楽しみです。

イベント日程

イベント名 日時
学校見学会 2019年6月15日(土)
10:00~12:00・13:30~15:30
学校見学会 2019年7月6日(土)
10:00~12:00
体験授業・学校見学会 2019年7月15日(月)
10:00~12:00
体験授業・学校見学会 2019年8月3日(土)
10:00~12:00
体験授業・学校見学会 2019年8月24日(土)
10:00~12:00
イベント一覧と参加受付はこちらから ≫

その他の連載コンテンツ

第3回ドルトン東京学園1期生が過ごした実のある半年間

ドルトン東京学園中等部・高等部の1期生の生徒と先生にお話をうかがい、入学してから過ごしてきた半年間を振り返っていただきました。記事を読む≫

第2回“いつ、何を、誰と学ぶか” ドルトンの核となる学びのプロセス

一番の注目を浴びているドルトン東京学園が実践するドルトンプランに焦点を当てたインタビューをご紹介します。記事を読む≫