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理科・プログラミング教育の先進校として知られる東京電機大学中学校・高等学校(以下、TDU)。2021年春、新たに平川吉治先生が校長に就任し、東京電機大学との高大連携をはじめとする発展が期待されています。今回は新校長へのインタビューを通して、生徒が「社会を見つめる視野を広げ、人生に確信を持つ」ための教育に迫ります。
TDUの学校紹介をお願いします。
平川校長
理系のカリキュラムが非常に充実している学校です。東京電機大学の付属校であり、卒業生の7割を理系進学者が占めています。算数や理科が好きという入学者も多いので、当てはまる方はぜひTDUのイベントにご参加ください。
新校長として、学校をどのように変革していきたいとお考えですか。
平川校長
ICT環境をさらに発展させ、東京電機大学との連携強化につなげることを計画しています。現在はオンライン化によって、大学がともに授業を行うハードルが下がり、生徒が学問の世界に触れる機会を広げる絶好のチャンスです。先人の積み重ねた発見のうえに今の学問があることを知り、そこから自分の主体的な学びを始めてほしいと願っています。
これから力を入れていきたい教育活動を教えてください。
平川校長
探究学習をさらに重視していきたいです。生徒が自分自身で見つけた問題を解決するために、調査・意見交換・発表に取り組むというもので、大学での研究活動に近い体験ができるように強化していきます。
探究学習を通して、生徒には世の中の見方を学んでほしいです。社会を広く見ることができるようになれば、自分の価値観を築き、確信を持って人生をデザインしていけるでしょう。
ICT環境の発展による高大連携の強化、探究学習。こうした新しい教育活動を重視するウラには、平川校長の生徒の将来を見据えた教育観があります。生徒育成についてのお考えをうかがいました。
これからの時代を踏まえて、生徒に身につけてほしい力は何ですか。
平川校長
TDUでは生徒に身につけてほしい5つの力を掲げていますが、その中でも「共感力」を特に伸ばさなくてはならないと考えています。現代社会では多様性が重んじられていますが、その前提として、社会をつくる一人ひとりがお互いの違いを乗り越えることが欠かせません。
そのためには、他者を理解し、個性を認める力が必要です。何が起こるか先行き不透明な時代に、助け合い支え合う社会をつくることに貢献できる人材を育てていきます。
校訓「人間らしく生きる」に込められた思いを教えてください。
平川校長
もともとは東京電機大学の教育・研究理念「技術は人なり」を言い換えたもので、「技術者は優れた人間性を要する」という意味のものです。
しかし、TDUの生徒にはこの校訓で次のメッセージを投げかけています。
「生き方に正解・不正解はない。どの道を選んでもいい。しかし、自分がその道を選んだ理由は自分の言葉で説明できるようにしなさい」
自分でしっかりと将来を決めることが人間の生き方として求められることだと思います。
人生にはたくさんの困難が待っていますが、確信を持って選んだことは必ず将来につながるでしょう。生徒がそんな進路選択をできるように、大学と実社会に目を向けてもらうための教育活動を展開していきます。
続いて、TDUの光る教育活動に迫ります。
TDUのプログラミング教育についてご紹介ください。
平川校長
基本的なタイピングから始まり、Microsoft PowerPointなどのアプリケーションの使い方、PythonやVBAなどを用いたプログラミングまで一貫して指導しています。最終的には高度な内容を扱うことになりますが、初心者向けのロボット教材もあるので、ご安心ください。
プログラミング教育で生徒をどのように成長させたいとお考えですか。
平川校長
もちろん、目標はコンピューターを使えるようにすることだけではありません。「コンピューターにこんな動作させたい」といったアイデアを形にしていく中で、「夢を実現する体験」を積んでほしいと考えています。イノベーションによって、かつては夢のようだったことが次々と実現されるようになりました。こうした時代で活躍できるように、発想力や創造性を発揮できるように育てていきます。
理科教育に関する強みを教えてください。
平川校長
TDUには理科教室が5室あり、実験を通して理科を深く学べる環境があります。さらに、一人ひとりが「実験BOX」を持ち、自分の手で作った実験道具などを収納するようになっていて、教科書に留まらない生きた知識が身につく機会をつくります。
理科を通して、生徒に気づいてもらいたいことは何ですか。
平川校長
答えに辿り着くには結論ありきで考えるのではなく、事実から物事を考えるべきだということです。たとえば、実験が予想と違う結果になったときに、しっかりと仮説を再検証し、先入観を自覚することが大切だと思っています。そうした積み重ねが、視野を少しずつ広げていくのではないでしょうか。
優れた理系のカリキュラムだけでなく、東京電機大学への内部推薦が可能なこともTDUの強みです。そちらについてもご紹介いただきました。
東京電機大学への内部推薦制度をご紹介ください。
平川校長
生徒の2割ほどが利用していて、内部推薦と国公立大学との併願も可能となっています。生徒には「将来の目標を達成できるなら選んでほしい」と進路の一つとして示しています。
東京電機大学の長所を教えてください。
平川校長
よく理系の大学の教員は「研究7割、教育3割」と言われますが、東京電機大学は学生第一主義で、学生の教育にしっかりと力を入れてくださいます。卒業生からも「厳しいけど距離が近くて、丁寧に指導してくれた」という話を聞きます。そういう点が就職に強いことにつながっているのでしょう。
最後に受験生の保護者の方へ、応援メッセージをお届けします。
平川校長
コロナ禍で誰も経験したことのない世の中が訪れてしまいました。お子さまも大変な受験を迎えることになります。保護者の皆さまはご心配なことがたくさんあるかと存じますが、安心して勉強に打ち込めるように支えてあげてください。
プログラム | 日程 | 時間 |
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第1回学校説明会 | 2021年9月4日(土) | 14:00~15:30 |
TDU武蔵野祭(文化祭) | 2021年9月18日(土)、9月19日(日) | 9:30~16:00 |
第2回学校説明会 | 2021年10月3日(日) | 14:00~15:30 |
第3回学校説明会 | 2021年11月6日(日) | 14:00~15:30 |
第2回プログラミング教室 | 2021年11月27日(土)(予定) | |
過去問題解説 | 2021年12月18日(土) | 10:00~12:10 |
第4回学校説明会(6年生対象、入試体験) | 2022年1月6日(木) | 14:30~16:00 |
第5回学校説明会(小学5年生以下対象) | 2022年1月22日(土) | 10:00~11:30 |
申込制・予約が必要なものもございます。詳しくは学校説明会ページをご覧ください。