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医科大とさらなる連携! 内部進学の枠を広げる次の一手

inter-edu’s eye

複数の大学を含む獨協学園の一員でありながら、国公立大学に合格者を多数輩出している獨協中学校・獨協高等学校(以下、獨協中高)。2月1日午後の入試を実施していることが話題ですが、獨協医科大学への推薦枠が広がったことにも注目が集まっています。今後はさらに大学との連携を深める計画もあるということで、新校長に目指す学校像のビジョンをうかがいました。
※撮影時のみマスクを外しています。

校長が毎朝8時に校門で挨拶! 「学問を通じての人間形成」は授業外でも

2021年春、校長に就任した上田善彦先生は獨協高校OB。獨協医科大学に進み、卒業後も同大学で約40年間に渡り研究職・教授職を務められました。たくさんの大学生と向き合ってきた経験を活かして、中学生・高校生に対しても実社会で活躍できる資質を育成されています。

上田善彦先生

インターエデュ(以下、エデュ):学校の紹介をお願いします。

上田校長

獨協中高はもともと1883年(明治16年)にドイツの社会制度・文化を移入することを目的として創設された、獨逸学協会学校を母体としています。創設以来、医学界・法曹界で活躍した先人たちを輩出してきました。戦後就任した13代校長 天野貞祐の言葉「学問を通じての人間形成」を旨として、地域社会からグローバル社会までをリードする、確かな知性に基づいたバランス感覚をしっかり持った人間の育成を目指しています。

エデュ:生徒の人間形成のために取り組んでいることを教えてください。

上田校長

まず一つ挙げるとすれば、知的好奇心を広げる体験学習です。本校ではビオトープを設置して環境教育に力を入れているほか、アメリカのイエローストーン国立公園への研修旅行なども行っています。知識偏重の教育ではなく、学問を通じて知性や論理的思考、そして哲学や芸術を含めた人文科学的な感性をバランスよく培い、豊かな精神と体力を持った人間を育てていきたいと考えています。

そして、社会で生きていく土台となるコミュニケーション能力育成も欠かせません。各授業でグループワークやプレゼンテーションの時間を多く取り、部活動や行事などでも豊かな人間関係を築けるように指導しています。
私自身も毎朝8時から校門の前に立って、生徒一人ひとりに挨拶しています。最近は夕方に校長室のドアを開けていると、生徒から帰りの挨拶をしてくれるようになりました。

イエローストーン国立公園への研修旅行の様子

「国公立大合格へのサポート」「高大連携」医師を目指すなら

エデュ:今後、力を入れたい教育活動について教えてください。

上田校長

獨協学園の伝統に惹かれて入学する生徒もいれば、国公立大学進学を目標に本校を選ぶ生徒もいます。彼らの進路実現のために、教員全員でチームとして支えていきたいです。中学のうちに苦手教科をつくらせないよう丁寧にサポートし、6年後に大きく飛躍できる準備をしていきます。

エデュ:獨協学園の教育機関と連携して取り組むことを教えてください。

上田校長

獨協医科大学への系列校推薦枠が獨協埼玉中学高等学校と合わせて10人新設となり、医学部志望者にとって選択肢が増えることとなりました。すでに獨協医科大学とは、医療関係の講演、医学部入学前の学習サポートなどについて協力を受けることも決まっています。獨協大学とも、生徒が早いうちに学問に触れる体験ができるような教育プログラムをつくっていきたいと思います。

エデュ:受験生保護者へのメッセージをお願いします。

上田校長

教育者として、また医師として「お子さまにちゃんと睡眠を取らせてほしい」と願っています。学力と規則正しい生活は必ず関係します。大学にいた頃、受験期に生活リズムを崩して、その後苦労する学生を目にしてきました。適切な睡眠時間とバランスのとれた食事に気を配りながら、春からの中学校生活を送れるようにお子さまをサポートしてください。

コロナ禍もアクティブに! 在校生が語る学校生活で変わったもの・変わらないもの

上田校長からもご紹介の通り、獨協中高は人間形成に重きを置く学校です。そのため生徒は授業はもちろんのこと、課外活動にも積極的に参加しています。在校生のお二人に話をうかがってみると、コロナ禍でさまざまな制約がありながらも、アクティブな学校生活を送れていることがわかりました。

北村直一くん
高校1年 演劇部所属
北村 直一くん
吉利弦樹くん
高校2年 野球部所属
吉利 弦樹くん

エデュ:中学受験生に、学校の魅力を紹介してください。

北村くん

獨協中高は生徒思いの先生ばかりです。中学3年生で提出物の提出状況がよくなかった時期に、しっかりと学習に対する悩みなどを聞いてもらって、そこから成績も上がりました。先生が向き合ってくれる環境なので、授業中もみんな積極的に発言しますし、明るい校風だと思います。

吉利くん

中高一貫校ということで、中学のうちから大学受験を意識した授業があります。例えば、受験の面接で議題になりやすいテーマについて話し合う授業や効果的な勉強方法を学ぶ講座があり、将来について具体的なイメージを持ちながら学習ができます。

エデュ:お二人の部活動について教えてください。

北村くん

演劇部に所属しています。獨協中高の演劇部は脚本も部員がつくるオリジナルの舞台が基本で、コンテストや大会に出場しています。高校3年生になって引退した先輩が大学進学後に参加する公演もあって、先輩・後輩の仲が非常に近いのが楽しいです。

吉利くん

野球部も学年の壁はなく、チーム一丸となって活動しています。僕は小学3年生から野球を続けていて、高校進学後も勉強と両立させながらできているのでとても嬉しいです。強豪校にも立ち向かえるように、効果的な練習は何かを突き詰めながら頑張っています。

演劇部の活動の様子

エデュ:部活動にコロナ禍の影響はありましたか。

北村くん

演劇はマスクせずに声を発することが欠かせないので、公演が中止になったこともありました。しかし、感染状況が落ち着いた時期には、演技が終わって舞台袖に戻ったらすぐマスクをつけるといった形で大会なども行われました。OBが参加する春の公演は2020年は中止になりましたが、2021年にはできたので良かったです。

吉利くん

練習時間が2時間という制約ができたので、無駄な時間を作らないように活動するようになりました。短期集中型で練習しようというふうに意識を切り替えています。とはいえ基本は今まで通り、楽しく野球ができています。

進路が見つかる! 高1・2で見出した道

続いて、学習に関する獨協中高の長所をうかがったところ、獨協中高の設備・カリキュラムが学習に関する深い理解につながっていることが分かりました。

授業の様子

エデュ:獨協中高の学習に関する長所を教えてください。

北村くん

理科の授業が好きです。理科室が広くて実験中に動きやすいし、タブレットで撮影したり、映像資料を見たりして学習がはかどります。

吉利くん

高校からドイツ語の授業が履修でき、他校にはない学習ができることが自分の大きな個性になると思います。ドイツ語と英語は似ているところがあって、英語力も高校に入ってから上がりました。

エデュ:現在、進路実現に向けて学校からサポートを受けていることはありますか。

北村くん

まだ1年生で進路も考え中ですが、プログラミング関係の道にすることは決めています。中学のうちから定期テストが終わった後、必ず学校外での体験活動があるのですが、そこで科学館を訪れた影響もあったと思います。獨協中高に入学すれば、きっといろいろなことに興味を持ちながら、進路をじっくりと考えることができるでしょう。

吉利くん

僕は医学部を志望していて、その気持ちが固まったのは獨協中高で開かれた獨協医科大学への見学ツアーに参加したことでした。今は先生から医学部の受験対策として、各教科の基礎基本を徹底して学習するよう指導を受けています。

外国語の授業の様子

編集者から見たポイント

獨協中高は2月1日の午後の入試を行っていることが話題を呼んでいます。ただ、皆さまに知っていただきたいのは入口だけではなく、出口。つまり、進路実現にこそ力を入れている学校だということです。人間形成を重視する校長先生の下、教員はチームで動き、生徒はまだ高校1年生の段階で進路について考えていくーーそんな獨協中高の空気をぜひ学校に訪れて感じていただきたいです。

2021年 学校説明会のご案内

実施回 日程 時間 申込受付開始
第2回 2021年10月10日(日) 10:00~12:00 2021年9月18日(土)
第3回 2021年11月7日(日) 10:00~12:00 2021年10月16日(土)
第4回 2021年12月19日(日) 11:30~12:30 2021年11月27日(土)

※予定は変更になることがあります。HPで最新の情報をご確認ください。

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:獨協中学校・獨協高等学校