鎌倉女子大学 中等部・高等部(鎌倉国際文理中学校・高等学校)

更新日:

国際的に通用する文理の力を培うへ。2026年鎌倉女子大中高から「鎌倉国際文理」へ

inter-edu’s eye

2026年度より鎌倉女子大学中等部・高等部が共学化され、鎌倉国際文理中学校・高等学校(以下、鎌倉国際文理)として新たなスタートを切ります。現在校長を務めるのは、大企業の人事部から教育者へと転身し、学校再建や横浜市立南高等学校附属中学校の校長を務めるなど、豊富な経験を有する高橋正尚先生(中・高等部 部長)。共学化に伴う教育環境づくり、そして新たに鎌倉国際文理として目指す「豊かな人間性」と「確かな学力」の実現に向けた取り組みについてお話しいただきました。

01
温故知新を胸に、
共学校として新たな門出に臨む

いよいよ来年度より共学校・鎌倉国際文理となりますね。

高橋校長

高橋校長

共学化の発表から2年をかけて、着実に取り組みを進めてきました。本校の伝統ある建学の精神「感謝と奉仕に生きる人づくり」を大切に継承しつつ、新しい時代にふさわしい多様性豊かな学びの環境づくりに邁進しています。私たちが目指す姿を「国際的に通用する文・理の力を培う」という理念に込め、新しい校名にもその想いを掲げています。

伝統校として共学化する強みを、どのように捉えていらっしゃいますか。

高橋校長

高橋校長

これまでに育んできた風土・文化は一朝一夕で得られるものではありません。それは言葉遣いやたたずまいといった日常の所作にも自然と現れ、世代を越えて脈々と受け継がれてきました。このかけがえのない財産を礎として、共学化によって新しい風を取り入れ、さらなる進化を目指すー。まさに「温故知新」を体現する貴重な機会を迎えているのだと実感しています。

共学化初代校長となる髙橋正直先生
共学化初代校長となる髙橋正尚先生

2026年からの募集説明会がはじまっています。皆さんの反応はいかがですか。

高橋校長

高橋校長

中学の説明会には、例年の2〜3倍もの多くの方々にご参加いただき、反響の大きさに驚いています。参加者の約3割が男子受験生だったことからも、共学化に対する期待と関心の高まりを実感しました。高校については、これから本格的な動きが始まりますので、今後への期待がさらに高まっています。
また、4月に開催された大規模な私学進学相談会では、学校紹介スピーチの際に誰一人立ち去ることなく耳を傾けていただいた姿に、心から感激いたしました。用意していたパンフレットも全て配布完了となり、改めて皆さまからの関心の高さに身が引き締まる思いです。

共学化に合わせて新調される男子の制服
共学化に合わせて新調される男子の制服

02
鎌倉国際文理が育む
「豊かな人間性と高い学力」

国際的に通用する文・理の力を培う」という教育理念についてお聞かせください。

高橋校長

高橋校長

鎌倉国際文理が掲げる「文と理」は、すなわち「心と知」でもあり、「豊かな人間性」と「高い学力」に置き換えることができます。どちらも欠かすことのできない大切な要素ですが、あえて順序を示すならば、先に育むべきは「豊かな人間性」だと考えています。人間性がしっかりと担保されてこそ、学力も真に高まり、活かされていきます。

そこで私たちは、「学校は間違ってもよい場所」であるという心理的安全性の確保を重視しています。これを教師からのメッセージとして伝えるだけでなく、例えば、体験学習を通じて互いを知る機会や、自分の考えを発表してポジティブなフィードバックをし合う場などを設け、生徒同士が支え合い、失敗も学びとして受け止められる風土づくりに力を注いでいます。

「知」の育成、学力を高める取り組みについてはいかがでしょうか。

高橋校長

高橋校長

学習面においては「先生方の授業力の向上」を何より重視しています。そのための取り組みとして、授業を公開し、教員同士だけでなく先生同士や保護者や他校の先生方にもご覧いただける環境を整えました。加えて、外部の研修への積極的な参加を促し、得たノウハウや知見を校内に還元することにも注力しています。

また、教室を「ガラス張り」にしたのは、授業を“見える化”することで学びを共有したいという思いからです。「見られている」という意識は、程よい緊張感を生み出し、他者からのフィードバックを得やすくなる環境をつくります。初めは戸惑いも見られましたが、先生方の間に次第に「これは学びになる」という気づきが生まれ、フィードバックの文化が自然に根づき、互いに積極的に学び合う姿勢が育まれてきました。今は3か月という短いサイクルで授業の効果を検証し、継続的に改善する仕組みを構築しています。

スライド1
鎌倉女子大学 中等部・高等部 全景
スライド2
礼法室
スライド3
調理室は手元がしっかり見えるようモニターを完備
スライド4
蔵書6万冊の図書室
スライド5
ガラス張りの実験室
スライド6
廊下側は大きなガラス窓が入った教室
スライド7
新校舎建設に伴いトイレも明るく綺麗に

共学化に伴いコースも変更されるそうですね

高橋校長

高橋校長

中学・高校で「国際教養コース」、高校から「総合文理コース」を設け、高い学力の育成を目的とし、論理的な思考力・判断力・表現力を養い、異文化に理解を持った真の国際人を育成することを目指しています。国際教養コースは高校2年生までは文・理系を分けずに、リベラルアーツも含めて9教科をバランスよく、しっかりと学ぶコース設計にしています。

私自身の教育観として、苦手な科目にも向き合った経験は、将来の問題解決力や主体的な学び、すなわち「生きる力」を育むうえで不可欠だと考えています。その意味でも、教科横断型の総合学習の授業は非常に重要です。授業では、KJ法(※)やICTスキル、プレゼンテーションなどを活用しながら、社会課題に対する解決策を考え、発表する機会を設けています。そうした過程で生徒たちは、学んだことの実践的な活用法に気づき、苦手な分野であっても課題解決のために学ぶ必要性を実感するようになります。

先日は「鎌倉のオーバーツーリズム」の解決策を考え、市の観光課の方に提案しました。その姿から、想像以上にしっかりと力がついていると感じられ、驚きと頼もしさを覚えました。
※1967年に文化人類学者・川喜田二郎氏が提唱した、断片的な情報やアイデアを整理・構造化して、新たな発想や問題解決につなげるための思考法

03
中学2年生の夏までに
学習姿勢を身につける

個別教科の基礎的な学力を高めるには、どのようにお考えですか。

高橋校長

高橋校長

英語や数学などの学力向上には、6年後・3年後にどうなっていたいかという「定量的な目標」を定め、逆算して計画を立てることが大切です。漠然とした目標では具体的な行動につながらず、成果の評価も曖昧になりがちです。例えば、国語力を育むのに読書が有効なのは明らかですが、なかなか習慣化することは難しいものです。しかし「年間300冊読む」という具体的な目標を立てれば、1週間に何冊読むべきかが明確になり、行動に落とし込みやすくなります。さらに、おすすめ本を紹介する「読書だより」を発行することで、教師からも支援しやすくなります。

このように目標を小さなステップに分解し、それを達成することで自信が育まれ、生徒自身が目標や計画を主体的に考えるようになるのです。こうした学習姿勢を中学2年生の夏までに身につけることが、その後の成長に大きく貢献すると考え、力を入れて取り組んでいます

取材中に訪れたラーニングコモンズにて
取材中に訪れたラーニングコモンズにて

教科の中でも特に力を入れられている英語学習についてお聞かせください。

高橋校長

高橋校長

英語は国際社会で活躍するために欠かせないツールであり、異文化理解やコミュニケーション力、思考力を育む手段としても有効です。しかし一度苦手意識を持つと、学ぶことが苦痛になりがちです。そこで、英語の4技能(聞く・話す・読む・書く)を段階的かつ繰り返し学ぶ「ラウンド式」を導入し、まずは暗唱できるまで音読を繰り返すことから取り組んでいます。その結果、自然と会話ができるようになり、英語が苦手という生徒が減少しました。

さらにネイティブ講師とマンツーマンでのオンライン英会話や、iPadを活用した音読トレーニング、英検取得対策講座、海外語学研修など豊富な学習体験を提供しています。それらの効果が得られるのも、英語を楽しむ素地ができているからといえるでしょう。そうして獲得した英語力は、大学受験はもとより、社会に出てから活きたコミュニケーションスキルとしても役立つものと確信しています。

04
大きな目標を抱いて、
なりたい自分になろう

鎌倉国際文理で学ばれる生徒の皆さんに求めるもの、期待することはありますか。

礼法室には「温故知新」の掛け軸
礼法室には「温故知新」の掛け軸
高橋校長

高橋校長

ぜひ、大きな目標や夢をもって入学してほしいと思います。勉強もそうですが、大きな目標でも小さなステップに分けて取り組むことで、日々の過ごし方が前向きに変わり、目標にも近づきやすくなります。鎌倉国際文理では、中学1年から職業体験やキャリア教育などを行っていますが、意外と目標を低く設定する傾向が見られるのも事実です。もちろん中高生活の中で成功体験を積んで徐々に目標を上げていくことも大切ですが、私としては最初から高い目標を持つほうが絶対に良いと考えています。そうすることで日々の学びのモチベーションにつながるだけでなく、学校や家庭での過ごし方も大きく変わります。ぜひ、将来の自分の姿を思い描きながら、今の学びに前向きに向き合ってほしいですね。

編集後記

共学化という転換期にありながら落ち着いた雰囲気が学校に漂うのは、鎌倉という土地柄だけでなく、同校がこれまで培ったゆるぎない教育理念が根付いているからかもしれません。広々とした敷地に2021年に完成した校舎には、蔵書6万冊を誇る図書館をはじめ、物理・生物・化学の専用実験室、ICT機器が整った演習室、モニター完備の調理室など充実した最新設備が整っています。加えて、礼法を学ぶための和室や、以前の和風校舎から移された瓦をあしらった空間もあり、伝統と先進性が融合した学びの場となっています。登下校の際には、先生、生徒も校舎に向かって一礼する姿勢に、創立以来大切にしてきた建学の精神が今も息づいていることを感じました。

イベント情報

学校説明会⑤

2025年9月6日(土) 10:00〜11:00

親子でチャレンジ入試問題過去演習

2025年9月27日(土) 10:00〜12:00

学校説明会⑥

2025年10月18日(土) 10:00〜11:00

みどり祭

2025年11月8日(土)〜9日(日)10:00〜15:00