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時代の先端をいく工学院のSTEAMプログラム

inter-edu's eye

近年さらに加速するSTEAM教育の先端校として知られる工学院大学附属中学校・高等学校(以下、工学院)では、授業の一環として参加する数多の理工系コンテスト/グランプリで賞を総なめにしています。他校が真似できない素晴らしい成果を挙げている理由のヒントを探るべく、受賞者のお二人へのインタビュー取材を通して、その一端を掘り下げてご紹介します。

高校生ビジネスプラン・グランプリ in TOKYO 第3位受賞

エントリー総数3,803組の高校生がビジネスプランを競い合う日本政策金融公庫が主催する大会の東京大会において、第3位を受賞するに至った生徒のアイデアと発明品。授業で取り組んだ結果が、実現性の高いビジネスプランに繋がっていると高い評価を受けた磯本惣太郎さん(高2)から詳しくお話をうかがいました。

磯本さん

グランプリ参加への経緯について教えてください。

磯本さん
磯本さん

「現代社会」の授業を通して世界に貢献できるアイデアを発表するために参加しました。
今回のグランプリで受賞した発明は「羅針腕」といって、LED表示と振動で目的地に向かう方向が正しいことを知らせてくれる腕時計のような装置です。駅で迷ったり、スマートフォンの地図を見ながら人にぶつかりそうになった自分自身の体験を基にして、この装置には言語が異なる外国人や視覚障がい者にも活用していただけるようなユニバーサルデザインを取り入れています。

作品づくりでは図書館の施設を利用したそうですね。

磯本さん
磯本さん

図書館内に設けられたFabスペースの3Dプリンタで羅針腕を作成しました。このデータを作るのには長い時間が必要で、何度も失敗を繰り返しながら挑戦しました。このFabスペースでの活動が、工学院の特長を表していると思います。
また、中高生が学年を気にせずに交流できる「デジタルクリエイター育成委員会」も7月に発足しました。これからさらにFabスペースでの活動がさらに活発になることを楽しみにしています。 ≫ Fabスペースを見てみる

Fabスペース

グランプリでは多くの来場者を前にプレゼンテーションをしたと聞いています。

磯本さん
磯本さん

小学校でも仲間と一緒にロボットを作り、FLL(FIRST LEGO League)という大会でプレゼンテーションをしてきました。工学院でも、物理や情報の授業で自分の考えを披露する機会が沢山ありますね。探究学習で論文を作成したり、先生方や仲間からのアドバイスがあったからこそ、グランプリでも良い結果が出せたと考えています。実際にプレゼンテーションした際には、数グラムの重さしかない羅針腕のフレームに乗っかっても壊れないことを証明して笑いを取れました!

プレゼンテーションのようす

ベネッセSTEAMフェスタ W受賞

全国の中高生が集い、各分野の専門家や企業人を前にして作品の出来を競いあうベネッセSTEAMフェスタ。磯本さんの盟友として、デジタルクリエイター育成委員会に所属する清水大輔さん(高2)からもお話をうかがいました。

清水さん

ものづくり賞とSchool Maker Faire賞のW受賞をしたそうですね。

清水さん
清水さん

フェスタにはいろんな方々が来場するので、自分の先入観を越えたフィードバックや刺激を受けるために参加しました。研究発表を通して交流したいという目的だったので、結果発表の際に初めて受賞したことを知ってとても驚きました。
受賞作品は「IoTしおり」といって、読んでいる本にこのしおりを用いることで、スマートフォンに毎日の読書情報を送信して管理できるというものです。工学院で初めて体験した3Dモデリングから、基盤の設計からプログラミングに至るまで、今まで挑戦してきた技術の集大成だったのでとても光栄です。

委員会活動が肝になっているのではないですか。

清水さん
清水さん

多彩な才能を持つ仲間同士がアイデアをシェアし合う環境のおかげで、多くの賞を獲得できるような集団に成長してきました。スタートして間もない委員会活動が、みんなの個性や得意分野を引き出していると強く感じますね。

IoTしおり

工学院で取り組んできた授業について教えてください。

清水さん
清水さん

中学ではデザイン思考を学びながら、正解の無い問いにいろんなアプローチを重ねて話し合う授業をしてきました。そこから新しい発見をして、自分の頭で考えることができるようになったことが、僕にとって一番の成果だと思っています。リーダーとしてみんなを引っ張っていく機会もあれば、メンバーの一人としてフォロワーシップを発揮する場合もあります。クリエイティブなものづくりだけでなく、勉強やスポーツに打ち込む仲間も一緒になってやる気を引き出してもらえる授業の多さが工学院の魅力ですね。

授業のようす

高校生に聞いた受験校選びのポイント

学校生活を満喫しているお二人から、中学受験にチャレンジする皆さんに向けたアドバイスをいただきました。

磯本さん
磯本さん

僕は高校から入学したので他の仲間と3年間の差はありますが、清水くんを含め、みんなの背中を見て「いつか超えていきたい」とずっと考えていました。今では、何かを作りたいと願っている後輩に対して、アイデアを形にする手段や考え方を指導することができます。
受験勉強はものづくりと同じで、目的を持って取り組まないとうまくやっていけないところがあるので、まずはどんな学校に入学して何をしていきたいのか、原点に立ち返って夢を追いかけることをおすすめします。

清水さん
清水さん

中学受験をする年代では、自分の将来を決めることが難しいとは思いますが、磯本くんと同様に、なぜ入学したいのかを考えてみることが大切ですね。いっぺん受験する意味を考え直すことも良いかも知れません。僕の場合は、受験校を自分自身で調べて納得したからこそ頑張ることができました。
工学院は理工系に強いだけでなく、やってみたいと提案したことを実現できる学校なので、ぜひとも志願先のひとつに検討してみてください。

編集者から見たポイント

ものづくりのビジョンと手段を学校生活から身につけたというお二人の言葉からは、わくわくするような毎日を過ごす生徒たちの様子が想像できました。さらに、Fabスペースを中心とした委員会の活動目的は、メンバーが卒業した後にも学校にものづくり文化を残し、次世代に繋ぐ役割があるというコメントも聞かせていただきました。このように、未来への明確なイメージを持ちながら楽しさを追求できる生徒がどのような環境から育つのか、その現場を皆さんの目で直接確かめてみてはいかがでしょうか。

イベント日程

中学校

10月3日(土) 第9回 オンライン中学校説明会
10月24日(土) 第10回 オンライン中学校説明会
10月28日(水) 第3回 学校説明会[授業見学]
11月6日(金) 第5回 新宿ハイブリッドインターナショナルコース 授業見学・説明会
11月7日(土) 第11回 オンライン中学校説明会
11月22日(日) 第4回 学校説明会[入試模擬体験(小6対象)]

※参加には予約が必要です。学校サイトよりお申込みください

高等学校

10月17日(土) 第4回 学校説明会
11月6日(金) 第5回 新宿ハイブリッドインターナショナルコース授業見学・説明会
11月14日(土) 第5回 学校説明会[オープンスクール]
11月22日(日) 第6回 学校説明会
11月28日(土) 第7回 学校説明会

※参加には予約が必要です。学校サイトよりお申込みください

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:工学院大学附属中学校・高等学校