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明星100周年へ 次代に引き継ぐ手塩にかける教育

inter-edu’s eye

2020年の大学入試で東大・一橋大を含む国公立大に17名の合格者を出した明星中学校・高等学校(以下、明星)。2023年の創立100周年を前に、今春、副校長だった福本眞也先生が校長に就任しました。学校の大きな節目を前に抱く想いとは。福本先生にうかがいます。

新校長 福本眞也先生インタビュー

福本先生

熊本高校での教員時代、進路部長として東大合格者を多数輩出し、公立トップ校を作り上げる。その後、株式会社ベネッセコーポレーションで進研ゼミ高校講座統括として進研ゼミ改革を成功に導き、執行役員・教育事業本部長として活躍。教育コンサルタントを経て、2016年に明星の副校長に着任。進路指導シニアアドバイザーとして進学実績の向上に貢献。2020年度、校長に就任。

───就任おめでとうございます。校長として、どのような想いを抱いていらっしゃいますか

福本先生本校は間もなく創立100周年を迎えます。次の100年の基礎になるものを作り、生徒と保護者、そして本校を見守る地域へ恩返しをしたいと思っています。

見える学力と見えない学力

授業のようす

───福本先生は熊本県での教員時代、多い年で現役東大合格者を23名輩出されました。貴校でも、副校長の傍ら進路指導の要職を務めて進学実績を伸ばされました。輝かしい実績を持つ福本先生が考える「学校教育」とは

福本先生学校がすべきことは、子どもにさまざまなチャンスを与え、一人ひとりが持つ可能性を伸ばしてあげること。学校でパッションをかけられるものを見つけた生徒は自ら勉強するようになるのです。その先に東大があるのか、ほかの夢があるのかは生徒次第。本校でも、生徒が多様な経験の中で自分自身と向き合い、夢と言えるものを見つけて努力していけるようにします。

では教育はどうかといいますと、教育の本質は“良質の受動と右往左往の能動”です。受動=座学では、優れた授業を受け、教師からいい話を聞くことが大切です。一方で、人は動き回っているときほど頭を使い、多くのことを学びます。試験や点数で測れる「見える学力」と、動き、考えることで身につく思考力・判断力・プレゼンテーション力などの「見えない学力」、この2つを高めると生徒は必ず成長します。

───貴校では、どのような取り組みで「見えない学力」を高めていますか

福本先生探究学習などのアクティブラーニングやキャリア教育では、生徒が学外へ赴きます。また、大学生と人生について語り合う「カタリバ」、外国人キャストとステージを創り上げる「ヤングアメリカンズ」など、外部から講師をお招きする行事があります。さらに、明星大学との連携を強化したことで、毎年、デザイン学部の教授が生徒へ直々にプレゼン講座をしてくださっています。

ヤングアメリカンズ
ヤングアメリカンズ
カタリバ
カタリバ
キャリア教育
キャリア教育

福本先生豊富な体験はすでにAO入試で成果を見せています。生徒は書く・話す内容に困りませんし、プレゼンが得意ですから。今年は本科の生徒がAOで立教大に受かりましたし、このほか、センター試験利用でGMARCHに13人合格しています。私が2年半、週1回朝の勉強を見てきた生徒は、国立の東京医科歯科大に推薦入学が決まりました。

───見える学力と見えない学力を伸ばすため、先生方に必要なものは何ですか

福本先生好奇心です。狭い価値観の教師が教えていては生徒が広い世界へ羽ばたいていけません。さまざまなことに好奇心を抱く人間を育てるために、まずは教師がそうした人間にならなくては。たくさんの人と会い、本を読み、多くの場所を訪れていろいろなものを食べ、バックグラウンドを広げる努力が必要です。教師は生徒が自分で勉強する仕掛けをつくり、可能性を伸ばす手助けをすることしかできませんが、何を与えるかは生徒の一生に関わりますから、責任は非常に重いのです。

また、チームワークも大切です。私は副校長に着任した翌年から高1の学年主任になり、教科指導や見える学力・見えない学力について担任らに直接教えながら、彼らとともに生徒を見てきました。学年ごとに教師を集めて外へ連れ出し、交流を深められるようにもしましたね。話をすると教師一人ひとりのよさが見えてくるので、もっといい教師になるように彼らのいい部分を引っ張り出したいと思っています。

同じ目線に立って対話する「手塩にかける教育」

実験のようす

───学校と家庭の関係についてはいかがでしょう

福本先生学校は、教育方針を理解していただく努力を怠ってはいけません。副校長着任時、ほとんど行われていなかった保護者会は、いまでは学年別に年3、4回実施されており、出席率は8割を超えます。探究学習の説明や年間プログラムの途中経過、今後やろうとしている計画について説明し、保護者の方に学校教育への協力をお願いしています。

───保護者のご協力の下、学校が一丸となって目指すものとは

福本先生外部の方からは、本校の強みは“手塩にかける教育”だと評価していただいています。では手塩にかける教育とは何だろうと尋ねたら、新教頭の小川和人先生が「生徒と同じ目線に立って対話をし、生徒に気づきを与える教育」だと。同感し、小川先生とはこの方針を徹底しようと語り合いました。

一番うれしいことは、生徒が「明星で学んで●●大学に合格したからよかった」ではなく、卒業して20年、30年経ったとき「いまの自分があるのは明星での日々があったから」と言ってもらえること。そうした学校づくりを目指していきます。

福本先生からのメッセージ

編集者から見たポイント

見える学力と見えない学力、そして手塩にかける教育は、受験生保護者から多大な共感を得られるのではないでしょうか。福本先生の校長就任と時を同じくして始動するのが、高校の「スーパーMGS(SMGS)クラス」です。
SMGSクラスが目指すのは、東大・東工大・一橋大など最難関国公立大の合格。東大合格者を生み出してきた福本先生率いるこれからの明星に期待が膨らみます。

2020年イベント日程

イベント名 日時
第1回 中学校説明会
「大学入試進路速報&中学受験まるわかり」
5月16日(土)
14:00~15:00
第2回 中学校説明会
「中学校の先生と話す座談会」
6月20日(土)
14:00~15:00
オープンキャンパス&第3回 中学校説明会
「学年主任がありのままを語る」
7月26日(日)
第1回 高等学校説明会
「大学入試進路報告&明星の魅力」
7月18日(土)
14:00~15:00

※社会情勢を踏まえ、行事日程が変更される場合がございますので、必ず本校HPをご確認ください。

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:明星中学校・高等学校