大妻多摩中学高等学校
掲載日:
理数教育に力を入れる大妻多摩中学高等学校(以下、大妻多摩)では、約半数の生徒が主体的に理系分野を選択し、充実した学校生活を送っています。また、理系を選択した生徒にも海外留学を積極的に推奨し、大きな成長機会を提供しています。今回、理系クラスに在籍しながら留学を経験した高校2年生のお二人に、理系選択の動機や背景、そして留学中の体験や得られた手応えについてうかがいました。
S.H.さん
好きな教科 化学
留学経験:高校1年の夏休みにカナダのトロントに3週間
志望大学:明治大学農学部
A.K.さん
好きな教科 数学、物理
留学経験:高校1年の3学期にニュージーランドへ3か月のターム留学
志望大学:東京農工大学工学部
理系を選択した理由やきっかけについてお聞かせください。
S.H.さん
幼い頃から食べることが大好きで、「将来は食べ物に関わる仕事がしたい」と漠然と思っていました。学校のキャリア教育で「食品開発」という職業を知り、「これだ!」と思ったんです。さらに新商品の合否をプロが判定するテレビ番組を見て、その努力や工夫に感動し、「私も誰かの心に響くものを作りたい」と思うようになりました。そこで、「どんな大学で、どんな分野を学ぶべきか」を調べ、理系の道を選びました。
A.K.さん
父がエンジニアという影響もあって、機械をいじるのが好きで、幼い頃からコンピューターやプリンターなどを分解して遊んでいました。ある日、父が勤める会社を見学したことをきっかけに「エンジニアになりたい」と憧れたのですが、女性が少ないのが気になっていました。しかし、学校で紹介された、理系女性の活躍を紹介するイベントに参加して話を聞くうちに、「私にもできるかも!」と思ったんです。それで、理系の大学で専門的な知識を身につける必要があると考え、理系を選択しました。
お二人とも、将来を見据えての選択なのですね。実際に好きな科目、得意な科目も理系なのですか。
S.H.さん
私は化学、特に理論化学が好きです。計算して答えが出るとすっきりするし、「なぜそうなるのか」という理論やモデルを考えたり、先生から説明を聞いたりするのが楽しいです。”仕組み”を考えるのが好きなんだと思います。
A.K.さん
私は小学生の頃から算数、今は数学が得意で、最近は物理も好きになりました。授業での実験で、ただ暗記するだけだった公式が「こういう原理で成り立っているんだ!」と実感できた瞬間に、「楽しい!」と感じて一気に興味が湧きました。
将来や大学進学を見据えると、苦手な科目も克服する必要がありますね。
S.H.さん
そうなんです。食品に関する知識として「生物」も必要なのですが、化学に比べるとやや興味が薄く、勉強するモチベーションが低めでした。でも、少人数クラスで先生に質問しやすく、実験にもしっかり取り組めるので、どんどん興味が湧いて勉強が楽しくなってきました。
A.K.さん
ずっと苦手だったのは「国語」や「古文」です。志望校の国公立大学への進学には避けて通れないので不安でしたが、中学3年生のときに進路指導室の先生に学習支援アプリでの学び直しを勧められ、今も続けています。少しずつ成績が上がってきて、今ではかなり自信がつきました。
お二人は留学されたそうですね。なぜ留学してみようと思われたのですか。また、実際に行って、どんな発見がありましたか。
A.K.さん
留学の理由は、新しい環境に身をおいて自分を試してみたかったからです。大妻多摩は中高一貫で顔ぶれが変わらず、家族のようにすごく仲良くなれるんです。それはとても心地良いのですが、あえて全く知らない人や、バックボーンの異なる人の中で、自分の中の「積極的な面」を取り戻したいと思いました。実際、留学先ではさまざまな国から生徒が集まり、多様な文化や価値観に触れて戸惑うこともありました。それでも、ある日、ロングホームルームで思い切って自分から話しかけ、友達をつくることができたんです。その時、「踏み出せば、変われる」と実感し、自分にとって大きな一歩になりました。
S.H.さん
母が幼い頃にカナダのトロントに住んでいたので、いつかは現地を見てみたいと思っていました。そして、以前から興味のあった「食文化」について日本と海外の違いを体感したいと思い、留学のテーマにしたんです。それを伝えたところ、ホームステイ先のお父さんが料理好きで、食材や調理法などをいろいろと教えてくれました。印象的だったのは、日本では煮る・蒸す・茹でるなど調理法が多様なのに対し、カナダでは揚げる・焼くが中心であること。その分、油の使用量が多く、そうした食習慣が健康寿命に影響しているのではないかと感じました。
英語でのコミュニケーションはいかがでしたか。
A.K.さん
私は中学2年生の頃から「国際進学クラス」に所属し、ほぼ毎日英語に接しているので、抵抗はありませんでした。オンラインの英会話でも日本の文化や経済など、いろんなことを英語で話していたので、緊張はしても伝わらないことはないだろうと思っていました。でも、現地では「えっ、そうなの!?」とダイレクトに反応が返ってくるのが嬉しくて、画面越しでは伝わらないニュアンスも理解してもらえる。「伝わるって、こんなに楽しいんだ!」と感じ、英語を学ぶことへのモチベーションが急上昇しました。
S.H.さん
母が帰国子女で英語教師なので、日常的に英語に触れており、学校で週1回ネイティブの先生と話をするのも好きなので、むしろ現地で話ができるのがすごく楽しみでした。
留学の経験をこれからどのようにつなげていきたいとお考えですか。
A.K.さん
慣れない環境で、自分の積極性の使い方を体得したように感じています。オープンな雰囲気の中でも、現地の子との壁を感じたり、自分と異なる背景や価値観に触れたりして、お互いを知るために自分から働きかけることの大切さを実感しました。これからの学校生活や社会人となってからも忘れずにいたいと思っています。
S.H.さん
私は「食事の違い」をテーマにして、事前にアンケートを取るなど準備もしていったのですが、行ってみて気づくことが本当に多くて、ますます興味が湧きました。逆に日本の食文化の豊かさや健康面のメリットなどにも気付かされ、海外に向けてもっと発信したいと感じました。卒業後も自分のテーマとして取り組んでいきたいと思っています。
大妻多摩で特に気に入っているところ、おすすめのポイントなどを聞かせてください。
S.H.さん
学校生活で一番好きな時間は昼休みです。お昼を食べてから、大学の購買部で買い物をしたり、窓際に集まっておしゃべりしたり。校内が広く豊かな自然に囲まれているので、ちょっとした時間でもリフレッシュできるんです。通学路の「学園通り」も四季折々の風景が楽しめて、とても気に入っています。
A.K.さん
私は放課後の図書館と自習室でしょうか。2階が図書館で、3階の自習室まで吹き抜けになっていて、開放的で気持ちがいいんです。バドミントン部の練習後にちょっと寄ったり、試験期間はみんなで集まったりして勉強しています。窓の外に広がる緑の風景が心を落ち着かせてくれて、集中できるんですよ。
S.H.さん
私もダンス部の練習後に、最終下校まで1時間あったら必ず寄って勉強していきます。他のクラスや部活が違う子とも会えるし、みんなが勉強していると「私もやらなくちゃ」という気持ちになれます。
A.K.さん
中高一貫で1学年が160人という規模のためか、同学年はもちろん、先輩や先生とも距離が近く、すごく居心地がいいですよね。決して閉鎖的ではなく、「心のホームベース」のように、外の世界に飛び出して挑戦した後に、安心して戻ってこられる。それが大妻多摩の大きな魅力だと思います。

