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inter-edu’s eye

青稜中学校・高等学校は「生徒の学力を高め、思った以上の進路を実現する」ことで注目を集めている進学校です。
しかし、その魅力は大学受験への対応力だけに留まりません。新型コロナウィルスが猛威を振るう中、今年4月の段階でオンライン授業を全面実施。例年と変わらない学習成果を上げ、「新しい教育に挑戦する姿勢」に生徒・保護者からも信頼が寄せられています。さらに、本年度はストリートファッションの著名デザイナー・藤原ヒロシ氏の監修の下、新制服を採用しました。今回は9月に開かれた入学式のレポートと合わせて、変化を続ける青稜の現在に迫ります。

コロナ禍でも「人生の節目を大切に」9月の入学式にこめた思い

入学式のようす

9月17日、青稜は品川区立総合区民会館「きゅりあん」の大ホールで入学式を開催。政府の緊急事態宣言が4月に発令されたことを受け、2度の延期を経ての実施となりました。そこには、「コロナ禍でも人生の節目となる入学式を大切にしたい」という思いが込められています。保護者も参加し、広々とした館内でソーシャル・ディスタンスを保ちながら、お子さまの姿を見守ります。そして、校長の青田泰明先生は新入生183人とその保護者を前にして、こんなメッセージを投げかけました。

青田校長
青田校長

青稜は1938年の創立以来、「挑戦」を信念としてきた学校です。新入生の皆さんも、6年間しっかりと「挑戦」してほしいと思います。勉強や部活動に限らず、自分が真剣になれることなら何でもかまいません。どんな高い目標でも一歩踏み出せば道は必ず見つかります。最初の一歩を踏み出す勇気を育てていきましょう。
保護者の皆さま、青稜の教職員一同はお子さまの可能性を「期待する」のではなく「信じて」います。きめ細かく面倒を見て、時にはあえて冷たくも突き放し、全力を尽くして指導に当たります。

今回の入学式には、通常の4月に開催される入学式では見られない光景がありました。入学後、約5か月間をともに過ごしてきた新入生たちにはすでに友人関係が育まれ緊張感の中にも、とてもリラックスした表情を浮かべていたのです。4月からの学校生活への満足度の高さを強く印象付けられました。その背景には緊急事態の中の「オンライン授業の成功」があります。

オンライン授業でも例年並の学力を達成!次の一手も

今回、インターエデュは青田泰明校長にインタビュー。この春のオンライン授業と、その後もさらに続く教育改革ついてお話をうかがい、さらに話題の新制服についてもご紹介いただきました。

青田校長

新型コロナウィルス感染拡大以降、どのようにオンライン授業に取り組みましたか

青田校長

本年度までタブレット端末を1人1台というレベルでは配備できていませんでしたが、機器や通信環境などに関するトラブルは4月中にほぼ解決し、学習の遅れを出さず1学期を終えることができました。学習の定着度も例年と変わりありません。当時を振り返ると、現場の教職員から次々にオンライン授業に関するアイデアが上がったことが非常に心強かったです。そうしたスピード感と柔軟性のある組織だからこそ、ここまでの成果を上げることができたと考えています。

オンライン授業のようす

オンライン授業に取り組んだことで学校はどのように変わりましたか

青田校長

青稜独自のオンライン教育を構築できました。ZOOMによる授業はすでに当たり前になりましたし、宿題の配信だけでなく定期試験までオンラインを通してできるようになったほどです。しかし、部活動や行事をはじめとした体験機会は対面でないと提供できません。学校生活の中には学習以外のさまざまな価値がありますが、その部分を「どこまでオンラインに持ち込めるか」が問われていると感じます。

青田校長

今後、オンラインに関して取り組みたいことはありますか

青田校長

やはり新型コロナウィルス感染拡大が収まれば終わりとはいきません。今後、全ての学校はオンラインと対面による教育活動を組み合わせる方向に進むでしょう。青稜もより新しい教育を構築していきます。この4月からの本校の成長を踏まえると、さらに2・3段階上の教育モデルが実現できるのではないでしょうか。そう確信できる手ごたえは感じています。

「ストリートカルチャー×制服」著名デザイナー起用し、生徒の学校生活が変わる

オンライン授業での成功から学校の組織力、コロナ禍という緊急事態への対応力が強く印象付けられますが、もう一つの大きなトピックが「新制服」。こちらについてもうかがいました。

新制服のご紹介をお願いします

青田校長

新制服は本校が信念としている「挑戦」をコンセプトとしています。デザインはルイ・ヴィトンやモンクレールをはじめ有名ブランドで活躍しているファッションデザイナーの藤原ヒロシ氏が監修しました。同氏は日本におけるストリートカルチャーの第一人者で、新制服は一般的な学校文化に収まらない印象を打ち出すことができました。裏地などにも意匠が凝らしてありますので、ぜひ細かいところにもご注目ください。

男子制服女子制服

新制服の優れた点を教えてください

青田校長

まず、ジャケットを着てからフーディー、ジャージを合わせられるなど、着こなしの自由度が高いことが挙げられます。もちろん、一定のルールはありますが、生徒には服装を通して自分自身を表現してもらいたいです。ネクタイ・リボンも性別に関わらず選ぶことができ、女子のスラックス着用も可としました。

生徒さんからの反響はいかがですか

青田校長

期待した通り、さまざまな着こなしを楽しんでくれていて、非常に嬉しく思います。生徒たちは「ただ決められた制服を着る」という習慣から抜け出して、制服との新しい関わり方を見つけられたようです。青稜の学校文化を将来に向けて一歩進めることができたという手ごたえを感じています。

フーディー、ジャージ

青稜は「挑戦する勇気が生まれる学校」受験生へのメッセージ

最後に、教育活動の中で大切にしていることを聞き、受験生へのメッセージを頂きました。

青田校長

教育活動の中で大切にしていることを教えてください

青田校長

卒業後の進路に関して、「妥協させず、少しでも高い目標に挑戦させること」です。今後も生徒がモチベーションを高く持ち、挑戦する学校環境を目指し続けます。そのために心がけていることは「生徒を信じて待つこと」です。本校は学習指導に力を入れていますが、手取り足取り面倒を見るだけでなく、あえて突き放し、自力で学ぶ姿を見守ることも大切にしています。

受験生へのメッセージをお願いします

青田校長

青稜は変化を続けている学校です。校則や設備も生徒の意見を聞き、将来を見据えながら新しいものにしてきました。「過去に囚われず、何かを変えていきたい」という気持ちがある方にはピッタリだと思います。最後になりますが、私は「皆さん一人ひとりには無限の可能性があり、それは必ず花開く」と信じています。青稜は皆さんが一歩踏み出す勇気を持てるように、また、さまざまなことに挑戦できるように全力でサポートします。

校舎外観

編集者から見たポイント

オンライン授業の成功からも分かるように、青稜は非常に学習指導が手厚い学校です。しかし、面倒見のよさだけでなく、将来を見据え教育改革に取り組む熱意、子どもを信じる姿勢も大きな魅力ではないでしょうか。

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:青稜中学校・高等学校