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inter-edu’s eye
聖書に基づいた人格教育を重視する玉川聖学院中等部・高等部(以下、玉川聖学院)。1950年の創立以来、「信仰・希望・愛」をモットーに世界をつなげる心を育てる女子教育を進めています。今回は、玉川聖学院の根幹となる個を尊重した女子教育に注目。ダイバーシティ(多様化)社会といわれる現代ではぐくみたい女性像について高等部教頭土屋くによ先生、中等部教頭笠井洋子先生にお話をうかがいました。
まずは玉川聖学院の教育について教えてください。
笠井
先生
キリスト教に基づいて教育を進めています。具体的には、命は神様から与えられたものであり、一人ひとり違っていてよいという考えです。
自分自身がかけがえのない存在であるということを伝えていくのが私たち教員の使命だと考えています。
土屋
先生
一人ひとりがありのままの自分でいられる。当たり前ですが、生き生きとできる場所が学校であってほしいと考えています。みんなが自分らしさを発見できる教育が玉川聖学院には浸透していると感じます。
教育を進めていくうえで大切にしていることを教えてください。
土屋
先生
一番大切にしていることは、毎朝と帰りの礼拝です。礼拝は、神様からの愛を受け取っていく場であるという共通認識を持って毎日行っています。
笠井
先生
私も礼拝だと考えています。愛されている存在、つまり自分自身を肯定していいと感じられるのが礼拝です。自己肯定感を土台にしてさまざまな学びを積み重ねていくことが大切だと考えています。
女子教育を進めてこられたお二人だからこそ感じる、今の日本の社会へのお考えを教えてください。
土屋
先生
女子は「ここで頑張れる」という安心感が得られたときに、最大限の力を発揮することができるのですが、今の日本社会に安心感が得られる環境があるのかと考えると、まだ十分ではないと感じます。
笠井
先生
数字など目に見えるものにこだわる男性に対し、女性は共感力や命、思いやりにこだわる特性があると感じます。しかし、男性側の視点が多く存在する今の社会では、サービスや商品を作る際、女性側の視点で考えられていない現状があるのではないでしょうか。これからは、女性側の視点も必要であることを生徒たちに伝えていきたいですね。
女性がダイバーシティ(多様性)を求める動きが加速していますが、どのように感じていますか。
笠井
先生
女性は生き方そのものが多様です。だから多様性を受け入れる素地はもともとあると考えています。また、子どもを産む・産まない、子育てに専念・働きながら子育てするなどたくさんの選択肢がある中で、選んだ道に対して責任を持って歩むことが求められます。自立して、他者を認められる社会が大切だと感じます。
土屋
先生
玉川聖学院では、ダイバーシティが社会で叫ばれる前から「違っている者同士が認め合うということは当たり前」という校風があります。多様性というのは有効に使える人材という意味ではなく、いろいろな違いや考え方があり、だからこそ発見や協力があるということだと考えています。生徒たちは、日々の学校生活、行事などの体験を通して多様性の意味を肌で学んでいると思います。
玉川聖学院では、どのような女性を育てたいと考えていますか。
笠井
先生
説明会で同じ質問をされたとき理事長が「わきまえのある女性」と即答していたのですが、まさにそのとおりで、その時々で取るべき態度が取れることが大切だと考えています。命を大切に、困っている人に手を差し伸べられるような女性に育てていきたいですね。
土屋
先生
それに加えて、挨拶など基本的なことはしっかりできる女性になるように指導しています。
最後に教育内容についてうかがいます。ダイバーシティ社会を生き抜く女性に育てるために、玉川聖学院では、具体的にどのようなプログラムを取り入れているのでしょうか。
土屋
先生
学びの中の様々な機会で「書く」という作業を大切にしています。自分の意見を頭の中で整理し、書きあらわし、それを伝え、聴き合って互いの意見を受け入れる。こうした機会が自分を知るきっかけになります。中学修了論文もその一つです。自分でテーマを選び調べていく中で自分が進みたい道を見つけていきます。論文がきっかけとなり進路を決めた生徒も多いです。
笠井
先生
終礼も個性を大事にする教育の一つです。自分の体験をみんなの前で話す時間を設けています。また、高等部で週2時間行われる「総合科・人間学」という本校独自の授業も、自分を知るうえで大切な時間です。
土屋
先生
高齢者施設を訪問し、年代が違う方とのふれあいも大切にしています。この訪問がきっかけとなり福祉系や看護医療系に進む生徒もいます。
「総合科・人間学」とは
「人間とは何か」をキリスト教の人間観を土台にして問いかける総合学習授業。高1では、「自分とは何か」に向き合うことがテーマで、高齢者施設の訪問や障がい者との関わりを通して様々な関係性を生きる人間存在を考えます。高2では、自分の人生を四季にたとえ、与えられた課題に取り組みながら生きることの意味を深めます。
ダイバーシティ社会を生きるということは、多様な人々と接することも意味していると思いますが、それを想定した教育的な取り組みは行われていますか。
笠井
先生
中3のオーストラリア修学旅行や15か国以上の人たちと交流を深める行事「インターナショナルデイ」を通していろいろな国の人や文化と触れ合う機会を設けています。また、世界で活躍している人たちをゲストに招いた講演会も開き、視野を広げる活動を進めています。
これから入学を考えている児童、保護者にメッセージをお願いいたします。
土屋
先生
玉川聖学院は、みんなが安心して学べるところです。どの学年の生徒も「自分たちが一番先生たちに愛されている」と言っているほど、愛されていることを実感できる学校です。一度足を運んでその雰囲気を感じてもらえたらうれしいです。
玉聖アクティブプログラム
「地球共生」「人間社会」「サイエンス」「芸術・メディア」「言語コミュニケーション」の5つのテーマに分類された体験学習プログラム。心と体で学んだ直接的な経験は将来の夢、進路につながっていきます。
地球共生プログラム | 地球に生きる者としてお互いの異文化を理解し、共に生きる道を学びます。 |
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人間社会プログラム | 人間の心と体の調和の大切さを理解し、豊かで住みやすい社会をつくる力を身につけます。 |
サイエンスプログラム | 数学、理科など自然科学分野の学びを試験や体験や少人数での学びを通して深めます。 |
芸術・メディアプログラム | 人間の感性の豊かさを知り、様々な形での情報の伝達の方法と技術を学び、体験します。 |
言語コミュニケーションプログラム | 言語によって心が通じる関係性を体験しながら、よりよい相互理解に役立つコミュニケーションの手法を身につけます。 |
成人式礼拝
成人を迎えた卒業生が成人式後に学校に集まり、晴れ着姿で礼拝を捧げる恒例行事。玉川聖学院では学校や先生に愛着が強い卒業生が多く、この行事も卒業生の自発的な集まりが恒例化したものです。
普段から、大学生活や就職活動に悩む卒業生が先生を頼り、頻繁に玉川聖学院を訪れます。学びの中で自己肯定感を高め、一人ひとりが自分に合った夢や目標を見つけることができる玉川聖学院の環境だからこそ、卒業生にとっても「帰る場所」として心の拠り所であり続けています。
学校説明会
日時 | イベント名 | 内容 |
9月28日(土) 14:00〜16:30 | 玉聖ウォークラリー | 受験生は玉聖ウォークラリーを体験できます。保護者の方には学校説明会を行います。 |
10月19日(土) 10:00~12:00 | プレミアム説明会 | 学院長による学校紹介。5組限定です。 |
11月1日(金) 10:00〜11:30 | 中等部学校説明会 | 学校方針・入試・進路結果について説明します。 |
その他の
イベント
日時 | イベント名 | 内容 |
9月14日(土) 10:00~16:00 9月16日(月・祝) 9:30~15:30 |
学院祭 | 生徒による企画展示や各部活動による発表などを実施します。 |
10月15日(火) 10:30~12:30 | オープンスクール | 校内見学と授業見学が可能です。 |