4月大手四模試受験者数による、2020年中学入試動向の検証

inter-edu’s eye
昨年2019年の中学受験は、中学受験者数、比率ともに上がったため激化したのではないか、と「2019年中学受験はどうだった? 中学受験比率からみる動向」でお伝えしました。また、2020年も2019年と同様の中学受験比率になるのでは…という予想もしています。今回はその予想を検証するため、4月に行われた大手四模試の結果をもとに、森上教育研究所アソシエイトの小泉壮一郎氏に分析いただきました。

2020年中学受験者数比率は、昨年と同様もしくは微減の予想

下記【表1】 は、「小6人口」「中学受験比率」「受験者数」の前年対比において、昨年度の低めの予想と実績、2020年の標準の予想と、低めの予想を2019年2月に作成したものです。

【表1】2020年中学入試予想(2019年2月時点)

小6人口 前年対比 中学受験比率 前年対比 受験者数 前年対比
2019 低め予想 103.5% 102.4% 106.0%
2019 実績 103.5% 101.5% 105.0%
2020 標準予想 101.1% 100.0% 101.1%
2020 低め予想 101.1% 98.6% 99.7%

2019年は、「小6人口」「中学受験比率」から、「受験者数」前年対比を106.0%と予想しました。対して実績は、「小6人口」は予想通りでしたが、「中学受験比率」「受験者数」は予想よりも低い結果となりました。

昨年と同様の方法で、2020年を予想しました。「小6人口」の前年対比は、昨年の小5人口の数値をもとに計算したところ、101.1%の予想となりました。「中学受験比率」の前年対比は、標準予想で横ばいの100.0%、低め予想では2018年のレベルに戻る98.6%の微減と予想しました。 これを下記【グラフ1】の推移グラフで見てみましょう。標準予想が13.9、低め予想が13.7となります。
「受験者数」は、標準予想の101.1%から受験者数を40,080名と予想しましたが、より精度を上げるため、4月に行われる大手四模試の受験者数で検証したいと考えました。

【グラフ1】2020年入試標準予想 受験者数と中学受験比率

2019年中学入試動向の検証

※「グラフ1」は、東京・神奈川の中学が一斉に試験日初日を迎える2月1日の受験者数(私立のみ)を一都三県の公立小学校の卒業者数で割り、100を掛けたもの。つまり、公立小学校の6年生100人のうち何人が私立中学を受験したかを示す数値です。

2019年4月の四模試を踏まえた2020年入試の見通し

【表2】 は、2019年4月四模試における首都圏の受験者数を集計したものです。

【表2】2019年4月の四模試受験者数及び前年比

合計 2019年4月 前年度 前年比
日能研 11,297 11,074 102.0%
首都圏模試 8,289 9,819 84.4%
四谷大塚 13,077 12,983 100.7%
三模試計 32,663 33,876 96.4%
サピックス 6,670 6,237 106.9%
四模試計 39,333 40,113 98.1%

首都圏では四模試を受験する受験生がほとんどなので、上記【表1】を検証できると思います。 例年、四模試の受験者数で翌年の中学入試動向を分析しています。4月の四模試は、11月に実施される四模試と比べると受験者数が少ないので精度は若干低いですが、大幅な差異は生じません。

2019年4月の四模試受験者数39,333人となり、前年対比98.1%と1.9ポイントの減少となりました。【表1】の「2019低め予想」の99.7%よりも低いことがわかります。
受験者数前年対比が98.1%と低くなった要因は何でしょうか。【表2】で見てみましょう。それは「首都圏模試」の受験者数が大幅に減少によるものだとわかります。それ以外の三模試は微増または増加となっています。特に、サピックスは、前年対比106.9%の大幅な増加となっています。

4月四模試の受験者数は、サピックスの大幅な増加と首都圏模試の大幅な減少という二極化となっています。4月の四模試では受験者数が1.9ポイントの減少となりましたが、特に東京都で小6人口が増加しているので、首都圏模試も9月には増加し、【表1】の2020年標準予想の101.1%の予想になると思われます。

著者:森上教育研究所アソシエイト 小泉壮一郎

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