将来像が明確に描ける“大学連携”のキャリア教育

表現力×英語力で未来を切り開く

inter-edu’s eye

今回は幅広い分野で活躍する卒業生を輩出している女子美術大学付属高等学校・中学校(以下、女子美)のキャリア教育に注目。『キャンパス見学会』や『アトリエ訪問』など、女子美術大学と連携して行われている取り組みの目的やその成果について、参加した生徒の声を交えて詳しくご紹介します。

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大学の付属校だからこそできる多様な取り組み

女子美では生徒が大学に赴き、自らの進路や将来について考える機会を多く設けています。 高校1年生が参加する『キャンパス見学会』では、女子美術大学の相模原・杉並の両キャンパスを1日ずつ訪問し、大学の雰囲気や2つのキャンパスの魅力を体感します。
高校2年生になると、教授や助手から学科や専攻の特徴、アトリエの様子などの説明を受ける『アトリエ訪問』を行います。訪問できるアトリエの数は限られているため、生徒は悩みながら訪問先を絞り込みます。そして、見学後には、事前に準備した質問で自主的に取材を行い、大学への理解を深めます。

アトリエを訪問し、大学生の様子を真剣に見つめる生徒たち。
アトリエを訪問し、大学生の様子を真剣に見つめる生徒たち。

このようなキャリア教育を受け、生徒自身はどう感じているのでしょうか。今回は『アトリエ訪問』を終えた高校2年生の生徒たちにアンケートを実施。以下の項目から、自身の進学や夢に関する本音を探りました。

・アトリエ訪問を行う前と後で、大学に対するイメージは変わりましたか?
・アトリエ訪問に参加することで自身の描く将来像に変化はありましたか?
・今、熱心に取り組んでいることはありますか?
・現在の夢や、職業に対する考え方について教えてください。

大学の真の姿を知り、進路が明確になる

まず、大学に対するイメージですが、「アトリエ訪問の前と後で大きく変わった」と答えた生徒がほとんどでした。特に目立ったのが、「1つの学科で取り組めることの幅広さに驚いた」という回答です。大学では中学・高校よりも狭い分野を深く掘り下げて学ぶイメージを持っていたようですが、実際に授業や課題の内容を見ることで、さまざまな分野に挑戦できると実感したようです。また、自分のブランドを立ち上げて洋服を制作するなど、個性豊かな創作活動を行う大学生を目の当たりにし、「私も自分の世界をもっと広げていきたい」と感じた生徒が多く見られました。

自身の将来像に関しては、「アトリエ訪問をすることで漠然としていた将来像が明確になった」という回答が多く返ってきました。「悩んでいた志望学部が決まった」「志望学部で学ぶことが自分の将来就きたい仕事につながると確信できた」「夢を叶える可能性をより高めるため、外部受験も視野に入れることにした」など、進路を選択していく上でアトリエ訪問が大きな参考材料となっているようです。

実際にアトリエの中に入り、大学について説明を受けている様子。
実際にアトリエの中に入り、大学について説明を受けている様子。

「今、熱心に取り組んでいること」の回答は、「絵」や「美術」がほとんどでした。「作品制作を通して感じるうれしさも悔しさも全部バネにして成長したい」「授業に集中して取り組み、絵に磨きをかけたい」といった美術に対する想いがアンケートの回答から強く伝わってきました。 現在の夢や職業に対する考え方については、デザイナーやCG制作、女子美の教員など、具体的な職業が挙がる一方で、「職業は社会貢献をするためにあるものだと思っているので、人々を笑顔にできる仕事がしたい」「夢や仕事は第2の学校。社会に出てからもどんどん新しい知識を身につけて活躍したい」といった回答がありました。
女子美がただ受験勉強の指導をするのではなく、生徒一人ひとりが想い描く夢や職業を大切にし、なりたい自分になるための力を養うことを意識したキャリア教育を行っているからこそ、高校2年生の時点でこれほど仕事や将来に対する考えが深まっているのではないでしょうか。

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美術と勉強を両立させ、自信を持って進路が選べる環境

アトリエ訪問の目的や、訪問前後での生徒の変化などについて、進路部主任の中村幸喜先生にお話をうかがいました。

中高に隣接する杉並キャンパスと、大きな公園に囲まれた相模原キャンパスを持つ女子美術大学との密接な連携は大きなアドバンテージになります。
中高に隣接する杉並キャンパスと、大きな公園に囲まれた相模原キャンパスを持つ女子美術大学との密接な連携は大きなアドバンテージになります。

中村先生:アトリエ訪問は大学への理解を深め、大学卒業後にどのような活躍ができるのかを具体的に知り、将来像を明確に描くことが目的です。
「油絵や日本画を専攻したいが就職先が心配」と悩んでいた生徒が卒業生の具体的な就職状況を聞いて安心できたり、志望学部への想いが一層強くなり成績を伸ばす努力をするようになったりと、アトリエ訪問は生徒によい影響をもたらしています。

生徒の70%強が女子美術大学・短期大学部、20%弱が他の美術系大学へ進学する本校ですが、美術だけでなく、学業にも注力しています。平成30年度からはタブレットを導入し、オンライン英会話などで英語力の向上を目指します。また、放課後の補習や追試など、授業外の学習サポートも手厚いです。
お互いの個性を認め合う環境で育った女子美生は、社会に出ても臆することなく、自分の意見やアイデアを発することができるようです。このような資質はこれからの社会でより求められるものだと思います。中高大が連携したキャリア教育を行い、物事をポジティブに捉えて楽しさややりがいを自身で見つけることができ、いつも輝いている女性になれるよう、生徒を育てていきます。

幅広い分野で活躍する女子美卒業生たち≫

編集者から見たポイント

世界でも数少ない中高大一貫の美術教育を実現する女子美。アトリエ訪問に関するアンケート回答はどの生徒も丁寧にびっしりと書き込んであり、夢に向かう熱量に驚かされました。社会のあらゆる領域で活躍する卒業生を輩出している理由がわかったような気がします。

イベント日程

イベント名 日時
中高共通 公開授業 9月29日(土) 8:35~12:40
中高共通 公開授業 10月6日(土) 8:35~12:40
女子美祭 10月27日(土)・28日(日) 10:00~17:00
詳細とお申し込みはこちら≫

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