“表現力×英語力”で未来を切り開く女子美の英語授業

表現力×英語力で未来を切り開く女子美の英語授業

inter-edu’s eye

前回の記事では、校長の石川康子先生に、現代における美術教育の重要性や英語力強化に取り組むカリキュラムについてうかがいました。今回は、実際に女子美術大学付属高等学校・中学校(以下、女子美)では、どのような英語教育が行われているのか、中学1年生の授業を見学して、英語科主任の佐野佳子先生に女子美の英語についてお話をうかがいました。

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世界に羽ばたく女子美生に必須の英語力

英語の楽しさを伝えるために工夫を凝らす佐野先生
英語の楽しさを伝えるために工夫を凝らす佐野先生。

インターエデュ(以下、エデュ):女子美が英語教育に力を入れている意図についてお聞かせください。

佐野先生:現代社会は人工知能(AI)などの進化により新しい時代を迎えつつありますが、そうすると今まで存在しなかった新しい問題にも直面することになります。未知の問題に挑戦するとき、美術を通して育んだ豊かな想像力や自分を表現する力が必ず役に立つと思います。それに加えて、今の世の中はグローバル化が進んだ結果、地球全体が活動の場所となり、英語が世界標準のコミュニケーションの手段となりました。つまり英語が話せるということは、世界中で通用するということです。本校生徒の優れた想像力と表現力に英語力を加えることで、生徒たちの活躍の場が世界に広がることを意図しています。

エデュ:生徒に英語を教えるにあたり、どんなことを心がけていますか?

佐野先生:教科書に出てきた表現を教えて終わりにしてしまうのではなく、知識を使って実際に話す授業をカリキュラムに組み込んでいます。また、基本的には教科書に準拠した内容ですが、テキストに芸術家を登場させるなど美術の要素を加えることもあります。

エデュ:女子美生にはどのような英語力を身につけてほしいですか?

佐野先生:実際に使えるコミュニケーション能力ですね。女子美では毎年、東京都美術館で卒業制作を展示していますが、外国人の方が来場して作品について生徒に尋ねることがあります。まずはそのような状況で、自分の作品について英語で説明できることを目指し、最終的には大勢の前でプレゼンできるようになることが目標です。

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英語と美術の融合に生徒も興味津々

美術の要素を盛り込んだ女子美らしさを感じる授業
美術の要素を盛り込んだ女子美らしさを感じる授業。

エデュ:本日見学した授業は佐野先生とネイティブの先生の2人体制でしたね。

佐野先生:授業の前半は生徒同士でペアを組んで日常会話の練習をしましたが、後半では「ブラシ」や「イーゼル」など美術に関係するものも登場させて会話の練習をしました。
中学生の英語教育は、生徒の成長段階に合わせた難易度が大切だと思います。中学1年生であれば英語に興味を持ってもらうことが目標です。そのために今回は、生徒にとって馴染みのある美術道具を題材にしましたが、他にもアニメーション作品を用いたり、有名な絵画にまつわる話をすることもあります。英語を好きになるきっかけを作るために、教材や授業を工夫しています。

エデュ:女子美生からはどのような授業が求められていると感じますか?

佐野先生:最初は“楽しさ”が大切だと思います。美術・行事・部活などは好きだからこそ熱中することができるので、まずは楽しいというところから英語を好きになってもらいたいです。その次に、将来自分の作品をつくるにあたって英語が役立つという気づきを与えて、やる気を引き出せればと思います。例えば卒業生の中には、英語で美術を教えられるようになりたいという夢や、自分の作品を世界に届けたいから英語を頑張るという目標を掲げる人がいます。

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オリジナル授業やオンライン英会話も検討中

ネイティブの先生から丁寧な指導を受ける生徒たち
ネイティブの先生から丁寧な指導を受ける生徒たち。

エデュ:英語に関しての新しい取り組みなどはありますか?

佐野先生:まだ検討中の段階ですが、美術を英語で学ぶ女子美オリジナルの授業を計画しています。美術作品を自ら解説するということを目標にしたときに、やはり専門的な美術用語などの知識が必要になりますので、そのための語彙力をつけることができればと思います。その他には対話の授業を増やしたり、少人数制の授業を取り入れたいと思っています。
また、高校生にはオンライン英会話の導入も検討中です。ねらいとしては、美術に偏ることなく日常会話の瞬発力を鍛えることと、自分の英語が実際に伝わることを感じてもらい自信を持たせることです。

エデュ:最後に、女子美への入学を目指すみなさんにメッセージをお願いします。

佐野先生:女子美に入学した生徒たちは、大好きな美術に囲まれて学校生活を送り、充実した毎日を過ごしています。私も英語科担当として、みなさんの好きな美術を交えつつ、楽しく学べるように工夫を凝らしています。ぜひ女子美生として、美術も他の教科も楽しく学びながら一緒に成長していきましょう。

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編集者から見たポイント

今回見学した授業では、ネイティブの先生にも気後れすることなく積極的にコミュニケーションをとる女子美生の姿が印象的でした。また、佐野先生の手作り教材、さまざまな美術道具の写真が入った「女子美バッグ」に歓声が上がる一幕もありました。女子美生の個性豊かな表現力と世界で活躍するための英語力は、このように養われていくのだと感じました。

イベント日程

イベント名 日時
夏期講習会(中学3年生対象) 7月26日(木)~28日(土)
美術のひろば:「描く」「つくる」などの体験教室 8月6日(月)・8月7日(火)
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