国立・私立小学校インタビュー

今しかできないことが将来の財産に! お茶の水女子大学附属小学校

inter-edu’s eye
第2回では、都内の国立小学校の中でも屈指の高倍率を誇る人気校。お茶の水女子大学附属小学校の池田全之校長、神戸佳子副校長にインタビュー。学校全体だけでなく、それぞれの教育に対する考えや思い、そして普段なかなか聞くことのできない受験生へ求めるものなどをうかがってきました。

学校データ

学校名 お茶の水女子大学附属小学校
男子・女子・共学 共学
所在地・アクセス 東京都文京区大塚2-1-1
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅より徒歩7分
教育目標 自主協同
制服の有無
給食の有無

初等教育で学ぶ哲学とは?

子ども中心主義の教育から学ぶこと

お茶の水女子大学附属小学校1
左が神戸佳子副校長、右が池田全之校長

エデュ:まずは貴校の教育目標を教えてください。

池田校長:本校は戦前から数えて来年で140周年になりますが、「子ども中心主義」の教育を行っています。学校目標は「自主協同」、これがすべての本校の教育の根幹になっています。言葉でいうと「自分で考えて正しく判断し、進んで行動する子の育成」、「自然と人間を大切にし、情操の豊かな子の育成」、「健康で、気力体力が充実し、意志の強い子の育成」になります。教師が一方的に情報を与えるのではなく、子どもたち自身が必要、やりたいと思ったことを学んでいこうという傾向があると思っています。

エデュ:貴校は「教育研究校」として様々なカリキュラムを展開していますが、その中でも特色のあるものを3つ教えてください。

神戸副校長:1つ目は、幼稚園からの低学年教育の接続を意識した「低学年課程教育」。
2つ目は、3年生以上から始まる、子どもたちが日常で疑問に思っていることを、皆で話し合う「てつがく」科。
3つ目は、中学年以上になりますが、子ども一人ひとりがテーマを決めて、それに対して調査・発表する「自主学習」です。

エデュ:「てつがく」科という言葉は聞きなれないものですが、どのようなことを学ぶのでしょうか?

池田校長:哲学というと難解なテキストを読むようなイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。例えば「夢ってなんだろう?」、「強いってどういうこと?」など子どもが日常で感じた素朴な疑問について、子どもたち同士が思っていることについて話し合っていきます。そうすることにより、漠然としたイメージのものを他者との会話の中で、深めたり、自分の考えの狭さに気づいたり、自分の意外な一面を見つけることができます。

エデュ:新しい学びを見つける場でもあるわけですね。

小学校で学び身につけてほしい2つの力

知識はいずれ変わる可能性も

お茶の水女子大学附属小学校2

エデュ:学校生活で、子どもたちの成長を一番感じる時を教えてください。

池田校長:先ほどの「てつがく」科でお話しすると、カリキュラムが始める3年生の時は、どうしても似たような意見が出てくることがあります。でも徐々に学年が上がるにつれて、考え方が変わってくるのを見ると、子どもたちは色々なものを吸収して成長しているなと感じますね。

神戸副校長:テーマに対して「本気で考える」ことです。当初取り入れた時は、教員も「これは難しいのでは?」と心配する声もありました。でも実際やってみると予想以上にうまくいっているなと感じています。これは低学年から行っている、「他者と同じである必要はないけど、話し合いの中でお互いを理解し、違ったものを受け止め、自分の考えを表現できること」である自主協同の教育の賜物だと思っています。

エデュ:子どもたちが大人になったときに、身につけていてほしいものは何でしょうか?

池田校長:土台となる部分の「頭の使い方」です。これは保護者様にも話すことですが、いくら知識を学んでも学問が進むにつれ、ひっくり返ってしまうことがあります。どんなに周りが変わったとしても「頭の使い方」さえ身につけておけば、将来何が起ころうとも生きる糧になります。皆様もそうだと思いますが、時計がいつ読めるようになったのかって覚えていませんよね? でも確実に小学校で教わっているはずなんです。つまり小学校の知識は、記憶の底に沈んではいますが、将来生きていくうえの基本的な知識になっています。ここの土台を固める教育をしっかり学び、身につけてほしいと思っています。

もう1つは「市民性」です。これに関しては、異質な他者と共生していって、文化・価値を見つけだして、作り出していけるような「シチズンシップ教育」を通し、子どもたちに教えています。

人気校が受験生に求めるのは…

特別な力ではなく、愛情のある家庭で育った子

お茶の水女子大学附属小学校3

エデュ:これから貴校を目指す受験生やご家庭に求めるものは何でしょうか?

池田校長:国立小学校というと敷居が高く、ベールに包まれていると感じるご家庭も多いと思います。ただ、正直申し上げますと、特別な力を身につけた受験生は求めていません。小学校受験をするのが、5~6歳ですが、この年齢で何か特別な力を身につけさせるのは無理があります。それよりは愛情のある家庭で、「自分は大事にされている、価値がある人間なんだ」と思って受験しに来られる方を私たちは求めています。なぜならこういった気持ちはすべてのエネルギーになるからです。

エデュ:最後に受験を考えているご家庭へ向けてメッセージをお願いします。

神戸副校長:幼児教室などに通っていると、「周りの子どもができるのにうちの子だけできない…」。と心配になってしまう方が多いと思います。こういうお母さまには「15年後のお子さまの姿を考えてください」とアドバイスしています。例えば今かけ算ができなくても15年後にはできるようになっているので、気持ちは分かりますが慌てなくても大丈夫です。それよりは子ども期にしか経験できないこと、例えば砂場で鬼ごっこをさせてあげたり「今しかできないこと」を通し、学ぶことを大切にしてほしいですね。

編集部から見たポイント

子どもたちに対して、一方的に知識を与えるのではなく、「てつがく」科などで子どもたち同士が話し合い、そこから新しい発見をする教育はまさに自主協同の教育目標に則していると感じました。初等教育の最先端、お茶の水女子大学附属小学校には今後も注目していきたいところです。


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