一人ひとりを丁寧に育てる「手縫いの教育」 光塩女子学院初等科

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第33回では東京都杉並区にある光塩女子学院初等科校長の影森一裕先生にインタビュー。閑静な住宅街に佇む女子校でどんな教育を行なっているのか。育てたい人物像などをうかがってきました。

「人を大切にする人を育てる」小学校

「手縫いの教育」とは?

光塩女子学院初等科1
光塩女子学院初等科校長 影森一裕先生。

エデュ:まずは貴校の教育の特徴を教えてください。

影森先生:本校はカトリックのミッションスクールとして「神様の愛を伝える」ことをミッションとしています。神は私たちを愛し、この世に命を与えてくれました。それに対して私たちは、神に感謝し、神を愛し、同時に神が命を与えてくれた「人」を大切にしなければなりません。そのような意味から、「人を大切にする人を育てる」ことが本学院の大事なミッションであり、教育の大きな特徴になっています。

教育体制としては、1学年2クラスを3~4名の教員が共同で担任して、1人の児童をさまざまな角度から見守る「共同担任制」。そして1年生から全教科を、その教科を専門にする教員が指導する「教科専任制」があります。

昔から本校では「手縫いの教育」と呼んでいますが、この2つの体制により、一人ひとりの個性を引き出し、丁寧に育てていくことができます。

エデュ:「手縫いの教育」。丁寧に育てていることが伝わってきますね。その中で特色のあるカリキュラムを3つほど教えてください。

影森先生:1つ目は「倫理教育」です。これは倫理科の教員と担任とのティームティーチングにより、全学年を通して命の大切さや、「人は誰でも光と塩のように、なくてはならない存在」、「あなたはあなただから価値がある」ことを学んでいきます。

2つ目は「理科教育」です。本校では教科書ではなく、長年にわたる実践を通じて培われた600枚以上の独自プリント教材を使って学習を進めます。また、仮説実験授業によって、知識と論理的な思考力を養っていきます。小さな学校の割には将来理系に進む子どもが多いです。

3つ目は「英語教育」です。ネイティブの教員と日本人の教員が2人1組になり、英語を話し、聞いて、理解したいという意欲をもって実践する力、すなわちコミュニケーション能力を身につけられるように指導しています。4年生からは同じ経営母体(ベリス・メルセス宣教修道女会)を持つスペインのベラ・クルス校と英語で交流をしています。また課外ではありますが、3年生以上の希望者にスペイン語の指導もしています。

行事から学ぶ「奉仕」と「おもてなし」の心

創立当初から続く「親睦会」

光塩女子学院初等科2

エデュ:子どもたちに人気のある行事を教えてください。

影森先生:「親睦会」と呼ばれるバザーが一番人気があります。これは光塩高等女学校創立当初に始められ、初等科だけではなく、中高を含めた全学院で行っているのですが、5・6年生は大事なお仕事があります。5年生は日本ユニセフ協会の方による出張授業を受け、募金活動を行い、「奉仕」の意識を育んでいきます。 6年生は「こどもコーナー」、「ビンゴコーナー」、「わなげコーナー」の3つのコーナーを出します。全学院の生徒だけでなく、卒業生や保護者の方々が楽しく過ごせるようにおもてなしの心で1日を過ごします。

エデュ:学校見学でここに注目してほしいというところはどこでしょうか?

影森先生:2つあります。
1つ目は「授業」です。授業内容はもちろんですが、授業に向かっている子どもたちの真剣な姿はぜひ見ていただきたいです。

2つ目は「休み時間の様子」です。本学院は公開授業のアンケート結果で、保護者様から「光塩女子学院の生徒さんも外で遊ぶのですね」というお声をいただくほど、勉強ばかりさせている学校というイメージがあります。でも実はそんなことはなくて、休み時間は子どもらしく、外で元気に遊び、終わったら授業に集中。メリハリをつけています。ここをしっかり見ていただきたいと思っています。

エデュ:メリハリをつけるために工夫されていることはありますか?

影森先生:すべての授業の前に必ず「瞑想」を行っています。瞑想を行うことで、「ここからは勉強に集中する時間」と気持ちを切り替えさせています。

エデュ:現在、共働きのご家庭が増えていますが、何かサポートとして行っていることはありますか?

影森先生:「注文弁当」を用意しています。前日の夜9時までにインターネットから注文するシステムになっていますが、栄養バランスが考えられ、無添加で手作り、しかも毎日食べても飽きないように日替わりの弁当なので、非常に人気が高いです。現在、全学年500名ほどいますが、普段は100~120名。多いときで200名の子どもたちが利用しています。

エデュ:働くご家庭にとっては強い味方ですね。

受験するご家庭に求めることは?

光塩女子学院が持つ2つの理想像

光塩女子学院初等科3

エデュ:貴校を受験するご家庭の理想像などはありますでしょうか?

影森先生:1つにはどちらか一方ではなく、ご両親が互いに協力してお子さまの教育にあたっているご家庭。そしてもう1つは子どもの意見を尊重できるご家庭ですね。子どもには1つの人格があります。親御さんの思いがあるのはいいのですが、それをそのまま押し付け、型にはめてしまうのではなく、しっかり意見を受け止め、尊重してあげることが大切です。

エデュ:貴校の教育を通し、 将来こういう大人になってほしいという人物像を教えてください。

影森先生:本校には「ロウソクの、自らは燃えて他を照らし、塩の、自らは溶けて味をつけるように、本物の愛に生かされた成熟した女性に育つこと」という理念があります。自分を必要としている人たちに対して、働きかけたり、助けたり、手を差し伸べることができる大人になってほしいです。

エデュ:最後にこれから行ってみたい取り組みを教えてください。

影森先生:近年中に行いたいのは「ICT機器の導入」です。現状、1学年分のタブレットはありますが、これを3年間で全学年に導入するので、それを活用していきたいと考えています。

あとは本校は見たり、聞いたり、触れたりする実体験が少ないと感じていますので、ここをもっと取り入れていきたいと思っています。

エデュ:影森先生ありがとうございました。

光塩女子学院初等科データ

学校名 光塩女子学院初等科
URL: https://shotouka.koen-ejh.ed.jp/
男子・女子・共学 女子
所在地・アクセス 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南2-33-28
東京メトロ丸の内線 「東高円寺駅」より徒歩7分、東京メトロ丸の内線 「新高円寺駅」より徒歩10分、JR 「高円寺駅」より徒歩12分
制服の有無
給食の有無 無(注文制のお弁当有)

編集部から見たポイント

取材を通し、教育の根幹部分は大切にし、ICT機器の導入や実体験など不足している部分は取り入れていく、前向きな姿勢を感じました。興味を持たれたご家庭は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

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