算数が得意な子にしたい!文系ママでもできること

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「ずっと文系だったから、算数・数学は苦手。子どもに教えられる自信がない…。」
中学受験を意識し始め、難題がずらりと並ぶ算数の入試問題を見ると、お母さま自身の算数苦手意識もよみがえりがちです。
そして、そんな自分のもとで算数ができる子が育つわけがないと、決めつけていませんか?
もしかするとその気持ちが、お子さまの才能を摘み取ってしまっているかもしれません。
このお悩み、解決方法はあるのでしょうか?

算数が“本当に”できる子って?

高濱正信先生講演会_01

今回、その解決方法を探るべく、独自の学習法で多くのお母さまに支持されている、花まる学習会の代表、高濱正伸先生の講演会「算数脳の育て方」に参加してきました。

暗算が得意だったり、計算が早かったりして、一般的に算数ができると言われてきた子が、小学校5・6年生になると伸び悩むという話もよく聞きます。

そのような子どもたちに足りない力とは何なのでしょうか?

そのヒントが高濱先生のお話にありました。
特に印象に残った、算数が”本当に”できるようになるために必要な3つの力をご紹介します。

見えないものが見える力

・立体問題や平面図形の問題が出てきたときに、補助線が見える力
・三次元がイメージできる空間認識力

表面上のことだけではなく、その裏側に何があるか見ようとする力。
平面図形の問題では、三角形を極めれば、あらゆる平面が把握できる、三角形は重要な形だと感じられること。

精読力

・一字一句を絶対に読み落とさないという集中力
さらに中学受験の場合は、限られた時間の中で読み切る必要がある。
本を読むことと文章題が解けることは、自転車と一輪車に乗るために必要な能力が違うことと同じぐらい異なる。

論理力

・必ず決まること、数学でいう「必要条件」を見抜く力と「場合分け」の精神的負担に負けない忍耐力。
論理力を要する問題で、条件を整理しながら『必ず決まること』は決定していき、『決めきれないこと』が出てきたら、忍耐強く最後まで場合分けすること。

この3つの力は「数理的な思考力」であり、そしてこの力を試しているのが、難関私立中学の算数入試問題や、算数・数学オリンピックの問題だと、先生は話されていました。

つまり難関校が求めているのは、数理的な思考力がある子どもたちと言えそうです。
また、その力は社会人になってからも求められ続けるものでもあります。

では、実際に出題された中学入試や算数オリンピックの問題を例に、上記の力がどういった出題形式で試されるのかご紹介します。

どれも難しい問題ですが、3つの力を身につけている子はスッと解けてしまうといいます。
試されている力を意識して、問題文を読んでみてください。なんとなく解法のイメージが浮かんでくるのではないでしょうか。

【見えないものが見える力】補助線が見える力が試される問題

算数オリンピック 第3回予選より

【精読力】出題者の意図を汲んで解く力が試される問題

麻布中学校入試問題

【論理力】必要条件を見抜く力と場合分けをする力が試される問題

算数オリンピック 第4回予選より

算数脳が育つ家庭環境とは? お母さまの意識改革で変わる!

高濱正信先生講演会_01

では、算数が“本当に”できるということは、もって生まれた才能なのでしょうか?
「そうではない!」と指摘する高濱先生のアドバイスの中から、ポイントを3つお伝えします。
「うちは主人も文系だし…」と、思ったお母さまも必見です。

算数の苦手意識はお母さんの態度で変わる

子どもが小学校高学年ともなると、自分ができないと思ったことに、どんどん苦手の壁を作ってしまう傾向にあります。それは、苦手としてしまえば楽だからです。
またお母さんも、「あなたは〇〇が苦手ね。」と言い、苦手意識を助長してしまいがちです。
しかし、それは苦手マジックにかかった状態と考えます。できる子との時間の差はあっても、克服はできるのです。

お子さんがもし「ピーマン嫌い~。」とか「球技が苦手~。」と言ったら、「その言葉を今後一切言わない!」と毅然とした態度で伝えましょう。
あらゆるものの「苦手意識」をお子さんから取り除き、やればできるという気持ちを持たせること。
それは、算数の苦手意識の克服にもつながります。

算数で特につまずく「文章題」。 克服につながるのは家庭での会話

お母さんは文章題ができないわが子を見て、「ちゃんと読んでないからよ!きちんと読みなさい!」と言いがちです。
しかし、「ちゃんと読みなさい!」つまり、「やりなさい!」で伸びる子は一人もいません
それを言うことによって、どんどん文章題が嫌いになってしまいます。
お子さんが自ら「やる気」を持って、集中して読まなければ、文章題を理解できないからです。

「文章題は出題者からのメッセージだ」とよく言われるように、出題者が言いたいことをつかみ、相手が望むような形で解答する必要があります。
その力を養うには、家庭での会話が大切。普段から、いい加減な会話はしないことです。

例えば、
お母さん:「今日授業でどんなことがわからなかった?」
お子さん:「おなかすいた~。」
お母さん:「あっ買い物いかなくちゃ。」

こんな会話をしていませんか? それでも親子関係は成り立ちますが、お子さんの「相手の言いたいことを正しく受け取り、求められた形で回答する力」が身につきません。
親が聞いたことに子どもにちゃんと答えさせ、会話のキャッチボールができていることを意識し、命がけで会話するぐらいの気持ちが大事です。
それが、算数だけでなく、社会に出てからも必要な力となってきます。

低学年時の遊びの中に、数理的思考力を伸ばす種がいっぱいある

ドリルなどのペーパー問題は、早くからやらせたほうがいいと思う方も多いでしょう。
やること自体は悪いことではありませんが、遊びの中で吸収できることもたくさんあります。

例えば、数を数えること。
数学オリンピックで金メダルを獲った子に取材したところ、「幼い頃から何でも数えていた。」という共通点があったようです 。例えば電車の車両数やビルの窓の数、車の中から見える電柱の数などです。

また、積み木遊びでは「立体を捉える力」、囲碁では、「図形感覚・数え上げ・論理性」が養われます。

これらを、ただやらせればいいのかといえば、そうではなく、本人がやる気をもって取り組めるように、うまくお母さんが導いてあげることが大切です。
このような、思考力の根源的な力は小学校3年生までに培われます。

でも、子どもがすでに高学年なのでもう遅いのでは? と思うお母さん、今からでもできることがあります。それは忍耐強く、努力することです。
高学年ともなると、鍛錬が可能になります。できない問題をぜったいそのままにせず、本当に理解するまでやり続けることです。

毎日の積み重ねが大切!

いかがでしたでしょうか? 算数が苦手なお母さまも、「これなら私にもできる!」と自信が持てたのではないでしょうか。

ポイントは、日々の生活や遊びの中にわが子の算数脳を伸ばすヒントがたくさんあることを認識し、子どもが夢中で取り組める環境を整えていくことだと思います。

それは子育て全般にも通ずること。毎日の積み重ねを大事にしていきたいですね。

より詳しく「算数脳」について知りたい方は、高濱先生の著書もご覧になってみてください。

『小3までに育てたい算数脳』著:高濱正伸(出版:健康ジャーナル社)

「わが子はもう高学年だけど、もう間に合わない!?」
心配ありません。まだまだできること、高学年に向けて意識しておきたいこともたくさんあります。

『小4から育てられる算数脳plus』著:高濱正伸(出版:健康ジャーナル社)


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