第22回　「算数が苦手」は親のサポートで解決できる！：エデュママブック

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エデュまが監修者・西村則康先生が、新著『中学受験は算数で決まる！』で、算数の成績を上げて合格可能性をグンとアップする秘訣を公開！　親ができる具体的なサポート法が満載の教育書です。

中学受験経験者の親御さんにもおすすめ！

中学受験の合否は、算数にかかっている――誰も否定できないこの事実に、うちの子は算数が得意だから安心と思える親御さんはとても幸せです。でも、そうでない親子のほうがずっと多いのが現実。算数が大事なのはわかるけれど、“大人にも難しい算数をどうやって教えたらいいの？　塾に任せておくしかないでしょう”というあたりが、多くの親御さんのホンネではないでしょうか。

でも、実はそうでもありません。少なくとも集団塾ではできにくい、その子その子に合わせたきめ細かいサポートも親ならできる！　そしてそれをやってあげれば算数の成績を確実に上げることができる！　そのノウハウを詳細に具体的に教えてくれるのが、西村則康先生が発表された新刊『中学受験は算数で決まる！』です。

「算数が苦手」というお子さまをお持ちの親御さんには、ぜひ読んでいただきたい著書ですが、それに加えて、ご自身が中学受験経験者の親御さんにもおすすめしたいと思います。

というのも、経験者はつい自分の経験をベースにしてしまいがちだからです。中学受験も算数も親御さんの受験当時とは大きく変わっており、当時の勉強法では太刀打ちできないことが多々あります。それにご自身の経験則をそのままお子さまに教えると、塾の教え方と違うためにお子さまが混乱することもあります。今現在の「中学受験算数」について、正しい情報と理解を持っていていただくために読んでいただきたいのです。

「数学」ではなく「算数」で解くことが大事

また中学以降で数学を学んでいる大人は、難問になるとつい数学の手法で解きがちなことも親が算数を教える際のリスクになっています。実際、西村先生は、お父さまが方程式を教えてしまい、そのために算数でとても大事な納得感のある理解を身につけることができなくなったお子さまを見ていらっしゃいます。本書には、付録として「解き方がこんなに違う！『算数』と『数学』」がついているので、ここを見ていただければ一目瞭然です。

さて本書の構成は、以下のようになっています。

はじめに
1章　算数の成績がグンとアップする塾の使い方
2章　算数を得点源にできる子は“この方法”を知っている
3章　受験直前！　最後に笑うための算数実践対策
4章　子供は算数の“ここ”で必ずつまずく
5章　まだ遅くない！ミスを減らす基礎固めの方法
付録・解き方がこんなに違う！「数学」と「算数」
　　・算数クイズ

本書を書店で手にとったら、ぜひ「はじめに」を読んでみてください。7ページもある長めの「はじめに」ですが、ここを読めば、あなたご自身にとって必要な本かどうかが、はっきりわかると思います。

本書の内容は必ずしも算数に関係したことだけではありません。中学受験の鍵が算数であるという厳然たる事実を認識したうえで、中学受験全体に、親御さんとしてどう対処すればいいのか、成績を上げるにはどうしたらいいか、その要点が実に明解に書いてあります。受験勉強をサポートする際に、必ずやってほしいこと、絶対にやってはいけないこと、できればやってほしいこと、やらないでほしいことなど、抽象論ではなく具体的にアドバイスしてあるのは、数千人の中学受験生を、その家庭に行って教えてきた西村先生ならではだと思います。

親子で一緒に解くことが苦手克服の秘訣！

もちろん、親が算数のサポートをするには、親もある程度、塾で教える算数について学んでおく必要があります。といっても、そんなに多くはありません。算数の勉強で大事なのはたくさん覚えることではなく、「なぜこうなるのか」「なぜこの解き方でよいのか」の理屈を理解することだからです。本書に書いてある内容さえ頭に入っていれば、お子さまがわからないと言ってきた問題を親子で一緒に解いて正解に導くことができるでしょう。大好きなお母さまと一緒に算数を解くことは、「算数が苦手」を解決するベストの方法でもあります。

プロ家庭教師にして塾ソムリエとして人気の西村先生には、以前ご紹介した『中学受験は親が9割、その続編『中学受験は親が9割 [学年・科目別]必勝対策』などの著書もあります。『親が9割』の2冊は中学受験ビギナーである親御さんに必ず読んでいただきたい本。そして本書『中学受験は算数で決まる！』は、通塾生活が定着して親御さんの関心がテストの点や塾の順位に集中してきた頃、お子さまへのご自身のサポート法をチェックしていただきながら読んでいただくのに最適な本だと思います。

とはいえ塾だけでなく小学校の算数も、以前とは段違いに難しく、かつ本質的になってきているとのこと。そういう意味では、お子さまが低学年のうちから、そうした変化に敏感になるために、本書を読んでおいていただくと、のちのちその効果が出てくるかもしれません。

最後に、西村先生からエデュママの皆さんへのメッセージをお届けしましょう。

　いまだに、中学受験を必要悪ととらえる意見が散見されるのは残念なことですが、この本を読むことで、正しく算数の受験勉強を進めることで得られる大きなメリットを感じとっていただけると思います。そのメリットとは、1,知識、2,知恵、3,強い自信や自己肯定感、です。
　豊富な知識を身につけるとともに、「今わかっていることから、次に何が求められそうか」とか、「答えが出るためには、何がわかればよいのか」という、問題解決の知恵を身につけることが出来ます。そして、その過程において「僕は出来る子だ」「私は頑張れる子だ」という、社会に出てからも大切になるモチベーションの基盤を構築することが出来ます。

中学受験で学ぶ算数は、小学校の授業だけでは身につかない「論理的な思考」を鍛えて、お子さまの将来をより豊かにしてくれます。未来に生きる子どもたちには、最大の武器でもあります。本書を参考にして、親子で算数に取り組むスリリングで楽しい時間を作ってくださいね。