中学受験で「国語」を得点源にするツボ:第34回

inter-edu’s eye
「国語」は、ある意味「算数」以上に受験対策が難しい科目。苦手だとあきらめの境地に達していたり、得意なら得意で「どうしてこれが×なの?」と釈然としなかったり…。でもこの本を読めば、どんな子でも国語の成績アップが実現します!

◆どんな子でも国語の得点は伸ばせる!

どんな子でも国語の得点は伸ばせる!

中学受験で「算数」の次に気になるのが「国語」という親御さんは多いと思います。しかし国語の対策は、塾も算数ほどはっきり言ってくれません。国語はセンスだから、うちの子は本が嫌いだからしかたがないのかな、とあきらめに近い声もよく聞きます。しかし、そんなことはない!『「センス」や「読書」はいりません』と、帯に書いてある本が発売されました。『塾でも教えてくれない 中学受験・国語のツボ』です。

著者は、先日、『超難関校合格の家庭環境と「三種の神器」』でご紹介した小川大介さん。京大生のときからずっと国語の受験指導を続けてきた小川さんは、発刊の辞でこう語っています。

18歳から塾や予備校の教壇に立ってきた私が、子どもたちに国語を教える際にいつも意識してきたのは、「数学と同じように国語の法則を明らかにし、やるべきことをやればどんな子でも必ず得点を伸ばせるようにする」ことでした。再現可能な国語解法に取り組んできました。さらに、SS-1を立ち上げて真の1対1指導を探求する過程で気づいたことは、子どもの国語の点数を上げるには、「解法指導」×「得点できるマインドセット」×「家庭学習の改革」の3つが揃わねばならないということでした。(中略)
本書では、類書で語られることがなかった「得点できるマインドセット」と「家庭学習の改革」を、詳しく語っています。私の国語指導の手の内を明かした本であり、熱を込めました。

通読して、この言葉に嘘はないと確信しました。この本に書いてあることを100%実践できる親御さんがいたら、国語に関しては「塾いらず」が実現するでしょう。そしてこの方法なら、国語が得意な子も苦手な子も、着実に成績を上げることができると思います。

◆受験国語に必要なのは、問題を解く力!

本書の構成は以下の通りです。

第1章 最難関校はどんな「国語の力」を求めているのか
第2章 中学受験突破に必要な「国語力」とは?
第3章 国語を“得点源”にするための教え方
第4章 「速く、深く読む力」が高得点のカギ
第5章 「書く力」を伸ばして記述問題を攻略する
 ※付録1【読書感想文作成ツール】
第6章 「解く力」を伸ばす① ――「設問」を研究する
第7章 「解く力」を伸ばす② ――覚えておきたいテクニック
第8章 「解く力」を伸ばす③ ――問題文への対処法
 ※付録2【学校別・国語入試問題の傾向と対策】


最難関校・開成中学の国語問題を見て、その設問意図を理解する第1章に続いて、第2章が「国語力」の考察です。ここで一般に言われる「国語力」と、中学受験で求められている「国語力」の違いが明確になります。さらに小学校の国語教育と受験国語では求められているものがどのように違うかも表で具体的に示されています。

一般に言われる『総合的な力である「国語力」の核となるのは、「論理力」と「感情理解力」、そして「使いこなせる言葉の量(語彙力)(P43)』なのに対して、受験で必要な「国語力」とは、『設問に答えられるように文章を読みとる力、設問に答えられるだけの言葉の力、そして何より設問を理解する力です。(P50)』と小川さん。つまり、「問題を解く能力」だということです。そのうえで中学受験で国語の成績をあげる要点が、以下のようにまとめられています。

国語の試験問題を解くには「読む力」と「解く力」、さらに「書く力」が必要で、しかもその土台として学校の授業や日常生活で育まれた日本語、それ以外の社会的な知識が必要になるのです。(P53)

もちろん、総合的な「国語力」の核である「論理力」「感情理解力」「語彙力」はある程度必要です。でも問題を解くのは小学6年生。どれくらい必要なのかを見極めておくべきなのです。また「問題を解く能力」は、一般的な「国語力」とは次元を異にしたものです。どんな問題が出されているのか、出題者はどんな解答を求めているのかといった、設問に対する姿勢が重要になってきます。

第3章から第5章のアドバイスは、たとえ中学受験をしなくても、このような指導を受けたら、その子の「生涯国語力」はずいぶん上がるだろうと思わせる内容です。読むこと、書くことへの抵抗感をなくし、さらにそれを楽しむことができる子にするにはどうしたらいいかが、具体的な方法とともにアドバイスされています。とともに国語の指導は、他の科目以上にその子の成長度合いや個性にあわせる必要があるということがわかります。だから集団指導塾では、国語の成績アップが難しいのでしょう。講師の先生の教える能力に関わる部分が非常に大きいのも、「国語」の特質です。

作文嫌いのお子さまには、第5章の付録「読書感想文作成ツール」をぜひ一度使ってみてください。親御さん自身がサポートすることで、お子さまの頭の中に、作文とは何をすることなのかが、きっと見えてくると思います。

そして、「国語は苦手ではないが、もう少し成績が上がってもいいのでは?」といった状態のお子さまには、第6章から第8章の「解く力を伸ばす」が大きな助けになってくれるでしょう。ここには、設問者の意図の読みとり方や選択肢問題の見極め方など、受験国語特有のテクニックが開陳されています。国語の問題やその正解に釈然としない感じを抱いていたお子さまには、パッと光が差し込むのではないかと思います。

小川さんは、『いま私たちがこの本で解決しようとしているのは、「受験国語で得点を伸ばすこと」です。(P74)』と書いていますが、得点力を高める方法が判明したことで、逆にテストとは無関係なその他の「国語力」についても深く理解することができました。

前述したように「国語力」には、生涯をかけて育んでいきたい総合的な力から受験テクニックまで、さまざまなレイヤーがあります。小学6年生の時点で身についている「国語力」も、お子さまごとに大いに、かつ微妙に異なります。こうした事情を把握して的確なアドバイスができるのは、優秀な一部の家庭教師や個別指導塾の先生をのぞけば、親御さんだけなのです。ぜひ本書を読んで、国語の成績アップを目指すとともに、人生を豊かにしてくれる「国語力」も育んでくださいね。

塾でも教えてくれない中学受験・国語のツボ,小川大介

塾でも教えてくれない中学受験・国語のツボ
小川大介:著、西村則康:監修、青春出版社、1480円+税

「国語はセンスが重要」「本を読んでいるからウチの子は得意なはず」──。中学受験の科目で、国語ほど“誤解””の多い科目はありません。でも、しっかりセオリーを理解して問題に取り組めば、誰でも点数が伸びるのも国語ならではです。親は生活習慣でどんなことに気をつければいいのか? 問題文をどう攻略すれば効率よく点数がとれるようになるのか? 難関中学、国立大学医学部に多数の合格者を送り出してきた著者が、塾でも教えてくれないそのノウハウを伝授します。…購入はこちらから

小川大介,エデュママブック

著者の小川大介(おがわ・だいすけ)さん
中学受験個別指導教室SS-1代表。1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大学受験予備校、大手進学塾で受験国語の看板講師として活躍。2000年、さらなる学習指導の理想を追究し、中学受験専門のプロ個別指導教室SS‐1(エスエスワン)を設立。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。首都圏、関西圏に展開する同教室を代表として率いつつ、子育て、人材育成に関する講演、執筆活動に力を入れている。 著書に『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『論理力は小学6年間の国語で強くなる』(かんき出版)、『SS-1メソッドで国語の点数を一気に上げる!』(ごま書房新社)などがある。