東大生の子ども時代と親のタイプがわかった!

inter-edu’s eye
東大に合格する子はどんな子ども時代を過ごしていたのか、多くの東大生とその親にインタビューした本が発売。それだけでも気になりますが、東大生の共通点を分析し、小さな子どもを持つ家庭でどう取り入れたらいいのか、脳医学者のアドバイスもたっぷりのっています。子どもを賢く育てたい方、必読です!

◆東大生って何だか似ている、共通点とは?

東大生って、どんな子たちなんだろう? 教育熱心な親御さんなら一度は頭に思い浮かんだことのある疑問でしょう。そんな素朴な疑問に正面から取り組んで話題を呼んでいる単行本があります。題して『東大脳の育て方』。主婦の友社の知育・教育取材班が、数多くの現役東大生、東大卒業生、さらにその親たちへアンケートやインタビューを行って、東大生の子ども時代・生活習慣・家庭環境の中にどんな共通点があるかを探り出した本です。

インターエデュでは、同じような観点から、「東大・京大生が育つまで」で、東大・京大生へのインタビューを続けていますが、おかげさまで大人気。ですから、本書に多数掲載されているインタビューにも興味津々の方は多いでしょう。実際読んでいて、東大生って何だか似ているなあという気がしてくるのではないかと思います。

でもその似ているところとは何なのか、つまり東大生の共通点とは何なのか、これを言葉にしてきちんと認識するためには、本書が行っているアンケートの分析や専門家の解説が大きな助けになります。東大生への興味本位な好奇心から抜け出して、できればわが子も東大へ…そのために親は何ができる?と真面目に考えてみるなら、ぜひ読んでいただきたい本なのです。

本書には、『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」の育てる究極のコツ』(文響社)の著者である瀧靖之教授の解説がたっぷり掲載されています。取材班が明らかにした東大生の共通点について、その理由を深く掘り下げ、各家庭でどのように取り入れたらいいか、瀧教授が貴重なアドバイスを展開してくれています。

◆東大生の幼少時代、意外な面も…

東大脳の育て方,主婦の友社

本書は、以下の5章で構成されています。

第1章 【共通点1】92%の東大生が子ども時代に“熱中体験”を持っていた
第2章 【共通点2】東大生の家族は“仲がいい”
第3章 【共通点3】東大生は困難というハードルを乗り越える
第4章 【共通点4】東大脳を育てるのは規則正しい生活
第5章 【共通点5】タイミングと効率を重視する勉強法が東大脳への近道


取材班が探り出した東大生の共通点は5つ。それが各章に割り当てられ、章タイトルとして明らかにされています。そして本文は、最初の見開きが取材班のレポート、次の見開きがアンケート結果のグラフ、続いて数多くの東大生コメント、その親のコメント、そして監修者である瀧先生の解説というスタイルでまとめられています。章の最後には、そこだけ読んでも参考になるポイントが、「まとめ」として箇条書きになっています。

第1章で、92%の東大生が子ども時代に何かに熱中していたといっても、その対象はさまざまです。登場する東大生が熱中していたものは、少女小説、大学駅伝、ジャニーズ、ゲームなど勉強とは関係ないものばかり。

瀧教授は、「さまざまな好奇心によって楽しいと感じることが多いほど、ドーパミン(快感や幸福感、やる気を生み出す神経伝達物質)は放出されて、前頭葉まで達し、脳を大いに刺激するのです。」と解説。さらに「興味の赴くままに、いろいろなことを突き詰めるこの経験は、やがて将来の勉強や仕事につながります。」「こだわりが強すぎるのは、むしろいいところ」で「熱中体験がなければ成功体験は生まれてきませんし」「ナンバーワンではなくオンリーワンを目指すように仕向けるのが、東大脳の育て方」と語っておられます。

第2章以降も同様に、共通点として抽出されたことの具体例が、多数の東大生とその親へのコメントとして紹介され、それが何を意味しているのか、どのように取り入れればいいのかが解説されていきます。

◆子どもを東大脳に育てる親の共通点

本書を読み進むほどに、そうか東大生というのは、幼い頃に知的好奇心が育っていて、勉強=つらい・遊び=楽しいという区別がなく、やりたいと思ったことに挑戦しようという意欲満点な子どもたちなんだ、ということがわかってきました。

そしてもうひとつ痛感したことは、東大生の親とは余裕のある人たちだということ。余裕には、経済的な余裕もありますが、心の余裕というか包容力のようなもの。何かひとつのことに心を奪われて視野狭窄になることなく、常に一定のゆとりを維持して子どもに接している人という感じが、親のコメントからそこはかとなく感じられたのです。集中力のある子どもと心に余裕を保った親のセットが、東大生を生み出しているのではないかと想像してしまいました。

瀧教授は、「おわりに」にこんなことを書いていらっしゃいます。

すべてのインタビューを振り返ってみると、本質はどの家庭も似ています。
子どもにたっぷりと愛情を注いで、思う存分やりたいことをやらせて、それを無条件で受容する……、ここに出てきた東大生の親は、みんな努力の方向が同じです。
あの塾に行かせた、この進学校がいいという人は誰一人いません。

(中略)
どんな子どもでも、生まれながらに好奇心があり、その好奇心はぐんぐんと伸びていく可能性があります。その好奇心がしっかりと伸びたのが“東大脳”であり、好奇心を伸ばすには、親のサポートが必須なのです。
だからこそ、親はサポートの方向を間違えてはいけません。

子ども自身が東大に行きたいと念願するなら、それは子どもにとって大事なことです。でも親にとって大事なことは、子どもが東大に行くことではありません。子どもが自分の能力を十分に伸ばして、幸せな将来をつかむことです。そのためのサポート、間違えたくないですよね。

本書で語られる“東大脳”とは、東大に行くための脳ではなく、子どもが自身で幸せを獲得するための脳。結果として東大生になればなったでよし、そうでなくてもかまわない、そんな心の余裕のある親こそが、逆に子どもを東大に近づけるのかもしれない…こんなことを考えさせられた一冊でした。

東大脳の育て方

東大脳の育て方
瀧 靖之監修、主婦の友社刊、1300円+税

日本でもっとも勉強が好きな頭脳が集まる東大。いったい彼らは、どういう子ども時代を経て、勉強好きになったのだろうか。親は、どんなふうに働きかけたのだろうか。本書はそこを探るべく、現役東大生をはじめ、東大卒業生、東大生の親たちへ独自にリサーチ。子ども時代の生活習慣をはじめ、習い事、勉強方法、親との関わり方など、さまざまな観点からインタビューを重ねた。そこから見えてきたのは、いくつかの共通点。賢い子の脳を知り尽くした脳医学者の瀧靖之先生の解説と合わせて、東大生の子育てのコツ、「東大脳の育て方」を解き明かしていく。TBS東大王出演中のクイズ王 伊沢拓司さん、水上颯さん、鶴崎修功さんの子ども時代、その頭脳の秘密も取材!…購入はこちらから