子育ては「2勝8敗」でいい。親はもっと自分に自信を持とう

inter-edu’s eye
子どもについカッとなって怒ったり、余計な手出しをしてしまったりするのは、親なら誰もが経験する子育てあるあるですね。その「子どもについ〇〇してしまって反省」を繰り返してしまう親御さんに、ぜひ手にとってもらいたい本があります。それは「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」です。今回は、著者である小川大介さんへのインタビューが実現。本に込めた思いをうかがいました。

子育ての大変さは「知識」と「技術」があれば楽になる

『頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て』小川大介著

インターエデュ(以下「エデュ」): どのような思いでご執筆されたのでしょうか?

小川大介さん(以下小川さん):個別指導教室の代表として、また子育て相談のコンサルタントとして約20年にわたり、約5000組の親子を見てきたのですが、その過去の経験と比べても、ここ数年の親御さんは焦りすぎていて、追い詰められ感が強いと感じていました。何が起きているのだろうとずっと考えていたんです。

その理由の一つに、これをやらせれば何々になる、この習い事が人気、と与える情報ばかりが飛び交う状況があると思いました。話題になっているようなことに取り組んでいる数イコール、親が子どもに渡すチャンスの数と錯覚してしまっているんです。
世の中に飛び交う情報というのは、与えやすいものや商品などメディアで取り上げられやすいものであって、そういうものに光があたっているだけですから。

SNSの広がりも大きいですね。他がやっていてうちがやっていないと、やらせていないことがかわいそう、うちが劣っていると思ってしまいます。他の家庭と自分の家庭とを比べてしまう機会があまりに多いです。

人間というのは、与えた分だけ伸びるというものではないですよね。本当に多くの親御さんを見てきて、そして、自分の子どもの子育てを通しても、子どもは自分なりに育つということを確信していますし、その子自身が本来持つ特性を大事してあげることの重要性もわかりました。

子育てというのは、何かを与えるというより、本人がやりたいという気持ちが動いたときに、頭も体も動いて行動につながる、その繰り返しなんです。その子をしっかり見たうえで、その子に必要な適切な関わり方を選んで、手伝ってあげればいいんだということを私は経験を通して知っています。それを今回拙書でお伝えしたいと思いました。

もう一つの理由は、自分を責めている親御さんがすごく多いということ。わたしダメなんですという言葉を本当によく聞きます。どうしてそんな考え方に陥るんだろうと考え、親御さんと接してきて理由がわかりました。

たとえば、子どもが3歳であれば、親としてもまだ3歳。親として知らないことだらけなんです。ところが、親御さんたちは自分はもう大人なんだからできて当たり前と、その基準で子どもに接します。その結果、できていないことばかりの自分に自信が持てなくなっているんです。
親だって子どもと同じ年齢。できなくて当たり前なので、その誤解を解いてあげたいと思いました。

エデュ: ご著書では、その思いをどのような内容でお伝えしているのでしょうか?

小川さん:子育ての大変さは、「知識」と「技術」があれば楽になるということが、拙書の柱としてあって、「子どもを観察する技術」「子どもを信じる技術」「子どもに関わる技術」という視点で全体をまとめています。そして、わたしが常々言っている「3原則プラス1」、つまり、「認める」「見守る」「待つ」、そのうえで「期待する」のそれぞれのやり方を知れば、できますよということを具体的にお伝えしています。

わたしが本を書く時は、具体的でかつ、論理的に内容が整理されていることを心がけています。言葉ではっきりと書いてあるので、読んでいると耳が痛い…という声も多いのですが、ダメということを強く言いたいからでも、反省してもらうことが目的でもありません。

エデュ: 確かに、本を読んでいると書かれていることができていない自分を責めてしまう……。ということはよくあります。では、どんな風に読んだらよいでしょうか?

小川さん:すでに頑張っている方にとっては、今自分がやっていることがこんなにもプラスになるんだと気持ちも落ち着けるでしょうし、自分のことをダメだと思っている親御さんでしたら、こんなことからでもいいんだ、知っていたらできることってたくさんあるんだと感じてもらえると思います。これなら取り入れられそうだなと思ったことから取り組んでみると、今よりもいいことが起きてきます。そうすることで親としての自信を作ってほしいなと思っています。

拙書の中でも書いていますが、子育ては「2勝8敗」でいいんです。10回のうち1回、2回、子どものために響くようなことができたら上出来で、その材料を自分の中で整理し、手に入れたりするようにして読んでもらえたらいいなと思っています。
自分の至らなさを知るために読むのではなくて、これならわたしにも使えるラッキー!と思って読めるような、そんな親御さんであれば、「見守る」子育てができると思います。

むしろ、反省目的で読んでしまう、自分に厳しい思考回路をお持ちの方は、それ自体を変えていくという気持ちで読んでもらいたいですね。自分のことをダメ出しする親は、子どもにもダメ出ししてしまうんです。拙書の中で何度も書いていますが、わが子を信じるためには、親自身が自分のことを好きになることが一番です。
自分を大事にする技術、実践があって、はじめて子どもに余裕を持って接することができます。子どものためにと、自分を削って頑張っているという、追い詰められ感は解消してあげたいと思って書いています。

子育てが思うようにいっていないと、それは親の側に責任があるという思いで、必死に子育てを頑張っている方って多いですね。そうすることで、自分は子どもを守っているんだと考えがちなのですが、それはちょっと違うんです。親が笑っていないと、子どもも笑えないんですから。

エデュ: 最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いします。

小川さん:中学受験を念頭に置いている親御さんにも役立ちますし、そうでなくても、子どもに精一杯寄り添ってあげたいと思うすべての親御さん、特に迷っていたり、悩んでいる方にこそ読んでもらいたい本ですね。なにかいいことありそうだと思って手に取ってもらえれば嬉しいです。

~編集者からのひとこと~

有名人がInstagramで取り上げたこともあり、話題にもなっている本書。シェアのコメントに「できてないなぁ~」「反省…」という言葉が多いことを受け、小川さんはもっと気楽に読んでもらいたいとおっしゃっていました。子育てがうまくいっていないと、つい本を反省材料に「ダメな親でごめんね」と親自身が自分を責めてしまいがちです。しかし、それでは子どもも親もハッピーにはなれない。そのことを取材を通して痛感しました。

『頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て』小川大介

『頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て』
小川大介著、KADOKAWA刊、1,400円(税抜)
親が頑張りすぎないほうが、子どもは伸びる!
中学受験のプロとして活躍し、教科指導スキルにコーチング技術や心理療法的なアプローチをとりいれた指導方法で灘や東大寺、開成、筑駒、麻布など最難関中学に教え子を多数合格させてきた著者が語る、「本当に頭がいい子の育ち方」。
著者の小川大介氏は、自身が代表をつとめる個別指導塾で5000組を超える家庭と面談をしてきました。その中で気づいたのは、いわゆる「教育によさそうなもの」を多数与えられ、手とり足とり面倒を見てもらってきた子どもは受験直前に伸び悩んでしまうことが多い一方、親に見守られて好きなことにとことん熱中した経験のある子どもは、最後の最後で踏ん張りをきかせてぐんぐん成績を伸ばしていくこと。中学受験の現場での経験、ひとりの父親としての経験から、著者は「親は子どものことをもっと信じていい」と断言します。自らの好奇心を親に認められ、見守られて育った子どもは、親が追いたてて「勉強」させずとも、自ら学び、成長する子に育つのです。

【目次】
・子育ては「2勝8敗」で十分
・好奇心のない子はいない
・「当たり前のこと」を褒める
・アドバイスは子どもが求めてから渡す
・親が楽しそうな家はうまくいく
・遊び方を観察すると、子どもの「天才」が見える
・ボーっとしている時間に子どもはかしこくなる
・お父さん・お母さんの日常は「イベント」の宝庫
・「教科書ベースの勉強」でも心配はいらない
・本人が活躍できるのが「いい学校」

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著者の小川大介(おがわ だいすけ)さん
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。大手進学塾で看板講師として活躍した後、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を創設。その後現職にも就任。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。『頭のいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)など著書多数。