芦田愛菜さん初書籍でわかった!子どもを本好きにする秘訣

inter-edu’s eye
中学3年生の女優、芦田愛菜さんの初書籍『まなの本棚』は、わが子を本好きにしたいと願うママ・パパへの贈り物のような本です。子役の時代から活躍してきた愛菜さんが、年間100冊以上の本を読むようになったのはなぜか? その結果、愛菜さんの心に育ったものは? 本好きの親御さんはもちろん、そうでない方も、親子一緒にこの本を手にとって、読書の楽しさと効用を再発見してください。

◆本は、ぬいぐるみやゲームで遊ぶのと同じ!

まなの本棚,芦田愛菜,小学館

女優の芦田愛菜さんが、初めての単行本を発表されました。現在中学3年生、15歳。1年に100冊以上の本を読破するという愛菜さんの初書籍は、題して『まなの本棚』。そういえば少し前、彼女が偏差値70以上の難関私立中学に合格したという噂が流れましたが、そんな彼女が、いったいどんな本を読んでいるのだろうと、興味津々で手にとってみました。

そして、プロローグの冒頭で、さっそく驚かされました。

「愛菜ちゃん、何が欲しい?」と聞かれたら、小さい頃から、真っ先に「本が欲しい!」というほど、私は読書が大好きな子供でした。
ぬいぐるみやゲームで遊ぶのと同じ感覚で、私にとって本は、ずーっと遊んでいられる、おもちゃみたいな存在だったのかもしれません。

本が、ぬいぐるみやゲームで遊ぶのと同じ感覚……うちの子もそうだったらいいのに、と思ってしまう親御さんも多いのではないでしょうか。そして、愛菜さんがどうして本好きになったのかと知りたくなりますよね。

その答えは、第一章にあっさりと書かれています。そう、両親からの読み聞かせです。そして、「今思えば、絵本の読み聞かせって、父や母と私とのコミュニケーションになっていたんですね。」とも。

愛菜さんは、お芝居を始めた3歳の頃には、ひらがなが読めるようになっていて楽屋にも絵本を持ってきていたそうです。台本の漢字にふりがなをふってもらって、台詞を覚えていたのだとか。そんな幼い頃のことを、15歳の彼女が思い出しながら書いてくれているので、読み聞かせをしてもらった子どもが、どんなふうに本と接するようになり、読書がどんなふうに心の成長に影響したのかが、体験談としてリアルに伝わってきます。

◆読みたい本を読むことこそ、何よりも大事

本書の構成は以下のようになっています。

プロローグ 宝探しみたいに本の世界に入っていきます
第一章 語り出したら止まらない! 芦田愛菜の読書愛
第二章 本好きへの扉を開いた6冊
第三章 まなの本棚から84冊リスト
 対談:山中伸弥先生(京都大学教授)×芦田愛菜
 対談:辻村深月さん(作家)×芦田愛菜
エピローグ 本がつないでくれるコミュニケーションや出逢い


第一章は、子どもを本好きにしたいと思っている親御さんには必読の内容です。ぜひ一気に読んでみてください。本を読むことが子どもの心に与える影響について、ありありと書かれています。物語の世界から情景や登場人物の姿を想像して楽しんだり、読んだ内容から興味が芽生えてもっと知りたいと違う本をとったり、大きくなってもう一度読んでみることで自分の成長を自覚したり、愛菜さんの想像力や知的好奇心、自分自身を見つめる目に、読書が大きな影響を与えてきたことがよくわかります。

そして、この章の小見出しにある「読書はお風呂や歯磨きと同じ生活の一部」「背表紙がキラリと光って見えるんです」「本の感想に“正解”はなくていいのかも」といったフレーズは、読書好きなら大人も子どもも、そうだよねえ…と納得することと思います。

つまり子どもを本好きにしたいとき、絶対にやってはいけないことは、義務感で本を読ませること。そうではなくて、“ぬいぐるみやゲームと同じ感覚”で本に接する生活習慣こそが大事です。幼いころの読み聞かせで、そんな生活習慣が身についたのが、女優、芦田愛菜さん。愛菜さんは、両親に心から感謝しているそうです。

第二章では、本好きになったきっかけの絵本や本、第三章では、これまで読んだ本の中から84冊、あらゆるジャンルの本を紹介してくれています。ここで驚いたのは、愛菜さんの読書が、一定のジャンルに偏っていないことです。小説、古典、西洋文学、歴史、SF、ミステリー、図鑑と、愛菜さんは書店に並ぶすべてのジャンルに関心を持っています。これは本当に素晴らしいことで、本好きの中でも少数派ではないでしょうか。なぜこんなにも偏りがないのか、おそらくとても小さい頃からいろんな本に接していたため、これは苦手と感じる気持ちが、どのジャンルにも育たなかったのではないかと思います。

◆本を読むことで、自ら学ぶ力が養われる

中学3年生の愛菜さんが、自らの読書体験を一冊の本にしてくれたことで、あることに気づきました。それは、今、教育界で叫ばれているアクティブ・ラーニングが、読書によって実現しているということです。

アクティブ・ラーニングの根幹は「自ら進んで学ぶ力」を養うこと。自ら読みたいと思う本を選び、それを読むことでいつのまにか想像力や知的好奇心が育っていくというのは、まさにアクティブ・ラーニングです。義務としての読書や与えられた課題をこなしていく勉強では身につかない、自分から学んでいこうという姿勢が身につくのです。

小学校で2020年度から施行される新学習指導要領も、アクティブ・ラーニングが土台になっています。その内容は、 「2020年度、子供の学びが進化します!新しい学習指導要領、スタート!」(暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン)に解説されていますが、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」と、学び方も大きなポイント。指導要領の改訂で、これからの教育がどうなっていくのか不安になっている方も多いと思いますが、思い悩むより親子で読書を楽しんでみませんか? きっとそのほうがずっと前向きです。

この本に紹介されている本の中から読み聞かせをしてみたり、親子一緒に読んでみたい本を選んでみてはいかがでしょうか。読み聞かせは小学生になってからでも効果がありますし、親子一緒に音読するのも本好きへの近道です。

本書の第三章は、1冊1~2ページ程度でジャンルを超えた本が紹介されているので、どんな親子でも、きっと読んでみたい本が数冊見つかるでしょう。この夏の読書計画に、また読書感想文の宿題にも、とても参考になると思います。

まなの本棚,芦田愛菜,小学館

まなの本棚
芦田愛菜著、小学館刊、1400円+税

運命の1冊に出逢うためのヒントに! 「本の出逢いは人との出逢いと同じ」年間100冊以上も読み、本について語り出したら止まらない芦田愛菜が、本当は教えたくない“秘密の約100冊”をご紹介。世代を超えて全ての人が手に取ってみたくなる考える力をつけたい親御さんと子供たちにも必読の書です。本の魅力にとりつかれた初めての1冊は? 一体、いつ読んでいるの? どんなジャンルの本を読むの? 本を好きになるにはどうしたらいい? 好きな登場人物は? など。スペシャル対談:山中伸弥さん(京都大学iPS細胞研究所所長 教授)、辻村深月さん(作家)も収録! …購入はこちらから

著者の芦田愛菜(あしだ まな)さん
2004年6月23日生まれ。兵庫県出身。5才で出演したドラマ『Mother』(日本テレビ/2010年)で脚光を浴び、『大河ドラマ 江~姫たちの戦国~』(NHK/2011年)に出演、『マルモのおきて』(フジテレビ/2011年)では連続ドラマ初出演。第34回日本アカデミー賞新人俳優賞、第54回ブルーリボン賞新人賞ほか多数の賞を受賞。映画『パシフィック・リム』(2013年)でハリウッドデビューも果たす。また、『連続テレビ小説 まんぷく』(NHK/2018年)では史上最年少で語りをつとめ、映画『海獣の子供』主演吹き替えなど、数々の映画、ドラマ、CMなどに出演。