小学生の教養を育てる、齋藤孝先生の本が大ヒット!

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テレビでもおなじみの齋藤孝先生の子ども向け単行本が、今、大ヒットしています。タイトルは『小学生なら知っておきたい教養366』。「教養」と聞いて何をイメージしますか? 今すぐの成績には結びつかなくても、その人の知性、品格、人間性を高め、ガリガリ勉強しなくても難関校にふさわしい能力が身につく…真の学力であり高い能力のことです。そんな「教養」への道しるべとなってくれる本なのです!

◆「勉強」ではなく「教養」の本とは?

『小学生なら知っておきたい教養366』というタイトルだけでは、どんな本なのかちょっとわかりませんね。そこで、まずは、齋藤孝先生による本書の「まえがき」を全文引用させていただきましょう。

小学生なら知っておきたい教養366,齋藤孝,小学館
「この本は「勉強」の本じゃないよ。

「教養」の本なんだ。

教養っていうのは、勉強で得た知識をいかす力のこと。「猿も木から落ちる」ということわざを知っていることは、「知識」だよね。でも、ただ知っているだけでは宝のもちぐされ。

たとえば、とても足がはやくていつもかけっこでは1位のお友だちがいたとする。その子が運動会で転んでしまった時、「失敗することはだれにでもあるよ。〝猿も木から落ちる〟というし、気にすることないよ」ってはげますことができるんだ。そうしたら、そのことわざはキミの「教養」になる。

教養があると、キミのいうことに説得力が出て、人生が豊かに、深くなっていくんだ。

この本でやってみてほしいことがある。まず興味があるページを1ページ読む、次に大人にクイズを出す。クイズのないページだったら、「へぇ!」と思ったことをクイズにしてみよう。そして、1分くらいで手短に解説するんだ。人に話せるくらいに理解できたらすごい! もうその知識は完全にキミのものだよ。

ひとつひとつの知識を点で覚えることも大切だけど、「つながり」がわかると、点の知識が線になって、強い知識になるよ。この本は1週間1テーマになっているから、月曜から日曜まで毎日読むと、知識がかたまりになって頭に入ってくる。そしてその知識を自分の行動や考えに生かそう。教養によって、より深い考察、賢明な行動ができるようになるはず。

さあ、一緒にワクワクしながらページをめくろう!

◆テストや入試のためだけの勉強だと「教養」までは育たない

いかがですか? 小学生向けにふりがな付きで書かれている「まえがき」ですが、大人でも気になる箇所が多々あるのではないでしょうか? まず、「勉強」ではなく「教養」の本ってどういうこと? 「知識をいかす力」と書いてありますが、「教養」は自分で説明するとなると、なかなか難しい言葉です。そこで、ネットのコトバンクで調べてみました。コトバンクにはいくつかの辞書の説明がのっていますが、そのひとつが以下のとおり。

「学問、幅広い知識、精神の修養などを通して得られる創造的活力や心の豊かさ、物事に対する理解力。また、その手段としての学問・芸術・宗教などの精神活動。」さらに、「社会生活を営む上で必要な文化に関する広い知識。」と書いてあり、使い方としては、「高い教養のある人」「教養が深い」「教養を積む」「一般教養」といった例がのっていました。(コトバンク デジタル大辞泉より)

なるほど、「勉強」は、テストでいい点をとったり入試に合格することが目的になりがちですが、「教養」の場合は、生きることすべてに関わってきます。「教養が深い」とは、知識が豊富なだけでなく知識と知識がつながって考える力が深く、行動全般、生き方そのものに賢さが感じられる人のこと。また、「雑学」が断片的な知識の量を表すのに対して、「教養」では、知識をどう使いこなすか、自分の考えや行動にいかに生かせるかまでが関係してきます。「知性のある人」という表現とも似ていますね。

もちろん、学校や塾で学んだことから疑問や関心が生まれて自分で調べたり考えたりすることでも、「教養」は身につくでしょう。でもテストの点数を上げることや受験テクニックの習得に重点が置かれてしまうと、なかなか「教養」の方向には行きにくい。その結果が、高学歴なのに教養のないエリートの誕生です。そのためか、今年から小学校でスタートする新学習指導要領でも、「どのように学ぶか」ということに焦点が当てられていて、その中の「深い学び」の項には、こう書いてあります。出典はこちら

各教科等で、その教科等なりの「見方・考え方」を学ぶだけでなく、様々な教科等で学んだ見方・考え方を相互に関連付け、自分なりに問題を見いだし解答を導きだせるような学びになっているかという視点。

公教育もようやく、「教養」の方向に舵を取り始めているようです。

◆学ぶ力が高い小学生のうちに「教養」を身につけよう

さて、小学生なら知っておきたい「教養」を、本書でどのように身につけるのか? 「まえがき」にもあるように、1日1ページだけです。1年366日で366ページ、7ジャンル52テーマをクリアしようというスタイルになっています。7ジャンルとは「言葉」「文学」「世界」「歴史」「文化」「芸術」「自然と科学」の7つで、各ジャンルから週ごとに小学生が関心を持ちそうな面白いテーマが設定されています。

1日1ページですから、当然のことながらお勉強方式で取り組むわけではありません。帯に「毎日2分で、一生ものの知力を養う」と書いてあるとおり、ほんの少しの時間を使うだけ。各ページには、まず、面白い言葉や覚えておきたい言葉(知識)がのっていて、それに関連する3択クイズがあったり、「それって何?」として言葉の説明がのっていたりします。音読を提案しているページもあります。さらに、「ここがすごいよ!○○○○」として、その言葉に関する興味深い情報(このへんが、教科書と違うところ!)が掲載されています。

その内容は、小学校で覚えるべきとされている範囲に限りません。「早口言葉」や「回文」、「なげきの壁」に「ネルソン・マンデラ」、さらには「アルキメデス」「パブロフの犬」「相対性理論」「黒澤明」「ジョン・レノン」まで登場します。大人でも、全部知っているとは言えないでしょう。

ですから、お子さまだけでなく、ママ・パパ自身も本書を通読して、自分がどれくらい知っているかチェックしてみると面白いと思います。お子さまのほうは、クイズを解いたり音読したり、説明を読んだりしながら、へえ~面白い、こんな人がいたんだ、こんな最新情報があるんだ、もっと知りたい…というふうに興味が膨らんでいくことでしょう。さすが齋藤先生です。子どもたちが興味を持ちやすいテーマを選び、それを「教養」の方向につなげる心憎い構成になっています。

できれば、「まえがき」にあるように、お子さまにクイズを出してもらってください。そうすることで、お子さまの知識はしっかりと脳に定着し、クイズを出し合うコミュニケーションの中で、新たな疑問や発想が生まれ、自分で調べてみようというふうにつながっていくでしょう。

もちろん全ジャンルに均等に関心を抱くことはないし、一人ひとり関心の方向が違って当然なのですが、小学校の中・高学年というのは、人生の中でもっとも学ぶ能力が高まる時期です。この時期に、テストでいい点をとるだけの知識ではなく、心を豊かにする「教養」を育む知識を取り入れることは、とてもとても貴重な経験です。そういう「教養」を身につけた子は、“いい学校に入ったけど、もうやる気がおきない”とか、“成績はいいけど、なりたい職業が見つからない”といった悩みからはだいぶ縁遠くなると思います。

ぜひ、本書をリビングかダイニングに置いて、毎日ほんの少しの時間、親子の「教養講座」を楽しんでみてください!

小学生なら知っておきたい教養366,齋藤孝,小学館

小学生なら知っておきたい教養366 ―1日1ページで身につく!―
齋藤孝著、小学館刊、1800円+税

経営者やビジネスエリート、そして子どもにも「教養が大切」といわれて久しい昨今、本書は、テレビでもおなじみ齋藤孝先生による小学生のための教養本です。1日1ページ、毎日読むことで、知性の筋力を鍛えます。言葉、文学、世界、歴史、文化、芸術、自然と科学…小学生のうちに知っておきたい7ジャンルから、「言葉遊び」「日本文学神7」「世界のすごい画家」など52の週テーマを厳選。1週間1テーマで点の知識が線になり、強い知識を目指します。
新学習指導要領で強化傾向にある日本の古典や伝統、ブラックホールやダークマターなど最新科学の知見、20世紀重大事件など世界情勢にもふれてグローバル視野を育てるなど、幅広い知性をはぐくみます。さらに興味を広げる「おまけ知識」付き! 小学生へのプレゼントとしても最適です。大人も楽しめる内容なので、親子でクイズを出し合って、楽しみながら読みすすめてください。
「ヘレン・ケラーが最初に理解した言葉は?」「セルバンテスの有名な作品は、○○・キホーテ?」「世界で一番平均気温が低い場所は?」「QRコードは何の略?」など、親子で楽しめる教養クイズも満載!

齋藤孝

著者の齋藤 孝(さいとう たかし)さん
1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大学大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。主な著書・監修書に『声に出して読みたい日本語』(草思社)、『強くしなやかなこころを育てる!こども孫子の兵法』(日本図書センター)、『国語の力がグングン伸びる 1分間速音読ドリル』(致知出版社)、『「言葉にできる人」の話し方』(小学館新書)ほか多数。