開成、鷗友学園の元校長先生がアドバイス。思春期の子どもとどう接する?自己肯定感を高める育て方とは?~女の子の場合はより繊細な対応が求められる

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女の子の場合はより繊細な対応が求められる

女の子をお持ちの親御さん向けの本は、『女の子の「自己肯定感」を高める育て方』(吉野明著、実務教育出版刊)です。著者は鷗友学園女子中学高等学校名誉校長(刊行当時)。名門女子校で40年以上にわたり教育に関わり続けている人です。その経験をもとに、本書は執筆されました。構成をみてみましょう。

『女の子の「自己肯定感」を高める育て方』

・第1章:女の子の親が、まず受け入れるべきこと
・第2章:知っておきたい女の子の特性
・第3章:意識したい娘の「自己肯定感」が高まる接し方
・第4章:うかつに「自己肯定感」を下げない思春期女子の対応法
・第5章:自分で「自己肯定感」を獲得する女の子の育て方

第1章で思春期の女の子と向き合うときの、親としての心構えを紹介。女の子の自己肯定感を高めようとしたら、絶対にはずせない内容です。第2章では、母親でもつい忘れがちなで思春期の女の子の特性を解説。これらの基本原則を踏まえた上で、自己肯定感を高めるための実践的なノウハウを丁寧に解説してあるため、「うんうん」「なるほど」と納得しながら読み進めることができます。

中でも興味深かったのは第3章にある「親は『小児科医』であれ」という項目です。思春期の子どもは精神的に不安定になりがちですが、心の痛みを問題行動として外に発散するケースが圧倒的に多い男の子に対し、女の子は、内に閉じ込めてしまいがちだというのです。その結果、周囲の人間には女の子の心の痛みに気づきにくい。そのため、「親は小児科医のような態度でお子さんの様子を観察」し、ちょっとした変化を見逃さないようにする必要があるというのです。

このほか、「反抗する娘とヨコの関係を築く方法」「できる姉や妹、手のかかる弟がいる娘の接し方」「父親を避ける娘との接し方」「娘の『○○が苦手だから』には同調しない」など、さまざまな事例を挙げて対処法を解説してあり、すぐにも実践できるように構成されています。

男の子向けの本でも「子離れ」の大切さを感じましたが、本書の場合はよりいっそう、それを強く感じます。第1章など、まるで「子離れのマニュアル」と言ってもいいでしょう。それだけ母娘の場合、子離れが難しいといえるのかもしれません。

「思春期は娘さんとの距離をとるためのよい練習期間です」と著者。親になって忘れてしまった、自分が子どもだったときのことを思い出させてくれる部分も多く、客観的に自分と娘の関係を見つめ直すきっかけになるのではないかと思いました。


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