第23回 親の器が試される中学受験、つらさはまず親が克服して!

子どもの能力を引き出す、やる気にさせる上手なほめ方・叱り方

第23回 やる気を引き出す「子どものほめ方・叱り方」(2013年9月6日)

今の中学受験、どうみても親子の二人三脚で乗り切らなければやっていけません。親も子どもも、がんばろうという気持ちを持ち続けなければ、目標には届きません。でも、親も子も、必ずつらいと思うときがあります。たとえば、模試で悪い点をとってしまったときです。

思わぬ悪い点を知った親は、つい子どもを叱ってしまいます。ショックが大きいと、言葉もきつくなります。でも、子どもはすでに悪い点でショックを受けているのです。子どもはつらい気持ちを抱えたまま、親に叱られます。

大人だって「ショックだ、もうダメかなあ」と思っているときに、追い打ちをかけるように職場の上司に叱られたら、やる気を取り戻すというよりは、やる気を失う可能性のほうが高くはないでしょうか?

叱って子どもがやる気を失ってしまったら最悪です。子ども自身がつらいと思っているときには、親は決して叱ってはいけないのだと思います。

中学受験がうまくいっていない時は、子どももつらい、親もつらい。
だったら、まず親がつらさを我慢して、克服して、
その態度を子どもに見せよう!

最近は聞くこともなくなりましたが、私が小さいときによく聞いたお話を紹介します。
家電が普及する前の日本の家庭は、炊事洗濯掃除が大変で、お母さんは朝から晩、いや深夜までずっと仕事をしていたと言います。そんな母親を見ている子どもたちは皆、率先して手伝いをしたそうです。
それが家電が普及し家事負担が軽くなって以降、日本の子どもたちは手伝いをいやがるようになりました。お母さんがそんなに大変な思いをしていると思えなくなったから、というお話です。
おそらく子どもは、親の口から出る言葉以上に、親がどう生きているかを見て、それを見習うのだと思います。

子どもも親も同様に点数にショックを受けたとしたら、そのショックから立ち直るために何をすべきか、まず親が態度で示して、子どもに見せてあげるのがいちばんいいのでしょう。
もちろん、悪い点にまったくショックを受けていない子どもの場合は、また違った対処法が必要だと思いますが。

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<<プロフィール>>高木 潤子(たかぎ じゅんこ)
若いころから週刊誌・女性誌で、子育て・インテリア・料理など幅広い分野の記事を取材執筆。仕事量を減らして二児を育て、インターエデュはお受験ママとして活用。現在も取材・編集・執筆と幅広く活躍中。

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