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「語学の獨協」の伝統を受け継ぎ、外国語教育に力を注ぐ獨協埼玉中学高等学校(以下、獨協埼玉)。その語学教育の一端を入学前に体験できる特別イベントとして、小学生を対象としたドイツ語、フランス語、スペイン語の「語学ミニ・レッスンin獨協大学」を開催しています。今回は6月に行われたレッスンの様子をお伝えするとともに、企画を担当された先生方に、イベントの目的や同校ならではの実践的な語学教育についてお話をうかがいました。さらに2027年度新たに導入される英語資格利用入試についてもお伝えします。

酒井直樹先生の写真
酒井直樹先生

数学科教諭。教頭として新入試制度の策定などにも携わる。

髙田晶子先生の写真
髙田晶子先生

社会科教諭。教頭としてイベントの企画・運営を担当し、獨協大学との連携窓口も務める。

岩田紀子先生
岩田紀子先生

英語科(英語・ドイツ語)教諭。イベントのオープニングでは、英語を使ったアイスブレイクを担当。

初めての外国語にワクワク!子どもたちの好奇心が動き出す

語学ミニレッスンは同校の併設大学でもある獨協大学で行われました。参加する小学生は4~6年生の合計16名。慣れない場所に緊張しながらも、初めての体験にワクワクしている様子でした。

アイスブレイク後、参加者は3グループに分かれそれぞれの教室に移動。David‧藤澤先生(ドイツ語)、田中善英先生(フランス語)、二宮哲先生(スペイン語)が各教室を順番に回りながら、20分ずつのミニレッスンを実施しました。いずれの先生も実際に獨協大学で教鞭を執る、語学教育の専門家です。

アイスブレイク中の岩田先生とアシスタントの高等部3年生の写真
レッスン前に英語でアイスブレイク。進行は岩田先生とアシスタントの高等部獨協コース3年生のF.K.さん。岩田先生のドイツ語の授業も受けている
自己紹介をしあう参加者たちの写真
英語で自己紹介。どちらが先に紹介するか英語版の“じゃんけん”で決めていました。初めてのじゃんけんに戸惑いを見せていましたが、次第に慣れた様子

ドイツ語のレッスン

英語に似た「Hallo」などの挨拶から、「Wie heißt du?」(名前は?)といった基礎的な表現へとステップアップ。食べ物をテーマにしたカードゲームでは、「Ich mag …」(私は~が好き)という表現を使って好きな食べ物を伝え合い、大盛り上がり。藤澤先生は「ドイツ語は英語と文法や単語が似ています。比較しながらパズルのように組み立てて勉強すると面白いですよ」とアドバイス。最後は「Tschüss!」(バイバイ)と笑顔で締めくくりました。

ドイツ語ミニレッスンでカードゲームをする藤澤先生と子どもたちの写真
覚えたてのドイツ語を使いながら食べ物をテーマにしたカードゲームを行う子どもたち

フランス語のレッスン

田中先生の「フランスはどこでしょう?」という問いかけで、周囲の国の言葉を意識することから始まりました。「Bonjour」(こんにちは)など基本的な挨拶や会話に挑戦し、さらにクロワッサンやエクレアなどのフランス由来の身近な食べ物の意味や語源が紹介されると、子どもたちは興味津々。言葉が生まれた歴史的‧文化的な背景に触れる楽しさを感じられたようです。最後は「Merci」(ありがとう)、「À bientôt」(またね)と声をそろえてレッスンを終えました。

フランス語の講義をする田中先生とレッスンを受ける子どもたちの写真
田中先生のフランス語授業。クロワッサンやエクレアの語源など身近なフランス語の食べ物を題材にクイズ形式で出題していた

スペイン語のレッスン

「ローマ字読みで発音できる」という親しみやすさや、王様にも誰にでも「Hola」(こんにちは)と挨拶する文化が紹介されました。「Me gusta」(~が好き)、「Quiero」(~が欲しい)などの表現をチュロスなどの食べ物名と組み合わせて練習し、会話のキャッチボールを楽しみながら学びました。二宮先生は、「ボールを蹴りあうように会話もやり取りを楽しんで。言葉はいっぱい間違った方が早く身につきます」と言語習得のコツを語りました。

スペイン語の講義をする二宮先生とレッスンを受ける子どもたちの写真
よく知っている食べ物の中にもスペイン語が。先生の質問にも積極的に答えていた

あっという間の外国語体験を終えた子どもたちは、「もっとやりたい!」「他の国の言葉も知りたい」と、まだまだ学び足りない様子。見守っていた保護者からも、「英語以外の言語にふれて『学ぶこと』への実感が湧き、受験へのモチベーションが上がった」「説明会だと子どもは興味を示さないが、こうしたイベントならと思い応募してみたところ、進んで参加してくれて良かった」といった声が聞かれました。

生徒たちのポスターを掲示しているボードの写真
獨協埼玉の生徒が社会科の授業で制作した、独‧仏‧西の食文化に関するポスターも展示

獨協大学との理念共有‧連携が生み出す“本物の語学体験”

イベント終了後、酒井先生と、企画した髙田先生、進行役を務めた岩田先生に、イベントの目的や同校ならではの実践的な語学教育についてお話をうかがいました。

今回のイベントの目的についてお聞かせください。また、手応えはいかがでしたか。

髙田先生の写真

髙田先生

獨協学園が長年大切にしてきた外国語教育の一端を、子どもたちにも体験してもらいたいという思いから企画しました。単に言語を学ぶだけでなく、新しいことを知る楽しさや、学びが広がる可能性を感じてもらうことが目的です。今回の体験が、未来の学びにつながる「種まき」になればうれしいです。

岩田先生の写真

岩田先生

参加いただいた皆さんの様子を見て、大きな手応えを感じました。「挨拶と食べ物」を共通のテーマにしたことで、それぞれの言語の類似点や違い、その背景に文化や歴史があることを感じてもらえたと思います。多言語に触れて“世界の見え方”が少しずつ広がり、その経験は英語力を高めることにもつながるはずです。

岩田先生の写真
「ドイツ語を学ぶと日本語や英語とは違う見方を実感できる。そこに他の言語を学ぶ意義があると思います」(岩田先生)

獨協大学と連携して企画されたそうですね。

髙田先生の写真

髙田先生

獨協大学の併設校として高大連携は盛んに行っており、特別講座や出張講義、模擬裁判や論文指導など、多面的な連携がなされています。高校生が教授に直接相談しにいくことも珍しくありません。今回の企画に対してもこれまでの連携の成果が発揮されたと思います。
社会科教諭の私から見ても、言語は知的好奇心の土台でもあると思います。その成長段階に応じて、適した学びが提供できるのは、獨協の大きな強みと言えるでしょう。

高田先生の写真
「獨協大学初代学長が”君たちは可能性そのものだ”という言葉を残しています。いろいろなことに挑戦し、その学びの場として獨協埼玉を選んでくれたら嬉しい」(髙田先生)

大学で行うということも意味があるのでしょうか。

髙田先生の写真

髙田先生

中学受験を考えているご家庭は、将来大学進学のことも考えていらっしゃると思いますが、小学生にとっては遠い先のことですよね。でもこのイベントをきっかけに大学の先生に直接学び、雰囲気を感じ取ってもらえればと思いますし、大学と本校の結びつきを知ってもらえればと思っています。
この「語学ミニ‧レッスン」は今後も開催しますので、ぜひ多くの子どもたちに外国語を学ぶ楽しさを知ってもらえればと思います。

イベントを通じて、進学先として獨協埼玉に興味を持った方も多いようです。

酒井先生の写真

酒井先生

それはとても嬉しいことです。今回体験していただいたのは、獨協の外国語教育のほんの一端ですが、言葉を通して世界とつながる楽しさや、本校が大切にしている学びの雰囲気を感じていただけたのではないでしょうか。

岩田先生の写真

岩田先生

本校の英語教育では5ラウンドシステムの採用や英検対策講座、英語ネイティブ講師による授業など、独自のカリキュラムを設けています。また選択科目ながらドイツ語の授業もあるので、語学を学びたい方には最適な環境が整っています。また、習熟度に応じて多彩な「外国語を活かす機会」が多いことも魅力だと思います。英語もドイツ語もペアワークを積極的に取り入れ、会話を通じて人間関係をつくることを意識しています。

ネイティブの先生と話す生徒の写真
ネイティブの講師が担当する少人数制の英会話授業

語学が好きな子にこそ選んでほしい“獨協埼玉という選択肢”

2027年度の中学入試では「英語資格利用入試」を新設されますね。

酒井先生の写真

酒井先生

小学生の英語への関心の高まりや、語学教育に強みを持つ本校の特性を鑑み、従来の4科目(国算理社)入試に加えて、英検取得者を対象とした「英語資格利用入試」の実施をします。これは英語力を評価するのではなく、あくまで英語への関心の高さをもって学習意欲や知的好奇心を測り、新たな入学経路を提供するというものです。

酒井先生の写真
「英語資格利用入試によってさまざまな層に本校のことを知ってもらえたらと考えています」(酒井先生)

また、本校では、入試制度によるコースの区別を設けていません。どの入試で入学した生徒も同じ環境で学び、さまざまな経験を積んでいきます。英語が得意な生徒も、これから伸ばしていきたい生徒も、それぞれの興味や意欲を大切にしながら、自身の学びを深めてほしいと考えています。
この新入試が獨協埼玉を選ぶきっかけになれば嬉しいです。

編集後記

初めは緊張していた子どもたちが、授業が進むにつれみるみる目を輝かせ、進んで発言していたことが印象的でした。獨協大学と獨協埼玉が企画段階から協力してつくられたミニレッスンは、小学生の興味関心を自然に引き出す工夫に満ちており、「語学の獨協」が培ってきた教育の厚みを実感しました。