「Be a Pioneer.(開拓者たれ)」を開学の精神として掲げ、新たな世界に向けて”挑戦する力”の育成を目指す金沢学院大学附属中学校・第二高等学校(以下、金沢学院大学附属中第二高)。全国から生徒が集い、英語ネイティブ教員との交流やチューターの支援などを通じて、自立心と主体性を育む“国内留学”のような環境を実現しています。多彩な学びと進路を支える学校の取り組みについて、村中幸子校長と新島副校長にうかがいました。

石川県で県立高校2校の校長を歴任後、2016年より金沢学院大学附属高等学校(第一高校)の副校長、後に校長を務める。2026年より現職。

千葉県や東京都の中学校・高校で入試広報室、教頭、副校長などを歴任。ICT教育やキャリア教育、探究学習の推進に尽力し、2026年より現職
金沢学院大学附属中第二高は、伝統が息づく金沢の地に、「開拓者として挑戦する力を育むこと」を掲げて2022年に設立されました。2026年4月には第二高校が開校し、同校が目指す中高一貫教育が本格的に始動しています。
中学校開校時から責任者として新たな教育モデルの確立に取り組んでこられました。これからの時代に向けて、どのような学びが必要だとお考えですか。
村中校長
予測不能と言われる時代に、デジタル化やグローバル化が進む中で、AIやコンピューターを使いこなす力、そして英語を含めたコミュニケーション力も欠かせません。正解がない中で、自ら課題を見つけ、仲間と協働しながら解決に向けて行動すること。その中核にあるのが、『不思議を見つけ、問いをもつ力』です。あらゆるものがバーチャルに体験でき、すぐに”正解らしきもの”を得られると錯覚してしまう中で、多様な体験を通じて対象や自分自身に向き合い、思索する時間が重要だと考えています。
そのための学びの場として、金沢学院大学附属中第二高の教育環境にはどのような特徴があるのでしょうか。
村中校長
本校は、北陸最大の都市である金沢の郊外にあり、多彩な刺激を受けながらも豊かな自然に囲まれ、勉強や部活に没頭できる環境にあります。その中で、多彩な学びを体系的に提供できるのが、私たちが目指す中高一貫教育の強みだと考えています。さらに同校には全国から生徒が集まり、個室寮での生活を基盤として、自立心と主体性を育む学びが展開されています。
中高6年間を通して、具体的にはどのような教育が行われているのですか。
村中校長
生徒が自ら問いを立て、深く考え、「やりたい」と思ったことに仲間と協働しながら挑戦するためには、そこに至るまでの成長を段階的に支える枠組みが必要です。そこで本校では、中高6年間を「基礎・充実・発展」の三段階に分け、生徒たちの成長を着実に促す教育体系を整えています。
新島副校長
基礎期には、探究や挑戦へと学びを発展させるための土台づくりに取り組みます。たとえば、毎日の朝学習ではオリジナルの問題集で満点を取ることを目標に、基礎学力の定着を図ります。「毎回満点なんて厳しいのでは」という声もありますが、生徒たちはゲーム感覚で取り組んでいますよ。「生活ノート」を使った学習管理なども活用し、一人も取りこぼすことなく、自立して学ぶための基礎と習慣を身につけます。
村中校長
充実期は、多彩な学びや体験を通じて自身の興味関心を深め、進路を意識しはじめる時期です。そして、発展期には、社会や他者に伝えるアウトプットを重視した学びへと展開させ、志望する進路を拓くための学習に注力していきます。中高6年間で、探究学習やキャリア講座、ICT教育、グローバル教育など多彩な学びを通じて、自らの問いを極め、未来について考えていきます。とりわけ大学との連携講義は、物事の根本に迫る問いを投げかけるものも多く、生徒たちの根幹に大きな刺激を与えるものになっています。
村中校長
そうした経験の積み重ねで主体的に学ぶようになり、得意なことや個性がより鮮明になっていきます。そして、育まれた関心や強みは進路選択の軸となり、大学での学びや将来のキャリアを具体的に描く力へとつながります。
英語・グローバル教育、ICT教育などについては、具体的にどのようなことを行うのでしょうか。
村中校長
英語教育では、オールイングリッシュ授業やネイティブ講師による少人数授業など、多様な学びを実施し、英語劇などで、自分の意見や感情を英語で表現する機会も設けています。ブリティッシュヒルズや海外への研修旅行なども実施し、コミュニケーションのツールとしての英語力を高め、実践することを重視しています。
新島副校長
ICT教育では、端末やアプリ、ツールなどが潤沢に整備され、それらを活用した学習機会を充実させています。さらに来年度には大学の情報工学部の施設である「イノベーションセンター」が竣工し、中学生からICTを駆使した研究に自由に取り組める環境が整います。生徒の「やってみたい」という思いを形にする場であり、大学の支援を受けながら、ICTを活用した創造的な活動や国際交流プログラムなどにも挑むことができます。
金沢学院大学附属中第二高は、伝統が息づく金沢の地に、「開拓者として挑戦する力を育むこと」を掲げて設立されました。2026年4月には第二高校が開校し、同校が目指す中高一貫教育が本格的に始動しています。
中学から個室寮が用意されています。そこでの生活についてお聞かせください。
村中校長
本校では、寮生活も学校教育の一環と位置づけ、授業と放課後の校内塾、寮内での学習の三層で生徒の成長を支えています。現在、男女合わせて約100人の生徒がそれぞれ個室で自立した生活を行い、協力しあって過ごしています。毎日、夕食後に90分程度の寮内学習時間を確保しており、教員や大学生チューターが個別に指導を行います。食堂では管理栄養士監修のもと、出来立ての温かな食事が提供されます。アレルギーや好き嫌いにも対応し、苦手なものが食べられるようになったり、各県の郷土料理を取り入れたり、食育の場にもなっています。
新島副校長
来年からネイティブの寮監が常駐する予定で、留学生や帰国生の受け入れも進んで、ますます寮生活そのものが英語の実践の場になります。関東圏をはじめ全国から多様な生徒が集まるなど、日本にいながら異文化にふれる「国内留学」のような環境ができつつあります。
寮では、寮長・寮委員会が中心となって自治体制をつくり、寮祭や掃除分担、歓迎会、クリスマス会などを企画・運営しています。その過程で見られる生徒たちの成長は、本当に眩しいほどです。規律と自由度のバランスについては悩みどころですが、できるだけ生徒たちの自主・自立を重んじていきたいと思っています。
2027年度からの新たな入試制度についてお聞かせください。
新島副校長
本校の学びは、実は入試からはじまっています。合格基準を明確化し、他者との競争ではなく「自分が基準を達成したか」という絶対評価です。さらに、12月のチャレンジ入試から複数回受験の機会を設け、学力の段階的な成長を促します。また試験終了後に生徒自身がどの科目を1.5倍にするかを選択する「得意科目1.5倍入試」では得意科目を自覚するきっかけになり、入学後の指導にも活用されます。
村中校長
いずれの入試も併願制としているのは、学校のことをよく知ったうえで、最終的に本校を選んでもらえるという自信があるからです。受験生の皆さんには、周囲と比べず、自分自身の成長を大切にしてほしいと思います。入試を得意なことや課題に気づく機会と捉え、失敗を恐れずチャレンジしてほしいですね。そんな皆さんの未来の夢を全力でサポートします。




