駒東の中1生は夏の大自然で成長!「学びの基本」を知る霧ヶ峰林間学校

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男子中高一貫校の駒場東邦中学校・高等学校(以下、駒東)が伝統行事としているのが、中学1年生を対象とした霧ヶ峰林間学校です。長野県の山野を舞台に、登山や高原散策、自然観察に取り組むほか、宿舎では自然、歴史、地理などの視点から諏訪地域に関する学習会を行う実地研修で、帰京後にはその調査結果を研究レポートにまとめます。霧ヶ峰林間学校を通してさまざまな財産を得た2名の中学1年生に話を聞きました。

  • R.N.さん(中学1年生)

    R.N.さん(中学1年生)

    クラブ部活動:バドミントン部、化学部
    駒東を選んだ理由:小学5年生のときに駒東の文化祭に初めて来た時に、先輩たちがとても楽しそうだったので、自分もこの学校で6年間を過ごしたいと思いました。

  • Y.B.さん(中学1年生)

    Y.B.さん(中学1年生)

    クラブ部活動:サッカー部、生物部
    駒東を選んだ理由:全国大会にも出場しているサッカー部でプレーしたかったのと、文化祭での水族館のような展示が素晴らしかった生物部で活動したかったからです。

『観察手帳』や学習会のおかげで
自然観察が充実

7月下旬に長野県で2泊3日の霧ヶ峰林間学校が行われました。その中で特に印象に残っていることは何ですか。

  • R.N.さん

    R.N.さん

    2日目の車山の登山と3日目の八島ヶ原湿原のトレッキングです。個性ある植物や動物を見たり、鳥や虫の声、それから水の音を聞いたりしながら歩く時間を通して、自然を五感で感じることができました。

  • Y.B.さん

    Y.B.さん

    僕も車山の登山は心に残っています。山頂から見た景色はとてもきれいでした。人間の活動で地球環境が変わる環境問題が指摘されていますが、ああいった大自然を見て、人間と自然はどうやったら共存できるのかを考えるようになりました。

  • R.N.さん

    R.N.さん

    車山でも八島ヶ原湿原でも、植物のスケッチが課題に出されたのですが、その際には事前に配布された『観察手帳』がとても役に立ちました。『観察手帳』の課題があったからこそ、自然にしっかり目を配りながら歩くことができたと思います。

  • Y.B.さん

    Y.B.さん

    『観察手帳』は「自分だったら気づかないだろうな」という部分についての説明や設問が多いんです。『観察手帳』は「気づきのヒント」のような役割で、それをベースに散策することで、新たな学びを得るには「気づき」が大切だということが分かりました。

大自然の中で調査を進める生徒たち
霧ヶ峰林間学校は長野県の山野を舞台に行われます
植物のスケッチに励む生徒たち
行事の間は植物のスケッチが課題に出されます
6人の班で記念撮影。右から2番目はY.B.さん
班ごとの団体活動が基本
植物をスケッチ中のY.B.さん
Y.B.さんは2泊3日の経験を通じ、人間と自然との共存を考えるようになりました
  • R.N.さん

    R.N.さん

    学びが大きかった3日間だったのは間違いないです。夜は宿舎で学習会が行われて、植物の名前に始まり、その名前の由来やどのあたりに生えているかなどを教えてもらったので、予習をして登山やトレッキングに臨めた感じでした。事前に調べてからフィールドワークを行った経験は、来年の志賀高原での学習などにも生きると思います。

  • Y.B.さん

    Y.B.さん

    僕は班ごとの団体活動を通して人間的に成長できたと感じています。もともとリーダーシップをとるのは得意なほうですが、意見が食い違ったような場面でうまくみんなをまとめて自分たちで向き合うことができました。それから、自然の見方が変わった点も成長だと思っています。先ほども言ったとおり、自然と人間はどうやったらうまく共存できるのかを深く考えるようになりましたし、その必要性を広く伝えたいと考えるようになりました。

学習会1日目の様子。生徒全員が参加しています
夜は宿舎で学習会が開催されました
学習会2日目の様子。先生が鳥の説明をしています
学習会は翌日の予習のような位置づけです
学習会で真剣に話を聞く生徒たち
学習会でのインプットはレポート作成にも役立ちます
学習会の夜、約15人の生徒が先生の前で説明を受けています
先生の説明に真剣に耳を傾けます

霧ヶ峰林間学校では「地衣類を調べる」「森の構造を調べる」「車山の気象を調べる」「川・湖の水質を調べる」という4つからテーマを1つ選び、調査をした上で研究レポートを書くという課題もあります。

  • R.N.さん

    R.N.さん

    僕は「川・湖の水質を調べる」を選びました。東京の川などと比較することで気づくことがあると考えたからです。レポート執筆にあたっては『研究レポートの書き方』というガイドが配られたので、その解説がとても役に立ちました。

  • Y.B.さん

    Y.B.さん

    僕も同じく「川・湖の水質を調べる」を選択しました。小さいころから水生生物に興味を持っていて、水質が生態系にどんな影響を与えているのかを知りたかったのがその理由です。

右から『観察手帳』『霧ヶ峰林間学校』『研究レポートの書き方』
『観察手帳』や『研究レポートの書き方』は学びのガイドになります
水質検査キットで水の成分を調べました
R.N.さんもY.B.さんも「川・湖の水質を調べる」をテーマに選びました
水質検査の結果を班単位で観察しました
複数人で物事を見ることで新たな気づきも得られます

50年近くの歴史を持つ霧ヶ峰林間学校に
込められた意図とは?

  • 中学に入学して3か月ほどで行われる霧ヶ峰林間学校について、毎年同行している生物科の堤裕史先生に話をうかがいました。

  • 50年近くの歴史を持つ霧ヶ峰林間学校にはどのような意図が込められているでしょうか。

    堤先生 簡潔に言うと、「気づき」が学びの最初にある、ということを分かってもらう行事です。ただ歩くとかただ物を見ているだけでなく、何かしら関心を持って自然に触れてもらう時間を通じて、学びの自走力をつけるきっかけになればと考えています。

  • そうした意味で、中学に入学して3か月ほどのタイミングで行われるのですね。

    堤先生 そのとおりです。もちろん、ゼロからというのは難しいですから、『観察手帳』や『研究レポートの書き方』といった学びのガイドを渡しています。小ぶりの『観察手帳』は初版発行が1978年のものを毎年更新しています。今年は64ページの構成で、具体的な説明や設問が掲載されています。霧ヶ峰林間学校の3日間は、野外調査をする中で気づき、記録をとって考察し、まとめて発表する、という学びの基本を身につける場です。この経験や学んだことは、1年をかけて研究旅行論文を書く中学3年の奈良・京都研究旅行につながり、さらに、日頃の成果の発表や来校して下さる方に楽しんでもらう場である文化祭、仲間と議論しながら行き先や何を学ぶのかを決める高2の修学旅行、そして、下級生全学年を引っ張っていく高3の体育祭へと発展し、活かされていきます。

旧御射山遺跡を見学する生徒たち
霧ヶ峰林間学校は、学校生活での共同作業の質を高めるための土台作りの場所になっています
東山山頂での記念撮影。中央がR.N.さん
東山山頂での記念撮影。中央がR.N.さん

受験生やその保護者に伝えたい
「駒東らしさ」

駒東には「自分で考え、答えを出す」という校風がありますね。

  • R.N.さん

    R.N.さん

    授業でも意見を共有する前に一人ひとりが考える時間が設けられます。定期試験前の学習計画表を作成して提出することも「自分で考え、答えを出す」行為の一つですし、そうして伸びた主体性が大学受験の際の踏ん張りなどにつながると思います。

  • Y.B.さん

    Y.B.さん

    自立した先輩が多く、何事にも熱量を持って取り組む姿には憧れます。サッカー部にもレギュラーであると同時に成績も良く、文武両道を実践している先輩がいて、「かっこいいな」と思って見ています。

  • 堤先生

    堤先生

    駒東では文化祭も体育祭も修学旅行も生徒たちに任せています。任せられた生徒たちは責任感が強まり、心のたくましさが身についていきます。

  • R.N.さん

    R.N.さん

    クラブ活動が多い点も魅力だと思います。やりたいことがある場合は、そのクラブ活動に入ればいいし、まだ見つかっていない場合でも、経営活動部、文化部、体育部、同好会といった多くの選択肢からきっとやりたいことが見つかるはずです。

  • Y.B.さん

    Y.B.さん

    学びの環境で言えば、9個の理科実験室がありますし、理系の分野では特に専門性の高い先生が多いので、理科好きの人にはとても向いている学校だと思います。

  • 堤先生

    堤先生

    「自分で考え、答えを出す」といっても、放任しているわけではありません。勉強でつまずいている生徒がいたらきちんとフォローしますし、学習でまだ十分ではない項目や、より発展的に勉強したい項目を取り上げて夏期講習も行っています。そうして学びを深めた結果、志望の大学に進学した先輩たちがたくさんいます。

東山山頂で気象レーダー観測所に向かう生徒たち
車山の山頂には気象レーダー観測所が建っていました
諏訪大社下社秋宮を見学する生徒たち
2泊3日の期間中は諏訪大社下社秋宮などにも足を運びます

編集後記

2026年度、東京大学に39名、京都大学に12名の卒業生を送り出したように進学校として知られている駒東においては、「自分で考え、答えを出す」という学びの原点が、『観察手帳』や『研究レポートの書き方』といった学びのガイドを頼りに自然に向き合う霧ヶ峰林間学校にあることが分かりました。2026年度の学校説明会は10月に開催。各回300名(150組)の募集となっていますので、お早めのご予約をおすすめします。

イベント情報

  • 2026年10月17日(土)第2日

    • 4回目 12:30~14:00(受付開始|12:00)
    • 5回目 15:00~16:30(受付開始|14:30)
  • 2026年10月18日(日)第3日

    • 6回目 9:30~11:00(受付開始|9:00)
    • 7回目 12:00~13:30(受付開始|11:30)
    • 8回目 14:30~16:00(受付開始|14:00)