連載インタビュー 第1回 浅野中学校・高等学校
inter-edu's eye
神奈川県有数の男子進学校として高い評価を得ている浅野学園。90余年の歴史と伝統がありながら選抜クラスを立ち上げたのが約30年前。以降、東京大学をはじめ、国公立大学や私立難関大学などの合格者を輩出し、進学校として急成長を遂げている。躍進を見せる同学園の教育にインターエデュが迫った。
【第1回】創立から受け継がれる教育方針『世の中に出て人の役に立つ人間の育成』
インターエデュ(以下、エデュ):私学の魅力について教えてください。
阿部義広校長:私学はそれぞれの学校の個性で成り立っていると思います。その個性の素地となるのが建学の精神です。創立者の思いが込められた建学の精神が核となり、それをぶれることなく受け継いでいるのが私学の魅力であると考えています。
浅野学園の場合、実業家の浅野總一郎によって創立されました。浅野總一郎は、試行錯誤しながら起業していき、日本の近代化に関わっていく中で最終的に会社や国を動かすのは人間であると考え、浅野学園を創りました。
初代校長は水崎基一が務め、浅野自身は教育について直接語ってはいませんが、「世の中に出て人の役に立つ人間をつくりたい」という思いは創立から90余年経った今でも色あせることなく息づいています。
時代の流れに沿って生徒の気質や保護者の教育意識の高まりなど変化している部分もあると思います。しかしながら「自主独立の精神、義務と責任の自覚、高い品位と豊かな情操とを具えた、心身共に健康で、創造的な能力を持つ、逞しい人間の育成に努む」という教育方針は創立以来揺らぐことなく受け継がれています。
エデュ:浅野学園について語るときのキーワードとして「各駅停車」と「文武両道」が挙げられるかと思いますが、どのような意味合いを持つのでしょうか。
阿部校長:「各駅停車」は、前々代校長が学校説明会で保護者に向けてわかりやすくたとえた言葉です。
本校は大学進学校ですが、大学に向かって「超特急」で進む学校ではありません。「各駅停車」で、時には途中下車していろいろなことを考えたり、景色を眺めたりするような学校です。
つまり、勉強に終始して6年間過ごすだけでの学校ではないということです。クラブ活動や学校行事などを大事にしながら勉強も頑張る。そんな6年間にしてもらいたいという意味が「各駅停車」に込められています。実際、ほとんどの生徒がクラブに所属していますし、中には2つのクラブに所属している生徒もいます。勉強だけでなく、クラブ活動や学校行事などを大切にするということは「文武両道」にもつながっています。
ただ、これからは「各駅停車」という言葉だけでなく、プラスαになるものを加えていかなければと思っています。たとえば、生徒のコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を高めること、実用的な言語教育や芸術に触れる感性教育等々、カリキュラムの外で本校の特色になるようなプラスαを打ち出していくことが今後の課題であると感じています。
⇒第2回「進学校として急成長を遂げるその秘訣とは?」
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