塾の宿題への取り組み方は学年に応じて変える

2017年1月18日発行のバックナンバーです。
本連載は次回(2018年1月26日)の更新を持ちまして終了いたします。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2017/1/18号
塾の宿題への取り組み方は学年に応じて変える
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】 有形無形 (ゆうけいむけい)

「その合格祈願のお守り、ご両親が買ってきてくれたんでしょう?」
「そうなんだ。家族からの有形無形の支えがあったから、入試当日も頑張れそうだよ!」

有形無形とは、形のあるものと、形のないものを意味します。

年が明けてから初詣や合格祈願に出かけた方も多いかと思います。昔から合格祈願において人気を集めてきたのが、学問の神様として有名な菅原道真を祀った神社です。

菅原道真は平安時代に活躍した政治家で、優れた頭脳を持ち、勤勉で、異例の出世をしたことでも有名な人物。菅原道真が祀られている神社は、全国に約12,000社あります。

とりわけ有名なのは、太宰府天満宮(福岡県)や北野天満宮(京都府)、湯島天神(東京都)です。普段の勉強に加えて、学問の神様に神頼み&お守りをゲットしておくと、テスト中に思わぬ助けがあるかもしれません。

合格祈願はいつ行くのが効果的かと迷っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫、いつでもOKです。

合格祈願はモチベーションをあげる効果も期待できますから、体調などと相談して予定に組み入れてみてはいかがでしょう。

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お子さまは、塾の宿題にどのように取り組んでいますか? 実は、成績を伸ばすためには、宿題への取り組み方を学年に応じて変えていく必要があります。

まず、受験勉強がスタートしたばかりの4年生。スケジュールにまだ余裕がありますから、宿題は基本的にすべて行うようにしましょう。

4年生のころの勉強時間の目安は、塾がある日は帰宅後に約1時間、塾がない平日は2~2時間半で、土日のうち1日はほとんど勉強をしない日にしてください。これ以上長い時間を勉強にあてると、5・6年生になったときにつらくなってしまいます。

勉強時間の長さよりも、勉強に取り組む姿勢に重点を置いて、お子さまのようすに気を配りましょう。宿題は、終わらせることだけが目的になってしまうと、なかなか学力がつきません。

『この問題がテストで出たら、必ず自分で正解を出せる』という状態を目指して、1問1問ていねいに取り組むよう、導いてあげてください。

宿題の量がグッと増え、難易度も上がる5年生。宿題のなかに今取り組むにはレベルが高すぎる問題も含まれているため、多くのお子さまが、宿題を全部終わらせることは実質不可能といった状況になってきます。

子どもの習熟度、理解度、志望校のレベルに合わせて、宿題を取捨選択する必要があります。授業でしっかり理解できているものは繰り返しすぎず、あいまいなものに集中し、まったくわからないものは捨てましょう。

優先すべき問題の取捨選択が難しければ、塾の先生に相談するのがおすすめです。

現在、最後の追い込みをかけているであろう6年生。直前期になると気持ちが焦り、あれもこれもやろうとしてしまいがちです。

いろいろなことに手を出すと、それぞれが中途半端になってしまいますから、その日に何を勉強するかを書き出してリストを作り、区切りをつけるようにしましょう。リストの中で終わったものには蛍光ペンなどで線を引き、終わったことが目に見えてわかるようにすると、達成感も味わうことができます。

お子さまが「今日はやるべきことは全部やったから大丈夫」と安心することにもつながるので、おすすめの方法です。

宿題に追われる毎日を送る受験生ですが、息抜きの時間や、ご家族で過ごす時間もとても大切です。

「受験生だから、一切友だちと遊びに行ってはダメ」「受験が終わるまで、家族旅行には行かない」と、早いうちから勉強一筋になる必要はありません。出かける前の週に課題を少しずつ消化したり、出かけた翌週の勉強時間を少し延ばすなどして対応し、ぜひ外に出かけてください。

外で遊ぶことや旅行はお子さまにとってよい気分転換になりますし、中学受験をする上で大切な生活知識や身体感覚を養うこともできます。

通塾の目的は、宿題を全部やることでも、塾のテストでよい点数をとることでもありません。『志望校に合格すること』です。

あまり生真面目に「宿題を全部やらなきゃ」と思わなくても大丈夫です。今回お伝えしたやり方で宿題ができるよう、お子さまをサポートしてあげてください。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【 1~3年生 】 宿題の音読をきちんと行っていますか?

小学校低学年のうちからていねいに行っていただきたいのが、音読です。スムーズに音読する練習は、周辺視野や語感を鍛え、助詞の使い分けの習熟にも役立ちます。

黙読での読解力も伸びるので、小学校低学年のうちから習慣づけるようにしましょう。時折、お子さまが雑に行っているようすがないか、チェックをお願いします。

毎日の宿題で飽きているようなら、気持ちを込めて読んでみたり、お母さまと早く読む競争をするなど、工夫をしてあげてください。

【 4年生 】 転塾を検討する際に注意すべきこと

成績が思うように伸びず、新5年生から別の塾に移ろうかと悩んでいる方はいらっしゃいますか?

転塾は、成績低迷の原因が塾にある場合には効果がありますが、そうでない場合は大きなリスクを伴います。まず成績低迷の原因をしっかり突き止め、そのうえで検討するようにしてください。

転塾する際は、通っている塾よりもカリキュラムが進んでいる塾へ転塾するのは避けましょう。子どもへの負担が大きくなりすぎます。

その逆であれば、効果が出る可能性はあります。

【 5年生 】 志望校を話し合ってモチベーションをあげる

もう少しで新6年生。受験本番までの大切な1年間を気持ちよくスタートするために、お子さまと一緒に志望校について話し合ってみてはいかがでしょうか?

お子さま自身が「このあたりだったらいけるかも」「ちょっと頑張れば何とかなりそう」と思える偏差値の学校を第一志望に選べば、モチベーションもグッと上がります。

すでに志望校が決まっている場合は、お子さまが志望校に対して現在どのような気持ちを抱いているかを聞き、この1年間をどのように過ごしていくのか、一緒に対策を考えてみましょう。

前向きな気持ちで新6年生に進級できるように、お母さまの声かけで導いてあげてください。

【 6年生 】 子どもを励ます一言とは?

1月に入り、すでにいくつかの学校を受験した方、これからが受験本番だという方など、いろいろな方がいらっしゃると思います。

前回のエデュまがでもお伝えしましたが、受験は最後まで粘ることが大切です。

親御さんは「あなたなら、何とかなる!」という言葉で、お子さまを励ましてあげてください。「僕なら・私ならできるはず!」と、諦めない気持ちを持てるようにしてあげてほしいのです。

そのために、親御さんの声かけはとても大切です。「何とかなる!」では一般論になってしまうので、必ず「あなたなら」をつけて、ポジティブな声かけをお願いします。

【 6年生 最難関志望 】子どもが緊張に弱い場合の対策法

第一志望校の受験日が近づいてきている方も多いと思います。受験本番前に、当日のイメージトレーニングを行いましょう。

当日は、周囲の子が問題を解く際の鉛筆の『カツカツ』という音で緊張して、普段は落ち着いて読めるはずの問題が読めなくなってしまう子もいるほどです。緊張に弱いお子さまは、特に入念にイメージトレーニングを行うことをおすすめします。

朝起きて、計算問題を2,3問解いて、長く難しい文章を読む。
朝食をとって家を出て、駅で電車に乗って降りる。
試験会場に到着し、席に座って、トイレに行って試験を待つ。
「はい、試験始め」という声で試験が始まり、周りで鉛筆がカツカツ鳴り始める。

ここまでの動作を、お子さまと一緒にイメージしてみてください。今のうちに第1・2志望の学校の校門まで行って、駅から校門までの道順を知っておくことも、当日の緊張を和らげる効果があります。

この時期になるとお母さまの不安感も高まると思いますが、お子さまが不安になるようなことは一切言わないであげてください。

信頼するお母さまから「植物の単元、大丈夫なの?」「苦手な歴史の年号をもっとおさらいしておいたほうがいいのでは?」などと言われると、お子さまはますます不安になってしまいます。

前向きな言葉をかけて、自信がつくようにしてあげてください。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

息子が中学受験を決めた理由は、サッカーの強い中高一貫校に入って6年間部活に打ち込みたいというものでした。

4年生から通塾を始めましたが、サッカーが大好きな息子は幼稚園から通っているサッカースクールにも、所属している地域のサッカーチームの試合にも、休まず参加。

塾のテストがサッカーの試合と重なってしまった時は事前に受けさせていただくなど、塾の手厚いサポートもあって、4年生のうちは両立することができました。

しかし、5年生になるとサッカースクールと塾の日程が重なってしまい、ちょうど受験に専念するのによいタイミングだろうと考え、「サッカーは受験が終わるまでお休みしよう」と息子を説得し、サッカーを辞めることにしました。

しかし、サッカーを辞めたストレスからか、息子は覇気がなくなり、成績が落ち始めてクラスも下がってしまいました。そんな息子を見かねていた頃、憧れの学校の文化祭に連れて行ったのですが、これが大正解でした。

同じ地域のサッカーチームに所属していたT先輩がその学校に入学しており、校内で息子を見つけて、「合格したら一緒にサッカーやろうな!」と、声をかけてくれたのです。

学校の活気ある雰囲気に加え、先輩にうれしい言葉をいただいたことで、息子は帰り道で「絶対にこの学校に入る!」と宣言。私が言わなくても宿題を進んでやるようになり、6年生になる前には一番上のクラスに上がりました。

文化祭以降、T先輩は近所で会うたびに「勉強どう?」と気遣ってくれたり、「この間、K中学校と試合をしたんだよ!」と、中学での話を聞かせてくれたりしたので、息子は気持ちを切らすことなく、高いモチベーションのまま受験本番を迎えることができました。

無事に合格をいただき、勉強で成果を出す喜びを知ったからか、中学校ではサッカーも勉強も頑張っています。

憧れの学校に通う先輩が身近にいる場合、その先輩と話すことで子どものやる気を引き出すのもいい方法なのではないでしょうか。(ちゃみ)