要注意!子どもを追いつめる言葉

2016年10月12日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/10/12号
要注意!子どもを追いつめる言葉
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】東奔西走 (とうほんせいそう)

「運動会、体育委員長の黒木くんが東奔西走していたのが印象的だな」
「大活躍だったよね。天気にも恵まれてよかったなぁ」

東奔西走とは、仕事や用事などの目的を果たすために、あちこち忙しくかけ回ること。『奔』も『走』も走ることを意味します。

10月10日は体育の日でしたね。暑さも一段落した秋は過ごしやすく、スポーツを楽しむのに適した季節です。

単に涼しいだけでなく、運動によって代謝を高めるのに最適な時期でもあります。お子さまと外に出て、紅葉を眺めながら、ウォーキングなどの運動を楽しんでみてはいかがでしょうか?

スポーツの秋のほかにも、読書の秋、食欲の秋、芸術の秋など、『○○の秋』という言葉はたくさんあります。これまでやってみたかった新しいことがあれば、ぜひ挑戦してみてください。

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身近で受験生を見守る親御さんがつい言ってしまいがちな『頑張れ』という言葉。

親御さんは応援するつもりで言っていても、「頑張れ」という言葉自体が持っているイメージのせいでプレッシャーになったり、不快感を与えてしまう可能性が高いです。

子どもは『頑張れ』と言われると、「これ以上何を頑張ればいいの?」「今は頑張っていないと思っているの?」と、感じてしまうのです。お子さまを励ましたり、アドバイスをしたいときには、今の頑張りを認めたうえで、具体的な方法を示してあげてください。

「よく頑張っているわね。でもあなただったら、○○すればもっと点数があがりそうね」といった具合です。

『頑張れ』と同様に、『ちゃんと』も子どもを精神的に追い詰めてしまうNGワードになります。「ちゃんとやりなさい」といったように、叱られる場面で使われることが多いですが、抽象的な言葉であるため、子どもは困ってしまうのです。

たとえば、計算問題を解いているときに「もっとちゃんと解きなさい」と言うのではなく、「丁寧な字で式を書くと、ミスが少なくなるよ」といったように、具体的な声かけをしてあげてください。

どう返答しても叱られることが予想できてしまう『逃げ道をふさぐ質問』も、しないように注意をお願いします。

たとえば、「今日、どうして勉強しなかったの?」といった言葉が、これに当たります。「この質問のどこがいけないのだろう?」と思われるかもしれませんが、こうお子さまに質問をするとき、親御さんにはすでに「勉強しなかったことを怒らなくちゃ」という気持ちがあります。

子どもが「友だちと遊んでいたから」と答えると、「宿題もせずに遊んでいる場合なの?」と叱り、「後でやろうと思っていた」と答えると、「いつもそんな言い訳ばかりして!」と叱る、といった具合です。

これを繰り返していると、子どもは質問をされたら黙り込むか、悪態をついてその場の雰囲気を変えるか、といった対応を取るようになります。

すでに話しかけても答えなかったり、悪態をつくことが多い場合、親御さんの方からこういった類の質問を何度もしていた可能性があるので、改善をお願いします。

受験本番まで、お子さまに対して不安を感じたり、イライラすることもあるかと思いますが、お子さまの気持ちに寄り添って、『自分が言われたらどう思うか』を考えてから発言するように心がけてください。

カッとなってしまったときは、以前お話しした『6秒ルール』をぜひ実践してみてください。感情的に言葉を発する前に心の中で6秒数えるだけで、不思議と落ち着きを取り戻すことができます。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【 1~3年生 】お子さまの長所を伸ばす

中学受験を検討している親御さん。

受験勉強が本格的にスタートしていない今の段階で大切なのは、『正しい方法で勉強していけば、絶対にうまくいく』というプラスの気持ちを持つことです。

志望校に受かるかどうかは、今はまだわかりません。すべては、これからのやり方と努力次第なのです。

受験勉強が始まる前からお子さまの短所ばかりを見て、「こういう性格だから、こういう風に失敗しそう」という風に、不安ばかりを高める思考にならないよう、注意してください。短所を探して直すよりも長所を伸ばしていく方が簡単ですし、効果が高いです。

「こういう性格だから、こうすればこんないいことが起きそう」というように、お子さまのいいところを伸ばしていってあげてください。

【 4年生 】学校の宿題の負担を軽くする方法

学校の宿題は、担任の先生によって量が異なります。

宿題は子どもの能力を高めるために課されるものですが、しつけとしてたくさん宿題を出す先生もいます。学校の宿題が必要以上に多いと感じたら、お子さまの負担が軽くなるよう、サポートしてあげてください。

とはいっても、お子さまの代わりに宿題を行ったりする必要はありません。漢字を20回書く宿題が出ていたら、「大変だけど、最初の5回はきっちり書こうね。残りは少し雑に書いても、お母さん何も言わないからね」と声をかけるといった具合です。

それだけでお子さまの負担感はずいぶん少なくなります。

【 5年生 】直感で問題を解いていないかチェック

お子さまが問題を解く際に、直感を使っているようすはありませんか?お子さまに、時々「なぜこの答えが出たの?」と聞いて、チェックしてあげてください。

例えば図形の問題の場合、「ここはなんで直角なの?」といった具合です。「なんとなく」といった答えが返ってきても、「なんで適当に判断したの!」と叱るのではなく、「なぜ直角だと思ったの?」と、理由を聞いてあげてください。

そうすると、子どもは「あ、これ直角じゃない」と気づくことができます。このように自ら気づかないと、直感で解き進めるクセは直りません。

加えて、「なぜ?」と聞かれたことに対してちゃんと説明しようとする習慣が、論理的思考を育てます。

【 6年生 】やることをどんどん増やさない

入試が近づき、不安を抱えている親御さんもいらっしゃると思います。焦って、お子さまに「あれもやりなさい」「これもやりなさい」と言わないように注意してください。

どうしても言いたい場合は、お子さまの1週間の学習スケジュールを見て、そこに新たな学習が入り込む余地があるのかを検討してからにしましょう。

この時期に親御さんにしていただきたいことは、やることをどんどん増やすのではなく、むしろ余計なことや無駄なことをせずに済むよう、しっかり優先順位をつけてあげることです。

受験まであと3~4か月のこの時期にこそ、上手に時間を使って効果的な学習ができるよう、サポートしてあげてください。

【 6年生難関 】「そんなことでは受からない」はNG

「こんな計算ミスしてると、受からないわよ!」。こういうふうに言われ続けると、子どもは「受からないことばかりやってきた自分は、志望校に受かるはずがない」と、マイナスに考えがちになります。

受験本番までマイナスな声かけはしないように意識してください。

お子さまに何かをするよう促したいときは、「これができたら、あなただったら合格できそうね」という、プラスな言い方にしましょう。いま偏差値が足りなかったとしても、「いまはちょっと足りなくて残念だけど、あなただったら、最後の数か月でなんとかしちゃいそうね」と言い続けてあげてください。

親御さんの声かけ次第で、お子さまは「自分ならできる、頑張れる!」とポジティブな気持ちで勉強に向かっていくことができます。

お子さまのメンタルを安定した、明るいものにしてあげてください。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

たくさんの学校を見学し、息子が第一志望に選んだのは、記述問題が多く出題されることで有名なA中学校。

「偏差値は足りていないし、記述問題が多いのに大丈夫かしら」と心の中で思いつつ、息子の気持ちを尊重して、A中学校を目指すことに決めました。

6年生からスタートする志望校別対策講座はもちろんA中学校の講座を選択し、通常授業の宿題でも記述問題に重点を置いて勉強を進めました。

目標が明確になったことでやる気が出たのか、以前にもまして真摯に受験勉強と向き合っていましたが、過去問に取り組むときだけ浮かない顔をします。理由を尋ねると、A中学校の過去の記述問題があまりにも難しく、解けば解くほど自信をなくしてしまうとのこと。

記述問題とその解答を見てみると、大人の私でも「こんな文章書けるかしら……」と思うほど、美しい模範解答が載っていました。

そこで「こんな見事な文章、お母さんも書けないよ。国語の先生も、記述問題は満点を目指すんじゃなくて、△を積み上げていけば合格点に届くって言っていたから、自信をもってたくさん記述問題にチャレンジしていこうよ」と励ましました。

息子は「△の答案なら書けそうな気がする」と、気持ちが軽くなったようす。

それからは積極的に過去問に取り組んで、先生に添削をお願いし、徐々に自信をつけ、A中学校の入試の前日には「明日どんな記述問題が出るのか楽しみだなぁ~」と言うまでになりました。

記述問題に対して苦手意識を持っているお子さまは多いようですから、親御さんが完璧な答案を目指さなくてもいいことを教えてあげるといいと思います。(モアイ像)