中学受験に関する先入観に要注意

2016年10月19日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/10/19号
中学受験に関する先入観に要注意
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】多士済々 (たしせいせい)

「『君の名は。』が大ヒットしているね!」
「日本のアニメーション業界は多士済々だよね」

多士済々とは、優れた人物がたくさんいること。『多士』は優れた才能や能力を持っている多くの人たち、 『済々』は数が多くて盛んなようすを意味します。

新海誠監督の長編アニメーション『君の名は。』が、興行収入150億円を突破し、大ヒット。日本のアニメが100億円を突破したのは、宮崎駿監督の『風立ちぬ』以来で、宮崎監督作品以外では初となったことも話題になっています。

新海誠監督は美しい風景描写と繊細な言葉で独特の世界観を持ったアニメを作り、国内外から高い評価を得てきました。

『君の名は。』の大ヒットにより、これからの日本のアニメを担う存在として、ますます注目を集めています。『君の名は。』がこれからどこまで数字を伸ばすか、注目ですね。

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中学受験に挑むお子さまを親御さんがサポートする上でとても大切なことは、中学受験を正しく理解しておくことです。

中学受験事情は目まぐるしく変化しているので、不確実な情報や噂に惑わされないように用心してください。

特に注意していただきたいのが、親御さんご自身が中学受験を経験している場合です。「自分の頃はこうだった」「自分の地方ではこうだった」といった思い込みや先入観があれば、捨ててください。

親御さんの時代と現在の中学受験とでは事情がまったく異なるため、ご自身の経験を頼りにサポートやアドバイスをするのは、非常に危険なのです。

親御さんの時代は、中学受験といえば、学校で成績がいい子が自分の能力内で勉強して挑戦するものだったと思います。しかし現在は、中学受験をするために必要な勉強量がグンと増え、6年生になれば週の半分以上は通塾することになります。

ある塾では6年生に配布されるテキストやプリント、テスト、宿題などの教材を積み重ねると、子どもの背丈よりも高い160センチに達するほどです。量だけでなく、20年前の難問が今や標準問題というように、問題の難易度も格段に上がっています。

解き方も昔と変わっているため、お子さまが入試で立ち向かう問題は、大卒の親御さんでも簡単に解くことができません。

また、「あの学校はスポーツだけが有名」「あの学校はあまり勉強ができない子が行く学校」といった過去のイメージで学校を決めつけてしまうのもよくありません。

この数十年、少子化などの影響もあり、多くの私立中学校は生き残りをかけて校風を刷新したり、学力レベルをアップさせてきました。親御さんの時代の学校のイメージや偏差値が、大きく変わっている可能性は非常に高いのです。 学校の方針や校風、偏差値、入試傾向などは、必ず現在の情報を調べて把握しておくことが大切です。

今の中学受験事情を正確に知っておかないと、お子さまをミスリードして、必要以上の負担をかけることになりかねません。親御さんは最新の情報を集めたうえで、どっしりと構えて、お子さまを支えてあげてください。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【 1~3年生 】秋は体験学習にぴったりの季節

秋といえば、紅葉の季節です。

お子さまと一緒に外に出かけて、「紅い葉っぱと黄色い葉っぱがあるね」「葉っぱが落ちている木と落ちていない木があるのはなんでだろうね?」といった具合に声をかけ、秋の植物の変化に興味が持てるように導いてあげてください。

気になった草木の名前を調べてみるのも、いい勉強になります。こうした体験学習をしておくと、いざ植物について学ぶとき、より深く理解することができます。

受験でも葉の色の変化はよく出題されますから、できれば家族でハイキングに行くなどして、自然の変化を視覚・聴覚・体感覚で感じさせてあげてください。

【 4年生 】分数計算を身につける

算数で分数の計算を学んでいると思います。分数の計算に熟練していないと中学受験はきわめて困難になりますから、計算練習をしっかり行ってください。

特に、式の中に空欄のある『逆算』に重点を置いて、学習を進めてください。また、4年生のこの時期になっても、四則混合計算の順番を間違える子が時々います。

正しく計算できているか、時々チェックしてあげてください。

【 5年生 】受験モードの6年生に影響されないで

受験モードに入ってピリピリし始めた6年生に影響されて、5年生の親御さんまでが焦ってくる頃です。心当たりはないでしょうか?

子どもの得点力は1年で大きく変化しますから、今志望校の偏差値に届いていなくても、悲観することはありません。訓練が必要な学習と、理解することが必要な学習を分けて、メリハリのある学習を続けていくことが大切なのです。

塾では、受験に必要な単元はこの1年間でひと通り勉強し終わります。

6年生では一段階レベルをあげた復習を行いますから、今はそれぞれの単元をしっかり身につけることを意識して、明るく余裕を持って勉強を進めてください。

【 6年生 】お子さまの精神状態を常にチェックする

秋が深まり、ナーバスになる受験生がグッと増える時期です。口には出していなくても、心の奥底で「今更頑張っても無理だろう」と感じてしまっている受験生はたくさんいます。

そんな子は、勉強に集中できなくても義務感で机に向かうため、親御さんはなかなか気づきにくいです。

もし気づいたら、「~してたら、~になってしまうよ!」「~しなければ、不合格になってしまうよ!」という声かけはすぐにやめて、「~すると、~になれるよ」「~すれば、合格に一歩近づくんじゃない」という言い方に変えてくださいね。

また、受験への不安のために、逆に学校ではしゃぎすぎて、骨折などの大怪我をする子も出てきます。常にお子さまがどんな状態かを感じ取ってあげてください。

親御さんが見守ってくれているという安心感こそ、お子さまの元気の素なのです。

【 6年生難関 】第一志望校の入試傾向、知っていますか?

第一志望は決まっているご家庭がほとんどだと思います。もし決まっていない場合は、学校によって出題傾向がずいぶん違うので、早めにお子さまと話し合って決めましょう。

入試問題の傾向は大きく2種類に分かれます。知識の蓄積を問う問題が多い学校と、思考力やどんな勉強をしてきたかを問う問題が多い学校です。

親御さん自身も、志望校の傾向がどちらかをしっかり見極めておいてください。

傾向を知っていれば、復習や宿題を行う際に、「A学校は記述重視だから、選択問題よりも記述問題を優先しよう」といった具合に、やるべきことを取捨選択することができます。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

長女が受験したとき、親として中学受験を経験するのが初めてだったこともあり、かなり口うるさく干渉してしまいました。スケジュール通りに宿題が進んでいないときや成績が下がったときなど、しょっちゅう叱っていたため、家庭の雰囲気まで険悪に……。

第一志望校には合格しましたが、親子関係がギスギスしてしまい、とても後悔しました。

そこで、5つ年下の長男が受験するときは、よいところを探して褒めて、逆に悪いところはあまり気にしないように努めました。長時間テレビやゲームに夢中になったり、宿題が終わっていないのに友達と遊びに行くなど、叱るタイミングはたくさんありました。

でも、長男を信じてポジティブな言葉をかけたほうが後々プラスになると思い、グッとこらえて、成績が下がった時も、「本番に強いから、大丈夫よ!」と、明るく励ましました。

長女も長男の受験勉強に非常に協力的で、家庭が明るい雰囲気のまま第一志望校の受験当日を迎えることができ、長男は「なんか合格する気がする!」と自信満々で受験会場へと向かっていきました。

長男の受験では、第一志望校合格だけでなく、家族の絆も深めることができたと思います。勉強だけにとらわれずに、よい親子関係を作る意識を持って、受験に取り組むことをおすすめしたいです。(パンプキンママ)