第17回 元中受ママが伝授!読書は好きだけど国語が苦手!なぜ?

… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。

Q うちの子どもは読書が好きだけど、国語が苦手。なぜでしょうか?
読書と国語の読解力との関係は、よく話題にされます。 
今は情報が出回って、「読書(量)と国語の成績は比例しないんだって」という「常識」が一般的になりつつありますが、それでも実感として納得できない部分をお持ちの親御さんは多いのではないでしょうか。 今回は、本当に読書量と国語の読解力は関連性がないのか、についてお話ししたいと思います。

国語の成績は読書の種類による?

国語の成績

まず、結論から。
読書量の多いお子さまは、総じて国語の成績が良い、と言えます。
ただし、これは読書の種類によります。

お悩みのように「読書は好きだけど国語が苦手」というケース。これは、読解力を養成しない「読書」をしている、ということです。
たとえば、映画を見たり、マンガを読んだりして、「小説版」を読む。これは、すでに予備知識のある事柄を追う読み方ですので、読解力はつきません。

『ハリーポッター』が好きでも、映画や耳にした話で知ったうえでの読書は、「文章を読みなれている」という点では、スピードに影響しますが、読解力の養成に直結する読書とは言えません。
自分が今まで考えたこともないある側面を映しだす読書、つまり未知のものを読むことは、固いものを噛んでいるとあごが丈夫になるように、読解力を育成します。

読解力育成におすすめなのは?

読解力育成

たとえば時代背景が異なる小説や社会問題をテーマにした論説書などを読むことは、確かな読解力を育成します。
未知とはいえ、ライトノベルのように、文章が短く会話体が多い書物を読んでも、やはり読解力は育成されません。自身の持っているボキャブラリーを多少オーバーするくらいの書物こそが、読解力を育成するのです。

ですから、「読書、ただし、未知で語彙的に背伸びした内容を読む読書は、着実に読解力を育成する」ということは言えるかと思います。

では、「国語が苦手だから、今からでも読書で読解力をきたえます!」というのは、これまた迂遠なやりかたです。読書がつちかう読解力というのは、長い時間をかけて育成されるもの。速攻、即席に読解力を促成できるものではないのです。
中学受験を始めてからの読書の効用に速攻性を期待するなら、それは残念ながら期待どおりは難しいと言わざるを得ません。

国語力を身につけるには、親が重要?

国語力を身につけるには

そして、読書というのは、強いられて行うと、読書嫌いになりかねないものです。また、強制されて行うことは、何にしてもつまらないものでしょう。

「うちの子を読書好きにさせたいんです!」という場合は、「読みなさい」と強く促すのではなく、親御さんが読書をする姿を見せる、そして家の中に書棚があって、背表紙がいつでもながめられる、その気になったときに手にする本がある、という環境、これこそが真の読書好きを育てるのです。

国語の成績は、読書と関係なく伸ばすことは可能です。
なぜなら、中学受験の国語は、入試として成立している限りにおいて、「論理的に解ける」からです。論理的に解く「方法」を学んで、それを実践して身につけるための演習量をこなす。 国語の読解は、我流で解いているうちは、いつか行き詰まります。
まずは、読書と切り離して、「正しい解法の道すじ」を学び、大学受験まで通用する真の「国語力」を養成しましょう。

中学受験ギモン解決所

春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。