入試直前期の準備と過ごし方はどうすればいいの? 第26回

… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。

Q 入試直前はどのように過ごせばいいでしょうか。
最も効果的な過ごし方を、細かく分けてお答えします。
6年生のご家庭では、入試本番までのカウントダウンが始まりました。帰国入試は既に合否も出始めています。この入試直前期、親は何をどう動けばいいのか、受験生のお子さんへの言葉がけはどう心がければいいのか、受験生のお子さま本人は、どんな学習をすれば効果的か、このようなお悩みをおうかがいすることが多くなります。今回は、その回答となります。

直前期に親がするべきこと

直前期に親がするべきこと

願書はそろえて既に記入はお済みでしょうか。最近はタイピングに慣れて直筆する機会も少なくなりました。その分、願書の記入は緊張しますね。「丁寧に書かれた文字」であれば、達筆でなくとも一向に構いません。
志望動機を書く欄は、必ずその学校の理念や教育方針に触れ、賛同している意を伝えておきましょう。常識を大きく逸脱した記述でなければ、願書で合否は決まりません。
面接がある学校の場合、願書はコピーして手元に置いておきましょう。面接時に、志望動機が食い違わないように事前に見返しておくためです。

そして、そろえるべき願書は、「実際に受ける学校プラス万が一の転ばぬ先の杖」まで用意しておきましょう。併願校の話になりますが、たとえば東京の中学入試であれば、次のように不合格の際の受験校をシミュレーションするとよいでしょう。

〇四谷偏差値四科平均60男子の不合格シミュレーション

渋幕(1月)⇒海城1回目(2月1日)⇒攻玉社(2月2日)⇒海城2回目(2月3日)⇒世田谷学園(2月4日)⇒本郷(2月5日)⇒東京都市大付属(2月6日)

6校!ここまで考えるの?!
ええ。考えておきましょう。

複数回入試日がある学校は、一般には2月1日から遠のくほど熾烈な争いになります。通常の偏差値では測れないのが、4日、5日、6日の入試です。何が起こるかわからない小学生の受験です。願書は用意してしすぎはないと心得ましょう。

後は入試当日の動きを書き出しておきましょう。
交通経路、起床時間、当日の服装、持ち物、そして悪天候の際の雨具の用意も必要です。日別に作成し、保存しておくと安心です。
そして、「ええっ、そこまで?!」と思われるかもしれませんが、入試前日から入試が続く毎日の夕食のメニューまであらかじめ考えておいた方が安心です。なぜ? 入試結果が悪くても、受験が続くときには外食よりも自宅で食事をした方が、体力面でも時間的にも翌日も続く入試を迎えるためにはよいのです。しかし、入試結果が残念だった場合、親も買い物をしてご飯を作って、という作業に頭がまわらなくなってしまいがち。入試前にあらかじめ1週間の献立を立てて、まとめて買い出ししておくことです。
入試前夜に外食して、2月1日本番に腹痛で苦しんだ次男のときの私自身の教訓です。

直前期の過ごし方

直前期の過ごし方

学習面では、新しいことに手を付けないようにします。今までやってきたことを振り返る時期です。いつも使っているテキスト、問題集であいまいなところを強化していきましょう。
この時期は「やるだけやった!」という自信をはぐくむ時期。親の声がけにも気を付けましょう。「落ちるよ!」という脅しはNGです。安心させようとして「落ちてもいいよ」とも言わないようにしてください。「信じてるよ」も重すぎる。「大丈夫。思い切り受けておいで。」の声がけが最もお子さんが安心する言葉です。

生活は徐々に朝型に移行する時期です。朝に頭が働くよう、起きたら必ず計算をしてエンジンをかけましょう。これは、入試当日でも有効です。

入試当日の注意点は?

入試当日の注意点

最後に事前に用意しておく入試当日の服装についての注意事項です。面接がある場合は、楽な服装で試験を受け、面接前に着替えます。
入試当日は、普段着慣れている脱ぎ着しやすいものにします。羽織物の重ね着だと教室内が暑いときも、寒い時も温度調節しやすくて便利です。
日ごろ特に寒がりでないお子さまの場合、足裏にホッカイロを貼るのも控えましょう。
室内が暑い場合、気になって集中できません。

このいつもと違うことをしない、というのはとても大切です。いつもと違うことは、とにかくお子さまを疲れさせます。ですから、入試当日悪天候だったときのために、志望校近くのホテルに宿泊、というのもお勧めしません。私自身が、長男のときも次男のときもホテルに前泊して失敗しました。がちがちに緊張した長男は、朝食が喉を通らず。そして前述したように、次男は入試の最中に腹痛で苦しむ。
いつもの食事にいつもの穏やかさ。いつものテキスト、いつもの勉強時間。特別なことは不要なのが、当日落ち着いてテストに向かうコツなのかもしれません。

中学受験ギモン解決所

春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。