第18回 元中受ママが伝授!中学受験で親がするべきサポートは?

… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。

Q 中学受験で親がするべきサポートは何でしょうか?
中学受験で親がするべきことは、次の3点に尽きる、と言っても過言ではないでしょう。 【1】進学先関連、【2】心身の健康管理、【3】塾関連です。ひとつひとつ見ていきましょう。

中学受験は高度な管理が必要?

高度な管理

【1】進学先関連
(1)学校説明会への参加、(2)子どもを連れての学校見学、(3)入試手続き、(4)併願校選び、(5)合格後の手続き、といった細かなことの総称です。

【2】心身の健康管理
(1)食生活、(2)就寝時間の管理、(3)小学校生活のサポート、(4)心身の健康チェック、といったことが考えられます。

【3】塾関連
(1)入試分析会への出席、(2)塾の保護者会への出席、(3)塾での個別面談、(4)受講費用の捻出、(5)受講科目・コース・講習の選択、(6)成績管理、(7)教材管理、とちょっと煩雑ですが、中学受験における中心のサポートが集積されています。

上記のなかで、日時が決まっているものは、落とし込んだスケジュール表を作成しましょう。また、ルーティンワークは一覧にして、学校の行事予定表と一緒に貼っておくのをおすすめします。

まるで会社での仕事のようです。私はよく思うのですが、中学受験生を持つ主婦の仕事は、実はかなり高度だぞ、と。会社では、とりあえずは上司がいて、指示を受けて動くことが多いのが、一般サラリーマンです。ところが、主婦は、誰から指示されるわけでもなく、自分で計画を立てて、書籍やインターネット、口コミを介して多くの種別の雑多かつ膨大な業務を「調査」、「選択」、「実行」するわけです。

中学受験を終えたら、子育て時期の変換!ということで、働きに出るのもひとつかもしれません。優秀な人材として、どこでも重宝されるはずです。…と余談でしたが、まあ、それだけ忙しい中学受験、しっかり乗り切るためにも、前もって計画的に進めたいものです。

親御さんが押さえたい、押さえるべきポイントは?

押さえたいポイント

【1】進学先関連
私自身の中学受験の後悔はたくさんあります。ありすぎて、直視できずに「まっ、いいか」と流してしまっていますが、時折思い出すと、胸がチクッと痛みます。少なくない数の保護者の方が、「あのとき、ああしていれば」と思っているのかもしれません。そんな「あのとき、ああしていれば」ワースト3のなかに、必ず挙げられるのが、これ。「学校見学」です。もっと早くからいろんな学校を見てまわって、子どもに向くであろう学校を一つでも多く知っておけばよかった。こんな声は毎年聞きます。

どうしても、「あこがれ校」にばかり親子で目が行ってしまいますが、「あこがれ校」のみを見つめていていいのは、子どもだけです。親は、足元をしっかり見なければ。子どもには言わずとも、まずは、持ち偏差値的にも下の学校まで足を運んでみることです。

学校めぐりは、結構面倒です。でも、ここでモノグサするのは、得策ではありません。子どもの一生がかかっている、くらいの意気込みで、精力的に回ってください。おもしろいもので、いろんな学校に足を運ぶと、行かせたい学校像が見えてきます。また、必ずメモを取り、記憶の助けにしてください。

子どもを連れての文化祭めぐりも忘れずに。この場合、親が「行かせてもよい」という学校に絞って連れていきましょう。

学校説明会も文化祭めぐりも、5年生までに終わらせておかなければ、怒涛の6年生では遅すぎます!

そして6年生になったら、合格後のお金の動きも確認しましょう。手続き関連も、6年生の夏休みには予習しておきます。 このあたり、あわてないよう、前もっての準備が基本です。

【2】心身の健康管理
まず、「心身」という点、「心」をお忘れなく。受験生活になると、どうしても小学校でのお子さまの交友関係などが希薄になる分、そちらへの配慮を忘れがちになります。お子さまの様子がいつもと違うな、と思ったら、「違う」という点を頭にインプット。すぐに動かずとも、注意深く様子を見てください。

こんなとき、小学校で交友のあるお母さまがいたら助かりますね。いろいろと情報が入ってきます。普通に愛想よくしていれば、交友関係は円満です。ちょっとしたお手伝いなど、自分にできることを心掛けておくことも大切です。

また、テストの成績のことで怒ってもいいのですが、「怒りすぎない」こと。この「すぎない」はすべてにおいて大切です。「すぎたな」と思う前に止めましょう。これもお子さまを見ながら叱っていれば、やりすぎに気づくはず。とにかく10代前半までは、親は、わが子をしっかり観察するのが、重要なお仕事。何かあったときは、手を差し伸べてください。

夜も、寝るのがどうしても遅くなります。罪悪感につながりやすいのですが、ある程度遅くなるのは目をつぶりましょう。その代り、疲れているときは早めに寝かせる勇気を持つことです。

【3】塾関連
テスト対策。これに尽きるのが塾関連サポートです。日々の復習も家庭学習も、すべてはテストの成績に収れんしていくものにすぎない。それくらい、テストは親にとっては、最大の興味の対象です。

でも、待ってください。塾のテストが、志望校の入試ではない。これは、よく言われること。もちろん、関連性はあります、ないとは言いません。客観的にわが子の位置を知るのは、大切です。でも、そのうえで、課題を見つけて埋めていく作業の実践のきっかけ作り、これこそがテストの役割、と気づいてください。

志望校にあわせた効率の良いテスト活用は、6年生になってから。まずは5年生までは、愚直にテストで見つかった正答率50%以上の穴を埋めていく作業に徹しましょう。簡単に言いますが、日々の宿題のなかで、テストで見つかった課題の穴埋めは、「意識的に」日々の学習のなかに組み込んでいかなければ埋まるものではありません。

ここが親の出番。勉強を見る必要はありません。ただ、上手にスケジューリングしてあげましょう。困ったときには、餅は餅屋。塾のプロ講師をとことん活用してください。

中学受験ギモン解決所

春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。