第19回 元中受ママが伝授!テストの成績を見て親御さんがとる行動は?

… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。

Q テストの成績が…そのとき親はどう行動したらいいのでしょうか?
母集団が大きいテストや、クラスの昇降にかかわるテストであればあるほど、成績が振るわなかった場合、親のダメージは大きくなります。

本人も悔しさを感じるでしょうが、所詮小学生。切り替えは早い。ところが、大人はそうはゆきません。お子さんの切り替えが早ければ早いほど「反省していない!」と見えて、成績が下がったショックが怒りと結びつきやすいもの。
しかし、感情的になってもお子さんの成績が上がるわけではない。
このあたりまえのことをしっかり胸に刻んで、親はやるべきことを粛々と行いましょう。

本日は、テストにまつわる親の取るべき行動について、
【1】テストの前の学習、【2】テストを受けた直後、【3】テストの成績が返ってきてから
上記、3つに分けてお話いたします。

【1】テストの前の学習

テストの前の学習

出題範囲がない、と言われている実力テストですら、実は、範囲が広い、というだけで出題範囲は毎年同じです。
その範囲の基本部分の復習を網羅的にしておく。
この「網羅的」という視点がとても大切です。ある部分のみ力を入れる、というのは、範囲ひと通りの基本を押さえてからの話。
できれば、昨年のテストを手に入れて時間制限を設けて解き、できなかった分野を重点的に学習すると、より効果的です。

テストの過去問を手に入れて解くことを、「ずるい!」ととる向きもあるようですが、それはおかしい。とわたくしは思います。
テストの過去問学習は、唯一例外の昨年度と同じ問題を出すSAPIXの「比較合判」以外は、範囲がわかり、傾向を知るだけで同じ問題が出題されるわけではないので、テストのための勉強と割り切れば、質の高い学習が見込めるのです。

テストの過去問学習を否定する方も、入試の過去問学習を否定することはないでしょう。
どちらも学習法として根っこは同じ発想です。
効率的に効果的な学習を目指すなら、テストの過去問学習は、おすすめの方法であることは間違いありません。

【2】テストを受けた直後

テストを受けた直後

テストを受けた直後は、記憶が新しいので、本来ならば復習はそのときに行いたいもの。どこの塾でも解答は即出しが基本なので、復習は可能です。しかし、テスト疲れの中、まだ正答率も出ていない問題を一から復習するのは、かなりのエネルギーを要します。
ですから、問題の解きなおしは成績の返却を待ち、テスト直後は、「受け方」をなぞって「振り返り」、次回に活かしましょう。

どんな順番でどこにどれくらい時間をかけて解いたのか。
これは、テスト直後にしか思い出せない部分です。
そして、この「テストの受け方」を次回に活かすのは、結局は、入試本番のテストの受け方の練習という意味で大きな意味を持つのです。

たとえば、標準的な問題に時間をかけていたという場合、その単元の理解が甘い、そもそも根本が理解できていない、という原因が考えられます。課題の洗い出しに使えるのです。
難しい問題に時間をかけていたという場合、解けそうな気がしたからがんばって挑戦したわけですから、たとえ解答していなくとも、その単元の基本はできている可能性が高い。でもこれが算数なら、捨て問に対する意識が低い、という可能性も捨てきれません。適宜、塾の担当講師に相談してみてください。

国語ならば、選択肢問題に4・5分以上時間をかけていれば、ポイントを押さえた「選択肢の選び方」を知らない、ということ。下から上に選択肢文どうしを比較していく、選択肢で使われている「表現」のちがいに着目する、など選択肢問題のポイントを押さえる「基本動作」をまずは身につける必要性があります。

解答する順番も重要です。
国語ならば、本文の接続語や擬態語の空欄は読みながら入れていく、漢字は番号に丸をつけて、読み終わった後、どこにあるか探しやすくしておく、知識問題、得意な分野、苦手な分野の順に解く、という「必勝パターン」を探しておく、など。
テストの受け方の振り返りで得られる知見は貴重です。ぜひ、毎回親子でテスト直後に振り返りを行いましょう。

【3】テストの成績が返ってきてから

テストの成績が返ってきてから

テストの成績が返却されたら、ひたすら正答率を見て、上位クラスなら、正答率40%以上、中下位クラスなら正答率50%以上を目安に間違えた問題を解きなおし、課題として具体的に記述しておくことが大切です。
次に、志望校が明確な場合、志望校の頻出分野でできなかった問題をピックアップします。

上記のようにテストは、できた問題よりできなかった問題のほうが多くの情報を与えてくれます。
よく「課題の洗い出し」と言いますが、テストは「課題」を抽出するのに最適です。
できるだけ具体的な項目にして、テスト名、テストの日付とともに一覧表にしておきましょう。
そして、日々の学習の隙間時間で克服できるよう、まずは基本を押さえた学習をしましょう。
終われば、その項目にチェックを入れる。
達成感につながります。

わが家の場合、長男はSAPIXでしたが、テストにクラスの昇降がかかっていれば、成績が下がった場合、家の中の雰囲気は3・4日暗くなったものでした。
今なら、言えます。
家の中を暗くしたって、よいことは一つもない!と。
正しくテストを振り返って、子どもには明るく、おいしいご飯をつくる、それだけで、子どもは前を向いてがんばるエネルギーの素を蓄えます。

わかっちゃいるけど、むずかしい。
現中受ママさんたちに心からのエールを送ります。

中学受験ギモン解決所

春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。