第21回 元中受ママが伝授! 算数の入試問題、学校でどう異なる?

… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。

Q 志望校によって算数の傾向はどのように異なるのでしょうか?
算数、というと、男子校が難しく、女子校が易しめ、というのが定番です。
ですが、もっと細かく見ていくと、違いがもっと明確に出てきます。
算数科の先生でもある当塾の塾長に聞いた、男子校、女子校、共学校、大学付属校の算数の傾向についてお話しいたします。

算数の入試問題傾向:男子校

算数の入試問題傾向:男子校

さて中学受験において、男の子にとって算数は重要だといいますが、それは本当のことです。

でも、最難関校である開成麻布駒場東邦は、算数「だけ」できてももちろん合格しません。これらの学校群は、しっかり国語も理科・社会もできて、はじめて合格できます。4教科のうち、1教科でも苦手科目があったら、まず合格は難しい学校群です。神奈川御三家である栄光学園聖光学院も算数が難しいとはいえ、やはり4科目そろっていることが要求されます。
これが、浅野海城早稲田になると、1科目苦手があっても残り3科目でカバーできる可能性もあります。

関西と首都圏を比較してみましょう。西の最難関、の算数の難度は日本一です。当然、算数で差がつきます。
これに比して、開成麻布駒東は、頑張った子が報われる、素直な難問を出す傾向が強いといえます。

それでは、算数が得意だとかなり合格に有利な学校を挙げてみましょう。
たとえば、攻玉社世田谷学園巣鴨、そして高輪も、学校偏差値よりも算数の難度が高く、いわゆる算数が得意な子に志願してもらいたい学校群ともいえます。
その理由は、男子校は理系に進む率が高く、算数ができるいわゆる理系タイプのほうが進学に有利だと考えるからです。

では、これら男子校対策として、算数のどの分野の勉強に力を入れたらいいのでしょうか。
「比」はもちろんです。「比」をなくして、受験は語れない、どの分野にもかかわってきます。
「比」を外すと…

1位:平面図形
2位:速さ
3位:数の性質
です。

1位の平面図形、これは中学に進んで学ぶいわゆる幾何と大きくかかわっています。
高校に進んで学ぶ高等数学というのは、幾何はほとんど扱わないのですが、中学数学では、幾何が重要です。この幾何と大きくかかわっているのが、平面図形なんですね。
数学の初動段階で平面図形は必須なのです。
このあたりとかかわっているのでしょう、男子校の多くで平面図形は大人気です。

算数の入試問題傾向:女子校

算数の入試問題傾向:女子校

女子校でも桜蔭女子学院などは算数が難しいイメージがありますね。でも、実はそうでもありません。男子校に比べると難度は決して高くはないです。

女子校の算数の入試問題の特徴は2つあります。
一つは、男子校と異なり、女子校の多くは正確性とスピード性を要求されます。ですから、女子校では、処理能力を問う、ややこしい計算問題を好んで出題するのです。

もう一つの特徴は、女子校は知識があれば解ける、いわゆる一行問題的なものも多く出題することです。

たとえば、人気校である鷗友共立頌栄日本女子などは、入試問題は、解法を「知っているか、知らないか」だけで、点数が分かれます。 こういったいわゆるパターン問題を攻略するには、算数のテキストを一冊仕上げることです。仕上げた後に、パラパラとめくって、問題を読み、即解法が浮かべば、かなり合格の力がついていることになります。

算数の入試問題傾向:共学校

算数の入試問題傾向:共学校

共学というと、有名なところでは、渋谷教育学園幕張渋谷教育学園渋谷東邦大学付属東邦市川学園などがあります。
近年、これらの共学校は、人気が高い傾向にあります。

算数の難度は、男子校とほぼ同じ、つまり女子校より難しい傾向にありますから、女子のみなさんは算数の攻略が合格のカギとなります。

算数の入試問題傾向:大学付属校

こと算数に関しては、男子進学校と大学附属校では、偏差値表で両校が同じ偏差値であったとしても、算数の難度は「男子進学校>大学付属校」 です。これは、大学受験がないため、学校の日々の学習を重視するため、全教科バランスよく勉強する生徒がほしいためでしょう。

いかがでしたか。
機会を改めて、国語や社会、理科の入試問題傾向についてもお話しいたします。 お楽しみに。

中学受験ギモン解決所

春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。