空を見上げる 上を向く 星を見る 〜星見のすすめ〜

空を見上げる 上を向く 星を見る 〜星見のすすめ〜

お久しぶりです。秀鈴です。

毎日新型コロナウイルスのニュースで、不安と心配が押し寄せてくる日々が続き、気持ちも沈んできてしまいそうになります。そんな鬱屈した状況だと、人はどんどん下を向いてしまうもの。
そんな時こそ、夜空を見上げて星を見てみませんか?

なぜ、いきなり「星見のすすめ」か、と言いますと……わたくし、編集者であると同時に星空(準)案内人でもあるのです。

ちょっとここで星空案内人の説明を。
星空案内人とは別名「星のソムリエ」とも呼ばれています。「星空や宇宙の楽しみ方をワインのソムリエのように教える人を育てよう」ということからはじまった民間の資格制度で、やまがた天文台の呼びかけから始まり、全国に広まりました。星空案内人になった方々には、地域の天体観測教室を主催や、観光地の星空ガイドなど、いろいろな場面で活動しています。私はまだ(準)案内人という見習いみたいなものですが、これから正案内人の試験をいくつか受ける予定です(新型コロナの関係で試験も延期になってしまいましたが)。ちなみにNHKの夜のニュースで天気予報を担当する気象予報士の斉田 季実治さんも星空案内人です。

夕方、西の空に明るく輝く金星

さて、早速4月から5月の星空案内を始めましょう。
街中では明るくて、あまり星が見られない…という場所もあると思います。
でも、月や惑星なら明るく、夜が明るいところでも大抵見ることができますよ。

特にいま、金星がとても明るく見えています。日が暮れる夕方、西の空に、まるで線香花火の火花が散り始めたころのようにひときわ明るく輝いているのが金星です。夕方に見える金星を「宵の明星」ということを聞いたことがあるでしょう。

金星はこれからどんどん明るくなり、来週、4月28日にはもっとも明るくなり見頃を迎えます。5月に入ってもまだまだ明るく見えますが、5月下旬にさしかかると見え始める位置が西の空低くになってきてしまうので、5月中旬くらいまでが一番見やすいかもしれません。

4/15午前2時頃、自宅のベランダから。下弦の月とその横に木星、左斜め下に土星。月が明るいのでボヤっとしてますが、カメラの性能がいいスマホならこんな感じで写せます。
4月15日午前2時頃、自宅のベランダから。下弦の月とその横に木星、左斜め下に土星。月が明るいのでボヤっとしてますが、カメラの性能がいいスマホならこんな感じで写せます。

日の出前の南東の空には、火星、木星、土星を3つ同時に見ることができます。
この3つの惑星は明るく、周りの星より少し大きいので、特徴を覚えておくとすぐにわかります。
火星は赤い星。木星は大きくてはちみつ色に輝いています。土星は火星や木星よりは遠いので木星に比べるとちょっと小さ目ですが、濃い黄色に輝いています。日の出前の午前3時〜4時という時間はちょっと起きるのが大変ですが、早起きにチャレンジして見てみてください。

ちなみに火星は今年、地球に接近します。2年2カ月周期で接近する火星。今年は位置的に2年前と比べると大接近とは言えないのですが、これからどんどん大きく明るく見えてきます。一番近づくのは10月6日。地球からの距離 6,207万キロメートルです。

火星の明るさ、見かけの大きさがどんどん変わっていくのを観察すると、長期的な自由研究のネタにもなるかもしれません。

北斗七星からアークトゥルス、そしてスピカ

惑星以外の星の話も。
簡単な星座の見つけ方もご紹介しますね。
夜でも明るい都会に住んでいると、星座のカタチをすべて見るのは難しいかもしれませんが、それでも1等星などの明るい星は見られます。

北の空には、ひしゃくのカタチをした北斗七星が見つかると思います。わりと明るい星で構成されているので、こちらも街中であっても見つけやすいです。ちなみにこの北斗七星はおおぐま座という星座の背中としっぽの部分にあたります。また7つの星のどれか一つは二重星、2つ星が並んでいます。昔は視力検査にも使われたといわれている星です。目の良い人はぜひ見つけてみてください。

これは9月の星空。左側にうっすらと天の川。アンドロメダ銀河も写っていますよ。探してみましょう。
これは9月の星空。左側にうっすらと天の川。アンドロメダ銀河も写っていますよ。探してみましょう。

北斗七星が見つかったら、ひしゃくの柄の曲線の部分から、ずーーーーーっと空をなぞるように、東の方に目を向けてみましょう。
午後8時頃だと、ちょうど東にさしかかるところに、黄色とオレンジの中間くらいの色の星、アークトゥルスが見えます。うしかい座の1等星です。さらに南側になぞっていくと、白っぽく輝く星が見つかります。日本では「真珠星」とも呼ばれるこの星は、おとめ座の1等星、スピカです。
この北から南の大きな曲線が「春の大曲線」と呼ばれているものです。

参考:国立天文台 ほしぞら情報(2020年4月)

会えなくても、同じ時間、同じ方角に

写真は2015年1月に撮影したラブジョイ彗星。この時は4等星くらいの明るさで、なんとか肉眼で見えました。目印はプレアデス星団(すばる)です。
写真は2015年1月に撮影したラブジョイ彗星。この時は4等星くらいの明るさで、なんとか肉眼で見えました。目印はプレアデス星団(すばる)です。

本当でしたら、5月に明るく見える彗星ということで、アトラス彗星のことも紹介したかったのですが……。

どうも最新の情報だと、彗星の本体、核と呼ばれるものが崩壊した模様という報告があり、肉眼で見るのは難しそうな気配。
ただ、 4月後半には「双眼鏡を使えば見えるかも」程度にはなるかもしれないとのこと。これは見つけるのは難易度が高いかもしれませんが、双眼鏡をお持ちの方は是非チャレンジしてみてください。

ちなみに彗星は淡い緑色、かなりぼやっとした感じで見えます。

オリオン座とおおいぬ座。真ん中の明るい星はシリウス。冬の星座ですが、4月でもまだ夜7時ごろ西の空に見えてます。ちなみに左下に見えているのは富士山です。
オリオン座とおおいぬ座。真ん中の明るい星はシリウス。冬の星座ですが、4月でもまだ夜7時ごろ西の空に見えてます。ちなみに左下に見えているのは富士山です。

いまは夜でもそんなに寒くありません。
それに外で少人数であれば、「密集」「密接」「密閉空間」の3密を避けることもできます。
星を探したり、あの星は地球から〇〇万キロも離れたところにある……とか考えたりすると、なんだか大きな気持ちになりませんか。

ぼーっと眺めるもよし。星見をしながらちょっと一息つく時間を取ってみると、コロナで乱れた気持ちも少し落ち着くかもしれません。

そして日本の場合、多少の時間差はありますが同じ時間帯に同じ方角に、同じ星が見られます。天気さえ良ければ遠くに離れている人と時間を合わせて同じ方角を見れば、同じ月、同じ星を見ていることになりますね。

「今は会えない人と、同じ時間に同じ月を、星を見る」そんな楽しみをもってみてはいかがでしょうか?

※暗い場所での星を見る時には、足元に十分お気を付けください。